農家を追い出されてから、かれこれ二週間が過ぎた。
毎日ボケ~ッと過ごすのも逆に力がいるし、かといって仕事を探そうにもこの小さな町では無理がある。
マッサージにしてもホンマたまにあるだけやし、二回に一回はタダでやってるから、対して稼ぎもない。
まあ、飯やら酒やらはご馳走になってるが。
なんせ世話になってる人ばっかやから、そないに金は貰えんやろう。
それでも一ヶ月で1000ペソ稼いだ。
ボスの月給の四分の一。
カルロスの月給の2.4分の一。
まともに喋れへん外国人労働者にしては、まずまずの出来やろう。
しかし、そろそろこの町に別れを告げるべきなんじゃないかと考えている。
このままここで、VISAが切れるまでの約二ヶ月間、ちょこちょこ農場の手伝いをしながら(アホどもが不在のときに内緒で)、町人のtendón(腱もしくわ、筋、または腱鞘炎)の痛みをマッサージでやわらげるのもいいだろう。
ボスが都会で暮らす娘や息子に、日本人が労働可能なレストランを聞いてくれたりしてるから、運がよければVISAが貰えるかも知れない。
そうなれば、ここから2時間ほど離れた都会で働きつつ、月に一度はボスん家に遊びにくることも可能やろうが、なかなか難しい話な気もするし、これ以上頼りすぎるのもよくない。
せまい部屋でも住んじまえば都さ~
なんて唄ってるやつもいるが、ここには、TVにラジオ、ステレオにギターどころか、落ち着ける空気すらない。
だから、僕の見たビートルズはTVじゃなくて、あの金持ちの家に置いてある、デュークボックスの中や。
とにかく、今の僕らの望みはただ1つ。
上を向いて寝ることや。
なんせ天井からのホコリが凄いから。
「俺ら一体何してんやろなぁ~」
なんて、言わなくてすむ部屋がいいなぁと、思うわけや。
このままやと、ええかげんハニーも、常識人を探して結婚しちまうやろう。
そういえばペペは彼女に、
「もうええかげんお前とは付き合いきれへんわ。
このウンコ野郎!」
と、言われてフラれたと言ってた。
そらそうや、BARで働いて金が貯まったかおもたら、
「旅に出る!」
で、金無くなって帰ってきて働いて、また金が貯まれば旅に出て‥
そんなことばっか繰り返して、まともに就職もせずに、
「29歳学生です。ちょっぴり遅すぎる学生かな?」
なんて舌出しながら言ってるスペイン人。
ダメも何もダメダメやろう。
‥あれ?
なんかペペに似たような奴、日本にも1人いたような??
ほっといてくれよ~。
まあ、とにかく出ていこうかなと、2人して話してるわけや。
とりあえずアテは1つある。
Joséから届いたメールに書いてあった、Nuriaと言う名のパトローナが経営する農場に、ひと月ほど前からコンタクトをとっていたのだ。
ただ、彼女はイスラム教徒らしく、送られてきたメールを解読すると、
~ここは魂を休める場所やとかうんたらかんたら‥
書いてある。
面倒くさそやし、かなり宗教臭い。
それだけが不安や。
確かイスラムは豚肉が食べれんかったハズ。
そして、酒もあかんかったんちゃうか?
カンカンに熱した鉄板の上で豚玉焼きながら、瓶ビールの蓋をシュポンッと空けて、トクトクトクッと冷えたグラスに注いで、口のまわりに泡つけながら、お好みをホフホフッと頬張る。
舌やけどしそうなったら、ビールで流して‥
こんな最高の食の楽しみ方が出来ない宗教は、僕にはちと理解不能や。
せやけど行くとこないし、もしかしたらめちゃおもろいかもしれんし。
なんせ蓋ってのは空けてみんと分からんもんやからなぁ。
美味そうなもんがたんまり入ってるんか?
それとも腐った苦汁が、おいでおいでと待ってるんか?
それが知りたくて、日々何かを探してるのか?
前世で落とした大金が、どっかに落ちとらんかなぁと首を横に振って探してるんか?
よう分からんが、も少しだけ無職を満喫でもしようか。
なんせ有職と違い、これから何色にでもなれる可能性を持っている。
無職を誇りに思っとるよ!
ただ、部屋のホコリだけは正味勘弁してください。
2011年7月21日木曜日
WWOOF•Lechuguillas編 その7 ~教える~
海外医療保険が切れてからまもなくして、歯痛に襲われた。
それもちょっとやそっとの痛みではなく、夜も眠れないほどの激痛や。
これは歯医者行かんとキツイ。
が、保険がないとナンボ払わされるかわからんから怖い。
どうしようか??
