2011年12月29日木曜日

ポルケ? パラケ? プルケ!

por que?ーポルケ?ー(何故?)
何故、僕らはメヒコに来たのか?
それはメヒコが好きだから。

para queーパラケー(何の為?)
じゃあ、何の為にメヒコに住んでいるのか?
それはスペイン語を勉強しながら、メキシコという国を、人を、深く知りたいから。

pulqueープルケー。
それは、忘れていたもう1つの目的。
これは、マゲイっつうサボテンから作られる酒。
白濁色で、鼻水みたいにドロ~ンとしたお酒。
2008年。メキシコ旅行中に、たった一度だけ出会った愛すべき酒。

この酒を呑むためにメヒコに来たのに、今まで一切口にしていなかった。
何故なら、ベラクルス州には無いと勝手に思い込んでいたから。

が、ベラクルス州にも存在するということを、ボスの口から耳にしたので、プルケを呑むため、僕らはマルチネスという町に出掛けることにした。

ここレチュギージャスからカランサまでタクに乗り、カランサからバスで揺られること2時間。

あっちゅう間にマルチネスに着く。
盆地ということもあり、12月やというのにクソ暑い町。

プルケは寒い土地でないと作れない。
だから、普通に考えりゃこんなクソ暑い町には無いのだが、ここはクソ暑いだけでなく、クソデカイ町なので、あちらこちらからプルケを売りにくるらしいのだ。


到着するとすぐに、1人の男性が声をかけてきた。
名前はハビエル。
ツーリストをしているらしい。

日本人に会うのが珍しいらしく、興味津々に声をかけてきてくれたのだ。

彼に町の中心まで案内してもらい、プルケの情報を収集する。

「プルケはリットル13〜15ペソ(だいたい80円~90円)。
たまに50ペソとかふっかけてくるから、それは買ったらあかん。
20でも高いよ!」
と、めちゃくちゃ親切に教えてくれた。

仕事はツーリスタだが、この案内は気持ちやからということで、金は一銭も払ってない。

ここがメキシコのいい所。
これがキューバだとエライ目に会う。

勝手に前を歩きながら、んだんだ話し、最後に金を要求してくる。

払わんと地の果てまでも追いかけてくる。

僕らは死んでも払わんが、あのしつこさには、金に余裕のある人は負けて払ってしまうだろう。


ハビエルと連絡先を交換しサヨナラ。
カランサ~マルチネス間にある、サン・ラファエロという町に住んでるから、ぜひぜひ遊びに来て欲しいと、住所と電話番号を手渡されたのだ。
機会があれば、ぜひ行こうと思う。


”プルケは高くても15ペソ!”
それだけを頭に叩き込み、まずは市場に向かった。

マルチネスには毎週木曜日になると、露天商がたんまり集まってくる。
これがかなりデカイ!

カランサの市と比べると月とスッポン。

こんだけデカけりゃプルケもあるやろうと、期待に胸膨らませて歩く。

が、いっこうにプルケなど見当たらない。

仕方がないのでその辺の人に話かけるが、どの情報もあまりアテにならず、ただただ途方に暮れるまま、5時間が経過した。


「もうあと1時間ぐらい探しても見つからんかったら、帰ろかあ」
諦めかけながら、最後の望みを毎日やってる町の市場に託し、フラフラ歩きながら、キョロキョロと酒好きっぽい奴を探す。

いかにもな感じの、肉屋のオッちゃんと目が会う。

「何を探してるんや?」

「プルケ!」

「プルケかぁ~。ちょっと待ってやぁ~」


するとオヤジ、隣に座ってたツレ2人と一緒になって考え込みだした。

「ちょっと待ってや!」
「お~い! お前知ってるかぁ?」

向かいの肉屋の兄ちゃんに尋ねる。

そして、考えこむこと約10分。

オッちゃんのツレの描いてくれた地図は置き去りに、向かいの肉屋の兄ちゃんが、店まで案内してくれることになった。


肉屋から5〜6分ほど歩いただろうか。

入り口がカーテンでふさがれた、いかにも怪しい感じのカドにあるBAR。

名前はあるのか無いのかよくわからん。
ただ、白い壁にペンキで描かれた
”Pulque fría”
ープルケ フリアー(冷えたプルケ)
という、下手くそな文字だけが何故か目立っている。

これはまさしくプルケBAR、通称・プルケリアや!

