2011年5月1日日曜日

パナシー人生

最後の晩餐って感じで繰り出したフライデーナイト。
安酒場が閉まっているという結果で意気消沈にて終了。

まあ、それでも、アンドレスに酒もおごれたし、サウロのLIVEにも行けたので、良かった良かった。

そして、いよいよ出発の30日。
Tianguisにキッピーと共に行く。

キッピーが新農家のホストRubenを探してくれたので、早々に出会うことが出来た。
しかし、2人はよく働くし、マッサージが上手いという、なかなかいらぬ情報を伝えられた為、僕たちはベラクルスにて、重労働と先輩方に対するマッサージを余儀無くされるであろう。

ビリビリブー!

少し話したあと、Rubénと奥さんLauraに別れを告げる。

しかし、村に着いたら電話してってゆーのが少し引っかかった。

日本人は、日本に来た外国人に対し、なんとかかんとか英語で話そうとするが、こっちは違う。
Español はpoquito(ごく少量)しか話せないよ。
と、伝えているのに、なかなかハードな現地語で会話してくる。
まれに日本語を話してくれたかと思うと、
「アリガトウ」
とか、
「ワタシは、○○デスぐらい」
だ。

今回もほとんどの会話が成立していなかったのに、電話で果たして会話出来るのかどうか??

まあ、ええか。
なんとかなるやろ。

最後の町を徘徊する。
コロニアル調の町並み。

ヨーロッパを思わせる町並みに、観光客や町人、近隣の村人などがひしめき合うさまは、なんとも不思議だ。

少し裏に入れば観光地っぽくない姿も見れたり、バスに乗れば20〜30分ほどで近隣の村にも行ける。
グアテマラへ抜けるにも近いし、なにかと便がいい町。
サンクリストバル・デ・ラスカサス。

も、腹痛に見舞われた僕に、最後の風を感じる余裕はない。

木曜日からずっと痛い。
ラッパのマークも効かない。

きっと水曜日に泳ぎに行った川のせいだ。

みんながキレイキレイと、テンション上げて泳いだ川。

正直濁っていた。

そう思うと、日本の川はとてもキレイや。
透きとおっている。

海もキレイやし、山も素晴らしい!

魚も肉も、野菜も米も、何もかもが美味しい!

四季もある。

ちいさな島国に色んな魅力がつまっている。

すごい国や。

旅に出れば日本の様々な魅力に気づく。

もちろん汚点にも気づく。

異国の文化や人や、食べ物や酒に触れ、自国の文化や人や、食べ物や酒に対して考えさせられる。

だから旅が好きや。

今まで感じたことのなかった新しい感覚が生まれる。

行くたびに、少しずつ少しずつ、人に対してやさしくなれている気がする。

10年前、鎖国推進委員会だった自分がウソのようや。

こんなに旅が好きになりだしたのは、いつやったろうか?

初めて海を渡り、世界の広さに感動した時か?

屋久島の初日の出を見て、涙が出そうになった時か?

それとも、中学生の頃か生まれる前か?

まあ、ええか。
にしても、旅人には、計画どおりにいかないことがたくさんある。

3時にバス停に行かなければならない2人。
2時になったので、日本人あゆみさんに会う為、再びtianguisに向かう。

なぜならあゆみさんと彼氏のロドに、Las tinajasでの降り方を聞かなければならないからだ。

何故、ベラクルスに行くのに、ティナハスで降りなければならないかというと、
サンクリ→ベラクルス=600ペソ

サンクリ→ティナハス=300か350ペソ

ティナハス→ベラクルス=35ペソ

一度乗り換えるだけで、350に乗っても、1人215ペソ安くなる。
僕らは2人だから、合計430(3000円ぐらい)ペソ安くなるわけだ。

日本なら、3000円で楽が出来るなら‥
と、言ってしまいがちだか、メキシコでなら、20ペソで、1.2リットル入った victoriaというビールが21本と、路上で売られている5ペソのポテチが2つ買えるわけだ。
まさにvictoria(勝利者)の酒。
手作りのポテチに、ライムと塩とサルサかけて食えば、ビールもすすむ。

600払って楽して直行ベラクルス行くか?

途中で乗り換えた分、浮いたゼニで計25リットルの黄金の液体に飛びこんで死ぬか?

どっちを取るって言われたら、この日記を読まれている方も含め、確実に後者であろう。

もし、いやいや俺は前者やで。
と言うかたがいたとしたら、こちらの例文を読んでいただきたい。


「うわぁ~。にしてもあっついなぁ~。
あつはなついで~。
いや、夏は暑いで~」

「今日40度あるらしいで」

「ホンマかいな。死んでまうわぁ。
なあ、生でも呑みにいかんか?」

「ええなあ。せやけど今月金ないねん」

「心配すんなや。生の10杯20杯、俺がおごるがな」

「まぢで?」

「おう。ちょっと金が出来てな。ふたりで50杯ぐらいはやれんで」

「か、神様やぁ。‥アテも頼んでもいいかな?」

「おう。ポテトチップでええか?」

「じゅ、十分やぁ~。手の震えがとまらんわぁ~」

(月刊・アルコール依存症 by ディアゴスティーニ参照)

てことで、あゆみさんに降り方を聞いたのだが、そこに着くのが深夜で、ひと気のない林道。

降り方もややこしく、日本語しかわからん2人では、危険なのではないか?

よければ一日ずらして一緒に行かんか?

と言うことになった。

そう、あゆみさんとロドは五月からベラクルスに住む為、明日引越しだったのだ。

そんなにややこしいならということで、大慌てでバス会社へと向かい変更!

Rubénに電話して、一日送らせたこと。
そして、あゆみさんの家に1,2泊してから農場へ向かうことを伝えてもらい、僕らはサンクリにもう一泊することになった。

キッピーの家にタダで泊まらせてもらった。

ホンマ、日本でもメキシコでも、色んな人に迷惑かけっぱなし、世話になりっぱなし。
ぱなしぱなしの人生や。

ガキが生まれたら、男なら一休。
女の子なら小梅ちゃん。
と決めていたが、男でも女の子でも、名前はパナシーにしよう。
きっと似たような子になるだろから。

田畑パナシー。

パナシー田畑。

売れへんマジシャンみたいでカッコいいではないか。

そして今僕は、下痢ちびって汚したパンツを、無事に洗い終えた。

そんな最終日の昼下がり。
ビール片手ではなく、コーラ片手にラッパのマークを飲んでいる。

くさい!