そこで俺は考えた。
(ここは幸いにも田舎町。なんとかかんとか出来るんではなかろうか?と)
「BOSS。ここに歯医者はある?」
「あるよ。なんで?」
「もうめちゃくちゃ歯が痛くて、昨日なんか寝れなかったぐらいやねん」
「それは歯医者行かなあかんなぁ。
検診で25ペソ。抜くなら180ペソやけど、どうする?抜く?」
痛い=抜く。
日本ではなかなか考えられない単純すぎる発想と、歯医者が一律料金なことにちょっぴり驚きながら、もう1つBOSSに尋ねた。
「俺は日本人やから保険証がない。
それでも大丈夫かなあ?」
「No hay problema(問題あちゃこやで~)」
翌日。
グロリアと共に歯医者に行った。
小さい診療所に置かれた、たった1つのあのベッド。
28歳の美人な歯科医が1人で働いていた。
「どこが痛いの?」
「ここ」
あの銀色のやつでポンと叩く。
「日本で最後に歯医者行ったのはいつ?」
「3ヶ月前」
「そっか。なら大丈夫!」
緑色のドロドロした液体で、歯をぐちゅぐちゅし、最後に、
「歯をキレイにしとかな欠けるよ」
と、一言アドバイスをいただき治療は終わった。
時間にすると5分程度。
30分ペースで治療を区切る日本の、なんだかいやらしいやり方の歯科よりは、よっぽど優れているメキシコの歯科医療。
お姉さんに50ペソ紙幣を差し出すと、
「5ペソがないから20でいいや」と、30ペソお釣りが来た。
なんてアバウトなんやろう。
やはり優れている。
グロリアがカバンから保険証を取り出し、歯科医に渡す。
姉ちゃんはそれを見ながら、診断書か何かにカキカキする。
これで、顔・形・性別。
国籍すら違う日本人の治療は、メキシコ人女性が治療したことになったわけだ。
丁寧に痛み止めまでいただくことも出来た。
う~ん、優れすぎている。
せやけど、ホンマ家から医者から飯から、何から何までBOSSの一家に世話になりっぱなしやなあ。
ちなみにメキシコは水道代と電気代は一律料金らしい。
だから、使いまくろうが何しようが問題はないという。
居候の身なもんで、公共料金が気になって聞いてみたのだ。
住んでる人間の数やなく、家の大きさで決まるらしい。
BOSSん家で、電気代が二ヶ月50ペソ(約400円)。
水道代が一ヶ月86(約600円)ペソ。
ガスが210(約1500円)ペソと言っていた。
計 321ペソ。
一見安そうやが、平均日当140ペソのこの町では、3日働かんと支払われへん額。
と考えたなら、どないやろうなぁと思う。
多分、収入の多い町に関しては、公共料金はもっと高いんかも知れん。
メキシコと日本の収入や物価の違いに関して、BOSSとよく話すのだが、
「結局どっこいどっこいやなあ」
という結論になる。
収入多い国は物価も家も高いし、収入の少ない国は物価も家も安い。
まあ、当然っちゃあ当然なんかもなあ。
ただ、収入の多い国に生まれたことで、こうして海の外に出ることが出来るのだから、日本に生まれたことを感謝しなければならない。
BOSSは言う。
「将来、孫たちが日本に行けることはあっても、俺とグロリアは日本に行けることはないよ」。
この言葉を聞くと、何故か心がジンとする。
現在。日本人だけでなく、多くの先進国に住む人間が海外を行き来している。
その目的は様々や。
仕事、勉強、遊び、買い物etc‥。
俺らに関しては、約束の地探しっつーか、夢っつーか、うんにゃらふんにゃらや。
2人に一体何が出来るんやろう?
と、悩むこともある。
ただ、グロリアがモヒートを気に入ってくれたり、BOSSがお好み焼きや唐揚げを上手いと言ってくれたり、子供らが、
「Haru momento mierda(ハル、ちょっと待ってね。うんこ野郎)」
と叫んで、親に怒られたり。
そんな1つ1つの交流みたいなもんが、また何か新しいもんを生むんかも知れんと考えたなら、2人に出来ること。
そして目的は、そういうことなんやろうなあとも思う。
話すこと、伝えることは、とても大事なことなんや。
こないだはBOSSん家で煮魚を作った。
ここに来てから今までに、お好み焼き、唐揚げ、シチュー、煮魚、ポテトサラダ、モヒート、マッサージ、ご飯の炊き方をレクチャーした。
酒やみりんはないが、Salsa de soya(醤油)は売ってるので、なんとか作れるもんや。
今度は焼き鳥のタレや、煮物でも作ろうかなと考えている。
タコ焼きはタコ焼き機がないのでちと難しいが。
グロリアが調味料を使わずに、素材から味を引き出すのが得意なので(もしかしたらメキシコ料理とはそんなもんなんかも)、めちゃくちゃ勉強になる。
自分の知っていることを教えることで、何かが返ってくる。
するとまた、教えれることや出来ることが増える。
なかなか素敵なことではないか。
今BOSSん家で植えてるjengibre(生姜)が育ったら、豚の生姜焼きや生姜入りスープでも教えようか。
ウォッカ売ってるしモスコミュールを作ってみてもいいかな。
おっと、その前に、いいかげん明日のこと考えなきゃ。
どうしたんだ へへいベイベー!