兄ちゃんと握手を交わしたあと、カーテンを恐る恐るめくり店内に踏み込む。

地元民らしい男共が、3~4人ほどカウンターに腰掛け酒を呑んでた。
白く濁った酒。明らかにプルケや。

やったぁ~!
心の中で叫ぶ。

一応、バーテンダーの兄ちゃんに尋ねる。

「プルケある?」

「あるよ」

テーブルに腰掛け、プルケを待つ。
とりあえず1リットル頼んだ。
が、値段を聞いてないことに気づく。

しかし、壁を見るとデッカく、
ープルケ 1リットル 13ペソー
と、書かれているではないか!?


これはハビエルが教えてくれた、プルケの最低料金。

なんて庶民的なバーなんや!
Que padre! ーケ パードレー
(イカす~!)


そして、とうとうお目当てのプルケが、テーブルへと運ばれて来た。

約3年ぶりのプルケ。
かなりドキドキ。

その白く濁った液体を、そっと口に運ぶ。
口当たりは柔らかい。が、発酵しているせいか、唇を少しピリッと震わせる。
そのまま舌へ。
甘い。とろみが少ないので、思ったより軽やかに流れる。
あっという間に、冷たい液体が喉を通過する。


「うっま~!」

こら上手い!
何かで割ってるんやろか?
呑みやすい。

3年前、クエルナバカ外れの町にあるBAR
”Las limones”
で呑んだ、鼻水プルケとはまた違った味。

ぐいぐいイケる!
これなら1人で3〜4リットルはイケるんちゃうか?
おかわりしよかぁ!
なんて思っていたが、なんとなく冷たい視線を感じるではないか。

ーは?
   これはもしや?
   例の?ー

よく見ると、壁にはどエロなポルノグラフィティが、そこかしこに貼られている。

来た!
やっぱり!
売春BARや!

ひ~!
カップル厳禁やん!

隣の部屋の壁には、DROGAードロガー(麻薬)て書かれてるし!

こら早々に立ち去ろう!
ってことで、プルケ2リットル持ち帰りを頼み、スタコ~ラサッサ~サ~ノ~サ~で、店を後にした。


マルチネスで見つけた、名もなきプルケリア。

泥臭い男共が、冷えたプルケを大量に流し込んでは、生ぬるいプルケをこれまた大量に発射する。

僕たちが口にしたプルケが生ぬるくなくて本当によかった。

なんせ、プルケ以外はビールすら置いてないという徹底ぶりを見せる店だ。

冷えたプルケが無くなった場合の対処法は、口には出したくないほどグロいモノかもしれないい。

そんな店に長居は禁物。

あの便所に横たわってたゴキブリは、きっとプルケを呑んだからやろう。

冷えたプルケを呑んだのか?
それとも生ぬるいプルケを呑んだのか?
それは、神のみぞ知る。

アワビVSゴキブリ

ある日、憂歌団の”おそうじオバチャン”を聴いていた。

一日働いて二千円!
今日も働いて二千円!
明日も働いて二千円!
糞にまみれて二千円!

‥かなり低賃金でかわいそうに思うが、よくよく考えると僕たち2人は、朝早くからミミズや牛の糞や小便にまみれながら、一日働いても一銭にもならん。

一日働いても無銭や。
今日も明日も明後日も、糞にまみれながら無銭や。

きっつ~!!
だからといってそんな日々を別に嘆いてるワケでもない。

なんやかやと、スペイン語と農業の勉強を両立出来ているワケであるからして、なかなか貴重な時間を過ごしているとは思う。

僕らがいま主に勉強しているロンブリコンポスタ(ミミズの肥料)は、100%ミミズの糞で出来ている。

ミミズの糞と聞くとしょぼそうやが、これがまたかなり凄い栄養素を持っていて、しおれた植物にこの肥料をぶっかけると、短時間の内にビンビンになっちゃうという、肥料界のバイアグラ的存在なのだ。


僕らはこの天然バイアグラを作り出す為に、毎日毎日糞にまみれてるワケやが、この作業で1番キツイのが、”虫”である。


正直ゆーて僕は虫が大嫌い。
気持ち悪いし怖い。

だから、虫とは出来るだけ関わりのない生き方をしていたいのだが、農作業に虫はつきもの? なのか、この農場にも虫がうじゃうじゃおる。


ダンゴムシ、イモムシ、ゴキブリ、タランチュラetc。


かなりきっつい!
特にゴキブリ!!!

ゴキブリは大キライや。
てか、ゴキブリ好きな奴もそんなおらんやろう。
と、思っていたのだが、ところがどっこい!