お前までそんなこと言うの!
まあ、いつものようにキメてぶっ飛ばせばいっか。
意外と、こんなこといつまでも長く続くもんや。
なんせ、すべてはALRIGHT!
それもちょっとやそっとの痛みではなく、夜も眠れないほどの激痛や。
これは歯医者行かんとキツイ。
が、保険がないとナンボ払わされるかわからんから怖い。
どうしようか??
そこで俺は考えた。
(ここは幸いにも田舎町。なんとかかんとか出来るんではなかろうか?と)
「BOSS。ここに歯医者はある?」
「あるよ。なんで?」
「もうめちゃくちゃ歯が痛くて、昨日なんか寝れなかったぐらいやねん」
「それは歯医者行かなあかんなぁ。
検診で25ペソ。抜くなら180ペソやけど、どうする?抜く?」
痛い=抜く。
日本ではなかなか考えられない単純すぎる発想と、歯医者が一律料金なことにちょっぴり驚きながら、もう1つBOSSに尋ねた。
「俺は日本人やから保険証がない。
それでも大丈夫かなあ?」
「No hay problema(問題あちゃこやで~)」
翌日。
グロリアと共に歯医者に行った。
小さい診療所に置かれた、たった1つのあのベッド。
28歳の美人な歯科医が1人で働いていた。
「どこが痛いの?」
「ここ」
あの銀色のやつでポンと叩く。
「日本で最後に歯医者行ったのはいつ?」
「3ヶ月前」
「そっか。なら大丈夫!」
緑色のドロドロした液体で、歯をぐちゅぐちゅし、最後に、
「歯をキレイにしとかな欠けるよ」
と、一言アドバイスをいただき治療は終わった。
時間にすると5分程度。
30分ペースで治療を区切る日本の、なんだかいやらしいやり方の歯科よりは、よっぽど優れているメキシコの歯科医療。
お姉さんに50ペソ紙幣を差し出すと、
「5ペソがないから20でいいや」と、30ペソお釣りが来た。
なんてアバウトなんやろう。
やはり優れている。
グロリアがカバンから保険証を取り出し、歯科医に渡す。
姉ちゃんはそれを見ながら、診断書か何かにカキカキする。
これで、顔・形・性別。
国籍すら違う日本人の治療は、メキシコ人女性が治療したことになったわけだ。
丁寧に痛み止めまでいただくことも出来た。
う~ん、優れすぎている。
せやけど、ホンマ家から医者から飯から、何から何までBOSSの一家に世話になりっぱなしやなあ。
ちなみにメキシコは水道代と電気代は一律料金らしい。
だから、使いまくろうが何しようが問題はないという。
居候の身なもんで、公共料金が気になって聞いてみたのだ。
住んでる人間の数やなく、家の大きさで決まるらしい。
BOSSん家で、電気代が二ヶ月50ペソ(約400円)。
水道代が一ヶ月86(約600円)ペソ。
ガスが210(約1500円)ペソと言っていた。
計 321ペソ。
一見安そうやが、平均日当140ペソのこの町では、3日働かんと支払われへん額。
と考えたなら、どないやろうなぁと思う。
多分、収入の多い町に関しては、公共料金はもっと高いんかも知れん。
メキシコと日本の収入や物価の違いに関して、BOSSとよく話すのだが、
「結局どっこいどっこいやなあ」
という結論になる。
収入多い国は物価も家も高いし、収入の少ない国は物価も家も安い。
まあ、当然っちゃあ当然なんかもなあ。
ただ、収入の多い国に生まれたことで、こうして海の外に出ることが出来るのだから、日本に生まれたことを感謝しなければならない。
BOSSは言う。
「将来、孫たちが日本に行けることはあっても、俺とグロリアは日本に行けることはないよ」。
この言葉を聞くと、何故か心がジンとする。
現在。日本人だけでなく、多くの先進国に住む人間が海外を行き来している。
その目的は様々や。
仕事、勉強、遊び、買い物etc‥。
俺らに関しては、約束の地探しっつーか、夢っつーか、うんにゃらふんにゃらや。
2人に一体何が出来るんやろう?
と、悩むこともある。
ただ、グロリアがモヒートを気に入ってくれたり、BOSSがお好み焼きや唐揚げを上手いと言ってくれたり、子供らが、
「Haru momento mierda(ハル、ちょっと待ってね。うんこ野郎)」
と叫んで、親に怒られたり。
そんな1つ1つの交流みたいなもんが、また何か新しいもんを生むんかも知れんと考えたなら、2人に出来ること。
そして目的は、そういうことなんやろうなあとも思う。
話すこと、伝えることは、とても大事なことなんや。
こないだはBOSSん家で煮魚を作った。
ここに来てから今までに、お好み焼き、唐揚げ、シチュー、煮魚、ポテトサラダ、モヒート、マッサージ、ご飯の炊き方をレクチャーした。
酒やみりんはないが、Salsa de soya(醤油)は売ってるので、なんとか作れるもんや。
今度は焼き鳥のタレや、煮物でも作ろうかなと考えている。
タコ焼きはタコ焼き機がないのでちと難しいが。
グロリアが調味料を使わずに、素材から味を引き出すのが得意なので(もしかしたらメキシコ料理とはそんなもんなんかも)、めちゃくちゃ勉強になる。
自分の知っていることを教えることで、何かが返ってくる。
するとまた、教えれることや出来ることが増える。
なかなか素敵なことではないか。
今BOSSん家で植えてるjengibre(生姜)が育ったら、豚の生姜焼きや生姜入りスープでも教えようか。
ウォッカ売ってるしモスコミュールを作ってみてもいいかな。
おっと、その前に、いいかげん明日のこと考えなきゃ。
どうしたんだ へへいベイベー!
お前までそんなこと言うの!
まあ、いつものようにキメてぶっ飛ばせばいっか。
意外と、こんなこといつまでも長く続くもんや。
なんせ、すべてはALRIGHT!
WWOOF•Lechuguillas編 その6 ~ふさわしい家~
この農場での仕事も残すところ後3日。
というところで、事件は起こった。
6月30日(木)。
台風の影響で前日から降り続ける雨が、いまだ止まないおっくうな日に、それは起こったのだ。
いつもどおり仕事が始まる。
昨日に引き続き、ゆうきと月曜日からやってきたMarcosは、阿呆のLauraと共になんやかんやさせられ、僕はCarlosと穴を開けたり耕したり。
ボスは買い物のため、9時頃いなくなった。
9時半になり、ゆうきちゃんに朝飯の用意をするように頼みに行く。
今までは毎朝10時になったら、ボニーって食堂に食べに行ってたのだが、今週から一日飛ばしで家で朝飯を作らなくてはならなくなった。
理由としては、
「家に食料があるから」。
だが、正直食料はほとんどない。
阿呆なパトロンや。
10時になり朝飯を食べに家に向かうとゆうきちゃんが、
「手伝って」
という。
まだ終わってないんやと聞くと、
「9時半になって準備しようとしたら、Lauraが10時になるまでは準備したらあかん」
というので、結局今から作り始めるところだという。
にもかかわらず彼女は手伝いもしないで、エシャロットの種をいじくっている。
朝は朝で、雨漏りで濡れた廊下を掃除させられたという。
僕らは農業のボランティアでここに来ているわけであり、別に使用人でも家政婦でもない。
だから、10時になり朝飯を彼女が用意しているならまだしも、僕らが彼女の分まで朝飯を用意するなんてことは、まったくもってオカシイ話や。
さすがに腹が立ったので、この間違ったおまんこ野郎に一言いうことを決意した。
「おい。なんで9時半から朝飯の準備したらあかんのや?」
「お前らはボランティアやからどーのこーの‥」
そのボランティアという一言にカチンときた。
ロクに食材も用意しないで働かすだけ働かして、ようその一言が言えたなと。
が、スペイン語初心者なのでうまく言えないから、とりあえず、
「tu tonta!(君アホやろ)」
と言う。
まるで紳士的なツッコミをする一漫才師のように。
え?
ハル今なんて言ったの?
彼女の驚いた顔を見たら、なぜかより腹が立ったので、お次は、
「mierda!!(うんこ野郎)」
を連発した!
すると、やっとこさ悪態をつかれてると理解したようで、彼女も負けじと、チーノ(中国人)と返してくるが、こちとら痛くも痒くもない。
「お前日本語しゃべれや」
「でも、ここはメキシコ‥」
「知らん知らん。うんこ野郎うんこ野郎うんこ野郎‥
日本語しゃべれ、うんこ野郎!」
スッキリしたなぁ~!
と、気分爽快感を味わった30分後、即座に家を追い出された。
重たい荷物をひきずりながら、行くあてもなく雨の中をさまよう2人。
そんな惨めな日本人を拾ってくれたのは、他ならぬBOSS。
「はるとゆうきが好きなだけ、いつまででも、この家に寝泊まりしてくれてもいいよ。
グロリアも子供たちも2人が居てくれたらうれしいんやから」。
涙が出そうなぐらいうれしかった。
そして、
「もし、2人きりの部屋がいいなら、ボニーに一部屋空きがあるからそこを使ってもいいよ。
家賃はいらないから。
でも、キッチンはないから、ご飯は食べにおいで」。
ということで、BOSSのやさしさのおかげで、2人はまだまだこの町に居座れることになった。
ただ、さすがにBOSSん家に毎日泊まるのも悪いので、ボニーの空き部屋に泊まることにした。
食堂の裏手に存在する空き部屋。
豚小屋の隣に存在する空き部屋。
部屋と言うより物置小屋ちゃうん?