ある日ボスが、
「メヒカーノ(メキシコの男)でゴキブリが嫌いな奴は1人もおらんよ」
と言った。


「なんで?」
と聞くと、

「だってゴキブリって女性のアレにそっくりやん!」


なるほど!!!


…え?
いや、待てよ。

???似てるか???

ゴキブリと女性のナニ。

似ても似つかんと思うのだが、この話をボスが奥さんの前でした時、奥さんはめちゃくちゃ笑ってた。

笑うということは、それを認めているということなのか?

確かに!

僕はメヒカーナ(メキシコの女性)のソレを拝見したことがない、だからもしかすると、類似しているのかもしれない。
なんせ、
”この世界には、まだまだオラの知らねえエッチな例えが山ほどあるんだなぁ”
と、悟空さんが言ってるからだ。


しかし、ゴキブリま○こと聞いて僕は勃起しない。

ミミズ千匹と聞いて勃起はしても、ゴキブリじゃ勃起はしないYO!


う~ん。
メヒカーノってのは、ちょっぴり悪ふざけが過ぎるようだ。

その点ハポネスは違う。
女性の神秘的な部分を、あの高級な海の生き物、アワビに例えるという美的感覚っつーより、ムッツリな感覚を持ってるからだ。

むろん、僕もムッツリだ。

何故ならば僕は昔、アワビをゴシゴシ洗っているときに、ギンギンに勃起したことがあるから。

アワビの黒光りした部分を、少しずつ少しずつ水で洗い流しながら、少しずつ少しずつ膨らんでゆく、オ~ My SON!
はち切れそうだ! 飛び出しそうだ! 活きているのが素晴らしすぎる!


こんなしょうもない日記を書きながら、明日もまた、アワビではなく、エメラルドグリーン色したゴキブリと戯れるのだ。

そんなとこまでトウモロコシ

メキシコを代表する食べ物と言えばタコスだ(メキシコではtaco-タコ-と呼ぶ)。

そして、このタコスはトルティーヤなしでは成り立たない。

トルティーヤ(トルティージャ)とは、maíz(マイース)ートウモロコシーから作られる平たい生地のことだが、スペインではオムレツのことを指す。

そんなトルティーヤがメキシコ人の主食。
言ってみれば日本人にとっての米と同じだが、
「トルティーヤの無い人生なんて考えられへん!
トルティーヤの無い国には行きたくない!」
と、若干狂いすぎている気もする。

が、確かにこの国に住んで生活していると、その気持ちが分からんでもなくなってくるから不思議や。

”人類はトウモロコシから誕生したのである”
なんてメキシコ的な考えが、今では理解出来るぐらい、僕らもトルティーヤ中毒になってしまっている。


タコ以外にも、エンパナーダ。チラキレス。タマール、エローテス、エスキーテスetc(タマール、エローテス、エスキーテスは、eloteーエロテー(マイースとは違う種類のトウモロコシから作られる)。

とにかくメキシコでは、毎日がトウモロコシ三昧。

トウモロコシを使った料理がホンマにたくさんある。
が、実は料理以外にも、トウモロコシの使い道があるということを最近知った。


メキシコの教育制度について、グロリアと話あっていたある日のこと。

「日本でも昔の先生は手をあげてたけど、今はあげないよ。
PTAがうるさいから」。

「メキシコも同じよ。昔の先生は厳しかったわ。
宿題忘れたり、授業中騒がしくしてたりなんかしたら、床に並べられたトウモロコシの上に正座させられて、両肩から重い物を持たされたもんだわ」

ええっ!
そんなとこまでトウモロコシ!?
痛そう!

食べるだけやなくて、教育的指導(拷問)にまでトウモロコシを使うとは。


メキシコという国は、とてつもなく恐ろしい国である。

メキシコに生まれんでよかった!
ビバ! 米大国ハポン!

マジッすか先輩!?

この小さな町に、僕が一目置いてるヤツがいる。

心の中で”先輩”と呼んでいるヤツがいる。

ヤツはボスん家の二軒隣の家に住んでいる。

ヤツの名はアロンソン!

12歳で既に1回ダブッてしまっている、小学5年生の思春期真っ只中ボーイだ!