と、思わざるをえない空き部屋。
いくら掃除してもホコリがなくなることのない、工事途中の部屋にあるのは、BOSSの作ってくれたベッド台に板を敷き、その上にダンボールを敷いただけの簡素なベッド。
そして、扇風機が二台に、使用不能のテレビとレンジがある。
あと、ホコリにまみれた赤ちゃんベッドも‥。
しばらくのあいだ2人はこの部屋で、豚の匂いと蚊の群れと戦いながら過ごさなければならなくなった。
正直豚の匂いは臭い。臭すぎる。
鼻が曲がらなければいいのだが。
「やっぱり出て行くわ」
と、言おうかなとも一瞬考えたが、ここまで用意されていまさら町を出ていくとは言えない。
そして、ここから2時間ほど離れた町で仕事の依頼が来ていたらしいのだが、
「はるとゆうきはこの町を去らないよ」
と、丁寧にもBOSSは断ってくれたので、仕事のあてもなくなった。
日本人=マッサージ。
という勝手なイメージのおかげで、
「マッサージしてよ!」
という依頼が来たときだけ、マッサージをすることで臨時収入とただ飯が喰らえる。
僕はプロではないが、マッサージに関してはなかなか評判がいい。
そういえば昔オトンが、
「はる。マッサージ覚えとけば社会に出たときに、先輩や上司に気に入られるし、なんやかや得するぞ」
と、言っていた。
正味な話、日本に居たときにマッサージで得したことといえば、ギャルをマッサージしてるときに胸の谷間を見れたことぐらいで、勃起はすれども出世や給料UPにつながったことは一度もない。
マッサージがきっかけで、おまんまんとつながったことも‥ないことはない。
が、今この日本から遠く離れたメキシコという国で、少しながらでも金を稼げているのだから、オヤジの言ってたこともまんざら嘘ではない。
この町にいる間は、週に一度あるかないかぐらいのマッサージで日銭を稼ぎながら、このハウスダストっちゅーか、小屋ダストのすごい場所で生活をしていくのだ。
今の2人にはここがふさわしい家なんやろう。
家賃0円。
昔憧れた漫画「ボーダー」に出てくる主人公・蜂須賀が住んでいる、家賃3千円の元便所部屋よりも安い部屋。
ある意味夢が叶ったんかなあ~。
ただやっぱ豚臭いのは敵わんなぁ~。
刑務所ん中もこんな匂いするんかいな。
ここで一句。
豚小屋の
近くの小屋で
あのよろし
ーハルキチ心の俳句ー
というところで、事件は起こった。
6月30日(木)。
台風の影響で前日から降り続ける雨が、いまだ止まないおっくうな日に、それは起こったのだ。
いつもどおり仕事が始まる。
昨日に引き続き、ゆうきと月曜日からやってきたMarcosは、阿呆のLauraと共になんやかんやさせられ、僕はCarlosと穴を開けたり耕したり。
ボスは買い物のため、9時頃いなくなった。
9時半になり、ゆうきちゃんに朝飯の用意をするように頼みに行く。
今までは毎朝10時になったら、ボニーって食堂に食べに行ってたのだが、今週から一日飛ばしで家で朝飯を作らなくてはならなくなった。
理由としては、
「家に食料があるから」。
だが、正直食料はほとんどない。
阿呆なパトロンや。
10時になり朝飯を食べに家に向かうとゆうきちゃんが、
「手伝って」
という。
まだ終わってないんやと聞くと、
「9時半になって準備しようとしたら、Lauraが10時になるまでは準備したらあかん」
というので、結局今から作り始めるところだという。
にもかかわらず彼女は手伝いもしないで、エシャロットの種をいじくっている。
朝は朝で、雨漏りで濡れた廊下を掃除させられたという。
僕らは農業のボランティアでここに来ているわけであり、別に使用人でも家政婦でもない。
だから、10時になり朝飯を彼女が用意しているならまだしも、僕らが彼女の分まで朝飯を用意するなんてことは、まったくもってオカシイ話や。
さすがに腹が立ったので、この間違ったおまんこ野郎に一言いうことを決意した。
「おい。なんで9時半から朝飯の準備したらあかんのや?」
「お前らはボランティアやからどーのこーの‥」
そのボランティアという一言にカチンときた。
ロクに食材も用意しないで働かすだけ働かして、ようその一言が言えたなと。
が、スペイン語初心者なのでうまく言えないから、とりあえず、
「tu tonta!(君アホやろ)」
と言う。
まるで紳士的なツッコミをする一漫才師のように。
え?
ハル今なんて言ったの?
彼女の驚いた顔を見たら、なぜかより腹が立ったので、お次は、
「mierda!!(うんこ野郎)」
を連発した!
すると、やっとこさ悪態をつかれてると理解したようで、彼女も負けじと、チーノ(中国人)と返してくるが、こちとら痛くも痒くもない。
「お前日本語しゃべれや」
「でも、ここはメキシコ‥」
「知らん知らん。うんこ野郎うんこ野郎うんこ野郎‥
日本語しゃべれ、うんこ野郎!」
スッキリしたなぁ~!
と、気分爽快感を味わった30分後、即座に家を追い出された。
重たい荷物をひきずりながら、行くあてもなく雨の中をさまよう2人。
そんな惨めな日本人を拾ってくれたのは、他ならぬBOSS。
「はるとゆうきが好きなだけ、いつまででも、この家に寝泊まりしてくれてもいいよ。
グロリアも子供たちも2人が居てくれたらうれしいんやから」。
涙が出そうなぐらいうれしかった。
そして、
「もし、2人きりの部屋がいいなら、ボニーに一部屋空きがあるからそこを使ってもいいよ。
家賃はいらないから。
でも、キッチンはないから、ご飯は食べにおいで」。
ということで、BOSSのやさしさのおかげで、2人はまだまだこの町に居座れることになった。
ただ、さすがにBOSSん家に毎日泊まるのも悪いので、ボニーの空き部屋に泊まることにした。
食堂の裏手に存在する空き部屋。
豚小屋の隣に存在する空き部屋。
部屋と言うより物置小屋ちゃうん?
と、思わざるをえない空き部屋。
いくら掃除してもホコリがなくなることのない、工事途中の部屋にあるのは、BOSSの作ってくれたベッド台に板を敷き、その上にダンボールを敷いただけの簡素なベッド。
そして、扇風機が二台に、使用不能のテレビとレンジがある。
あと、ホコリにまみれた赤ちゃんベッドも‥。
しばらくのあいだ2人はこの部屋で、豚の匂いと蚊の群れと戦いながら過ごさなければならなくなった。
正直豚の匂いは臭い。臭すぎる。
鼻が曲がらなければいいのだが。
「やっぱり出て行くわ」
と、言おうかなとも一瞬考えたが、ここまで用意されていまさら町を出ていくとは言えない。
そして、ここから2時間ほど離れた町で仕事の依頼が来ていたらしいのだが、
「はるとゆうきはこの町を去らないよ」
と、丁寧にもBOSSは断ってくれたので、仕事のあてもなくなった。
日本人=マッサージ。
という勝手なイメージのおかげで、
「マッサージしてよ!」
という依頼が来たときだけ、マッサージをすることで臨時収入とただ飯が喰らえる。
僕はプロではないが、マッサージに関してはなかなか評判がいい。
そういえば昔オトンが、
「はる。マッサージ覚えとけば社会に出たときに、先輩や上司に気に入られるし、なんやかや得するぞ」
と、言っていた。
正味な話、日本に居たときにマッサージで得したことといえば、ギャルをマッサージしてるときに胸の谷間を見れたことぐらいで、勃起はすれども出世や給料UPにつながったことは一度もない。
マッサージがきっかけで、おまんまんとつながったことも‥ないことはない。
が、今この日本から遠く離れたメキシコという国で、少しながらでも金を稼げているのだから、オヤジの言ってたこともまんざら嘘ではない。
この町にいる間は、週に一度あるかないかぐらいのマッサージで日銭を稼ぎながら、このハウスダストっちゅーか、小屋ダストのすごい場所で生活をしていくのだ。
今の2人にはここがふさわしい家なんやろう。
家賃0円。
昔憧れた漫画「ボーダー」に出てくる主人公・蜂須賀が住んでいる、家賃3千円の元便所部屋よりも安い部屋。
ある意味夢が叶ったんかなあ~。
ただやっぱ豚臭いのは敵わんなぁ~。
刑務所ん中もこんな匂いするんかいな。
ここで一句。
豚小屋の
近くの小屋で
あのよろし
ーハルキチ心の俳句ー
WWOOF•Lechuguillas編 その5 ~辛けりゃ塩でも舐めればいいさ
6月も半ばに入った。
ぺぺもダビィも出ていったので、今はこの家にハポネス2人だけが住んでいる。
最近は現場作業してるオッチャンら、マルセリーノ&ロベルトによく酒や飯をおごってもらってる。
そして、引き続きBOSSん家で飯を食わせてもらったりしてる。
僕らはせめてものお礼にと、お好み焼きを作ってみたり、モヒートを教えてみたり、マッサージを経験してもらったりしているが、代わりにカニ狩りに連れてってもらったり、Sopa de pipíanという家庭料理や、JinebraっちゅうココナッツとAguardienteの酒を教えてもらったりしてるから、まだまだ足りひん。
ゆうきちゃんに関しては、海ガメにまで乗らせてもらったし。
うらまやしいなぁ~。
日本じゃ乗るどころか、写真撮影も厳しいもんなあ。
そうそう、メキシコではその昔、海ガメのたまごを食べていたらしい。
かなり絶品らしいが、現在は保護団体がうるさいから、たまごパクッてるとこが見つかると、すぐにお縄らしい。
スッポンと亀頭は食うくせに、海ガメのたまごはあかんなんてホンマ勝手やね。
食べてみたいなぁ。
せやけど、ホンマにこの町の人らにはよくしてもらってる。
なんかお返しせなあかんなぁ~と、2人で話し合ってたある日。
突然BOSSから、
「マッサージの依頼が来ているけど、やってみないか?