僕はいつか彼に問いたいと思っている。
「どんだけ勉強嫌いなんスカ? 先輩?」


高校生でもいっぺんダブればかなり焦るハズ。
しかし、彼は全く微動だにしない。

それどころか、三十路の日本人捕まえて、
「アヘドレス(チェス)やろうぜ、アヘドレス!」
と勉強そっちのけで、マブダチ感覚でチェックメイト決めこもうとしてくる。
が、彼の書くアヘドレスのつづりは”agedres”。ホンマは”ajedrez”。
間違っている。
オマケにルールはちょこちょこ変わる。

そんなだから、チェックメイト決めこむつもりが、チェス初心者の僕から一度もチェック出来ないでいる。

ちなみにチェックメイトはスペイン語で”ハケマテ”だ。
チェックはハケ。

吐けゆーたり、吐くん待てゆーたり、酔っぱらいには少々厳しいゲーム。
出来ればシラフでやりたいもんや。


そんな愛すべきアロンソン先輩が、ある日メキシコの地図を指しながらこう尋ねた、
「ハル。日本はどこ?」

…え?

「日本はメキシコのどの州にあるん?
こんな形の町、メキシコのどこ探してもないよ」


…マジっすか先輩!?
さすがにそれは…

どっからどう見ても僕らメキシコ人ちゃいますやん!

たのんまっせ先輩!


…しかし、これはメキシコの教育制度にも問題があるんやろう。


なんせ小学校の授業時間は毎日4時間だけ。
土日はちゃっかり休み。

確実に足りてないやろう。
のに、週1ペースで先生不在の為に、急遽休校になる。
不在の原因はいつも、
”Quien sabe?ーキエン サーベー”
「さあね?」だ。


授業にしても、ただ黒板に書かれた文字を、ノートに写すだけという簡単な内容。
だから、文字の読み書きがほとんど出来ない。

なんせ教科書が読めない。
宿題はいつも両親が読んで一緒に考える。

そして、ほぼ親が答えを教えて書かせる。
これじゃまったく意味ないんちゃうか?
っつーぐらいのお粗末な内容や。


そのわりには、幼稚園を卒業しないと小学校に進学出来ひんとか、小学一年生と二年生に限っては進級試験があり、合格しないとダブッちゃうなんていう、厳しいルールがある。

さっぱり意味が分からへん。


そんなことよりも、
「3+3は?」
と尋ねられたとき、
「6!」
と、指を使わずに瞬時に答えれるぐらいの力を、小学校二年生のガキンチョに教えるべきや。


あまりにも酷い。
先生がアホすぎるんやろう。

てことで、ときどき僕らが子供らに勉強を教えている。
と同時に学んでいる。

僕が教科書を読む。

すると、言葉を聞いた子供らは意味を理解する。
そして、発音の間違いを指摘して教えてくれる。

子供らが答えを書く。

僕は文字の間違いを指摘する。

僕は発音を覚え、子供らは文字の読み書きを覚える。

なかなか画期的な教育システム。
7歳のガキンチョと30歳のプー太郎が、同じテーブルを囲んで仲良くお勉強。

教えてると言うよりは、教わっている。

ガキンチョに感謝!!

そんなある日。
ションベンちびりそうになるぐらい、ビビる一言を耳にした。

「先生の名前なんての?」

「ん~…。何やったかな?
忘れた!」

えっ?  まじ?

ボスの孫・ゴージョは、5分ぐらい悩んだ末、ようやっと思い出した。


僕は思った。

(この国でなら先生なれるんちゃうかな?)
と。

しかし、
「急に寒なったから行きたくない」

「今日は雨が強いから行きたくない」
と言う理由だけで、歩いて2分のとこにある学校に行くのを嫌がるガキンチョたちを、平気で休ませるメキシコの大人たちに向かって、
「ちゃんと来させんかいアホ!」
と言う自信はない。


何故なら僕らも雨の日は、仕事サボっちゃうから。
この町の人らも、90%はそんな感じ。

雨が降ったらなんとやら~
風が吹いたらなんとやら~


みんな、”南の島のカメハメハ大王”みたいな生活をしているか
ら。

金は無い。
が、みんな自由。

魚が釣れりゃあ、みんなで分け合い。
果物が実れば、みんなで分け合い。
トウモロコシが育てば、みんなで分け合い。

どこの国でも、村生活ってのはこんな感じなんかなぁ~?
なんて思いながら、新たに知った真実。

先輩の弟もダブッてる!?