お金も貰えるよ」
と言われる。
プロやないから金は貰えないと言ったが、貰えるもんは貰っときって話しになったので、まあ貰えたらいいかなぁ~ぐらいで、やってみることにした。
6月16日(木)
Casa de saludっていう小さい診療所で5人マッサージした。
そして、160ペソ(1200円ぐらい)いただいた。
メキシコで初めての日当!
めちゃくちゃうれしい。
もしかしたらこのままここで、生活費稼げるかなと思っていたが、結局ここでの仕事は計3日で終了した。
人生そんなに甘くはない。
‥かといって辛くもない。
辛いで思い出したが、この国ではChile(唐辛子)をよく使う。
だから、手がヒリヒリしたり、あやまって目をこすってしまい、めちゃくちゃ痛くなってまうことがある。
そんな時、役に立つのが塩である。
手が痛い時は塩水で手を洗い、目をこすってしまったときは、塩を少し舐めた後、水を飲む。
すると何故か痛みがひくから不思議や。
不思議と言えば、こんなに離れた国やのに、ウンコの絵を書くときは、日本と一緒であの形を書く。
日本人でもメキシコ人でも、確実あの形を捻り出せる人は数少ないハズやのに、何故かウンコ書くときはあの形や。
不思議。
もしかすると、人間のルーツはあの形のウンコなのかもしれないね。
そう考えると、人間はもう少しウンコについて考える必要があるような気がする。
クジラとか海ガメの保護する前に、ウンコを保護しなあかんし、ウンコと肉体関係を持ち、子供まではらませる「ハエ」という生物に対し、もう少し危険意識を持たなければいけない。
そして、
「おい! このクソ野郎!」
なんて言われた日には、
「僕ちんウンコ呼ばわりされちゃった~。
わぁ~い。
う~れし~いなぁ~!」
と、心から喜ばなければいけない。
僕はよく屁をこきすぎて、あとあとパンツを見ると、ウンコがついてるときがある。
それを聞いて、たまーに嫌がる人がいるが、これからは嫌がらずに、もっともっと好いて欲しい。
吸いて欲しいとまでは言わないから、好いて欲しい。
もしくは、拭いていただければこれ幸いだなと、おもふけふこの頃です。
ぺぺもダビィも出ていったので、今はこの家にハポネス2人だけが住んでいる。
最近は現場作業してるオッチャンら、マルセリーノ&ロベルトによく酒や飯をおごってもらってる。
そして、引き続きBOSSん家で飯を食わせてもらったりしてる。
僕らはせめてものお礼にと、お好み焼きを作ってみたり、モヒートを教えてみたり、マッサージを経験してもらったりしているが、代わりにカニ狩りに連れてってもらったり、Sopa de pipíanという家庭料理や、JinebraっちゅうココナッツとAguardienteの酒を教えてもらったりしてるから、まだまだ足りひん。
ゆうきちゃんに関しては、海ガメにまで乗らせてもらったし。
うらまやしいなぁ~。
日本じゃ乗るどころか、写真撮影も厳しいもんなあ。
そうそう、メキシコではその昔、海ガメのたまごを食べていたらしい。
かなり絶品らしいが、現在は保護団体がうるさいから、たまごパクッてるとこが見つかると、すぐにお縄らしい。
スッポンと亀頭は食うくせに、海ガメのたまごはあかんなんてホンマ勝手やね。
食べてみたいなぁ。
せやけど、ホンマにこの町の人らにはよくしてもらってる。
なんかお返しせなあかんなぁ~と、2人で話し合ってたある日。
突然BOSSから、
「マッサージの依頼が来ているけど、やってみないか?
お金も貰えるよ」
と言われる。
プロやないから金は貰えないと言ったが、貰えるもんは貰っときって話しになったので、まあ貰えたらいいかなぁ~ぐらいで、やってみることにした。
6月16日(木)
Casa de saludっていう小さい診療所で5人マッサージした。
そして、160ペソ(1200円ぐらい)いただいた。
メキシコで初めての日当!