しかし、先輩の弟(9歳)は、V6の岡田くんにそっくりやから、きっと大丈夫やろう。

そして僕は、小栗旬にそっくりだ。

だから大丈夫だ。

なかなかいいかなイナカな生活

初日以降、家のトラブルは無く、平穏無事に過ごしている。

そして、町に戻って来てから1週間は、とりあえずマッサージのお客さんを待ってみた。
が、ほとんど来客は無かった。

それもそのはず。
よう考えたら前回は夏休みやった。
だから、都市に出稼ぎに行ってる人たちや、都会の学校に行ってる子供らが、ここに戻ってきてた。
そして、物珍しさと安さにひかれてちょこちょこ稼げただけの話。

てことで出てきた答えは、
「年末年始にちょこっと稼げりゃいいかぁ~」。


てなワケで、スペイン語を勉強しながらだらだら生活しようと思っていたのだが、そうは問屋が卸さなかった。


飯の時、何気にボスに尋ねた。
「最近ランチョはどう?」

「かなり荒れてるよ。
トラクターも壊れたままやし、カルロスも首切られたから、今1人やし」

チーン!

なんでも、当初100万ぐらいと聞いていた別荘(ボスはポルケリア(ガラクタ)と呼んでいる)の建築費が、200万追加になったことでパトロンの金が無くなり、人員を削減されたらしい。


ボランティアもおらんし、来ても仕事がハードやからすぐに出て行くし、パトロンの息子ルーベンとロヘリオ(無職)は、相変わらず手伝いにも来んらしく、ボスはただ1人働いている。

おかげで筋肉疲労がたたり、かなり痛そうにしている。

(辛そうやなあ~)
てことで、僕らは再び農業を手伝うことになった。


正直、アホ家族の経営するランチョを手伝うのはアホらしい。
なんせ三ヶ月前追い出されたワケやし。
なんの恩も義理もない。
が、ボスにはかなり世話になっている。

だから、恩返しと勉強を兼ねて、再び農業を手伝うことにしたのだ。
しかし、少しは金も稼ぎたいので、午前中だけの手伝いにした。

そんな2人の生活スタイルはこんな感じ。


月~土
6時半:起床
7時~10時:ランチョ(農場)の手伝い
10時~11時:朝食(ボスん家)
11時〜11時40分:掃除、洗濯、火起こし
11:40分~13時:ドラゴンボールZ鑑賞(改じゃないやつ)
13時〜17時:お湯浴びて飯食って勉強しながらマッサージの客待ち
17時〜19時:牛にエサやってから、週1~週2ペースでボスのマッサージ(もち無料)
19時〜20時半:シンプソンズ鑑賞
20時半~21時半:ウトウトしながらまったく進まない勉強
21時半:就寝

※ 日、祝、雨の日:一日中チンポ丸出し


う~ん、修学旅行生より規則正しい生活。
おかげで毎日毎朝、デッカいクソが山ほど出る。


”健康”
この言葉はまるで、僕らの為にあるんじゃなかろうか?
なんて思ってしまうぐらい健康や。

そして僕らは、健康に生きてるだけでなく、地球に優しくも生きている。

なんせ一ヶ月の捨てるゴミの量が、半端なく少ないからや。
その量なんと、スーパーの袋で換算すると、0.5〜1袋分。

少なっ!

なんせ、燃えるゴミは毎日の焚き火の火種になる(火起こさんと飯食われへんし、熱いお湯浴びれんからね)。

生ゴミと小便は庭で作ってる肥やしの素。
肉に付いてる骨は、よ~く煮詰めてダシの素。
余った骨カスは野良犬の命の素。

麦酒瓶は酒屋に返さないと罰金取られるから返すし、缶ビールは呑まない。高くつくから。

返さなくていいさとうきび焼酎の瓶は、自家製ワインを詰めるのに使用している。

この自家製ワインやが、もらったオレンジにイースト菌をぶち込んで発酵させただけの簡単な酒。
なんせ今はオレンジの収穫時期。
オレンジがタダでもらえる。

タダでもらったオレンジが、1~2週間でワインになるんやから、酔っぱらいにとってはうれしい話。

しかし、味に関しては何も言うまい。
そして、何も聞くな。

酔えりゃいいんや酔えりゃ。濁酒ワインなんやから。
呑んだあと腹壊すとか、問題ナイナイ金もナ~イ! 職もナ~イ! 先もナ~イ!

この地球に優しいナイナイスタイルは、日本に帰ってからもやってみたいなと思っている。

ただ、職と金はアルアルがいい。
そして、土地も欲しい。

庭付き一軒家(地下室有り)が月3万で、日本のどっかに転がってないもんやろか?

もしくわ当れ! 宝クジ。