めちゃくちゃうれしい。
もしかしたらこのままここで、生活費稼げるかなと思っていたが、結局ここでの仕事は計3日で終了した。
人生そんなに甘くはない。
‥かといって辛くもない。
辛いで思い出したが、この国ではChile(唐辛子)をよく使う。
だから、手がヒリヒリしたり、あやまって目をこすってしまい、めちゃくちゃ痛くなってまうことがある。
そんな時、役に立つのが塩である。
手が痛い時は塩水で手を洗い、目をこすってしまったときは、塩を少し舐めた後、水を飲む。
すると何故か痛みがひくから不思議や。
不思議と言えば、こんなに離れた国やのに、ウンコの絵を書くときは、日本と一緒であの形を書く。
日本人でもメキシコ人でも、確実あの形を捻り出せる人は数少ないハズやのに、何故かウンコ書くときはあの形や。
不思議。
もしかすると、人間のルーツはあの形のウンコなのかもしれないね。
そう考えると、人間はもう少しウンコについて考える必要があるような気がする。
クジラとか海ガメの保護する前に、ウンコを保護しなあかんし、ウンコと肉体関係を持ち、子供まではらませる「ハエ」という生物に対し、もう少し危険意識を持たなければいけない。
そして、
「おい! このクソ野郎!」
なんて言われた日には、
「僕ちんウンコ呼ばわりされちゃった~。
わぁ~い。
う~れし~いなぁ~!」
と、心から喜ばなければいけない。
僕はよく屁をこきすぎて、あとあとパンツを見ると、ウンコがついてるときがある。
それを聞いて、たまーに嫌がる人がいるが、これからは嫌がらずに、もっともっと好いて欲しい。
吸いて欲しいとまでは言わないから、好いて欲しい。
もしくは、拭いていただければこれ幸いだなと、おもふけふこの頃です。
WWOOF•Lechuguillas編 その4 ~蚊と匂いと淫水マンゴー
5月16日(月)
RubenとLauraがPepeというEspañaを連れてやって来た。
こいつがまたなかなかのイカれポンチで、面白可笑しいコカインMen。
29歳学生らしいが、ホンマかなあ?
三人がやってきた翌日。
朝から共に働くんかなあと思っていたら、イスに座ってちんたらコーヒーを飲んでいるではないか。
その後、庭で簡単な作業をしては、ちょこちょこと休んでいた。
僕は、Ruben&Lauraは、若いのによく働く夫婦やと思っていたのだが、実は真逆で、全く仕事をしないドラ息子とドラ彼女だということが判明した。
33歳だというのに、脚立の一つもロクに使えず、どっかで働くわけでもなく、父親から金をせびる。
部屋は荒らすだけ荒らして片付けない。
なんか2人して閉じこもっとんなあ~思たら、パンパンパンパンおっぱんぱんしとる。
なんとも言えないおまんこ野郎たちや。
僕らは極力彼らと話さないようにし、食事も共にしないように務めた。
運良く火曜日は、Nichoという現地の弁護士が経営するレストランで、酒と飯をご馳走になった。
この後、数回ご馳走になり、VISAと仕事をもらえそうな雰囲気になっていたが、三十路やということが判明した途端、めっきり彼は訪れなくなった。
‥残念!
水曜日は水曜日で、Leónの友達のセルソの家で、ちゃんちゃん焼きをご馳走になった。
セルソはダンスの達人で、笑うと大量の鼻毛が見え隠れする、気のいいオッちゃん。
話すんが早すぎる為、会話の99%は理解出来ない。
‥残念!
翌木曜日。
ペペを残して糞どもは出て行った。
金も食料も置いて行かずに。
油も切れ、水もなく、あるのはおまんこ野郎が置いてった、廊下に敷かれた淫水臭いベッドだけ。
枕元に置かれたマンゴーの食べカスが、いやらしさと苛立たちさを醸し出す。
しょうもないダイイングメッセージはいらんから、金を置いてけ、金を!
David、Pepe、僕にゆうき。
食料のない家で、大人四人が生活を共にする。
腐りかけの野菜と、毎日収穫する卵だけが僕らのエサ。
「今日は何を食べる?」
と、ペペに聞くと、
「Huevo con huevo(卵入り卵)」
と、苦笑いが返ってくる。
飢え死にしそうな状況下でも、変わらず毎日働かされる。
これじゃまるでタコ部屋や。
あれ?
WWOOFって農業ボランティアプロジェクトやったよね?
タコ部屋プロジェクトじゃなかったよね?
思わず尋ねたくなる状況下。
あまりにも腹が立つので、Rubenが大事にしているであろう赤ワインを四人で開けようと思い、ペペに差し出してみた。
「わおっ! ハル!
赤ワインじゃないか!
ハルが買ってきたの?」
さすがワインにうるさいスペイン人。
反応が早い!
「違うよ。Rubenのやつやで。
どうする? 呑む?」
「呑もう呑もう!
もし、Rubenに聞かれたら、俺のせいにしてくれたらいいよ。
ペペは頭がイカれてるってゆってくれればいいさ。
俺は俺で知らん顔するし」
なんて心強いスペイン人なんやろう。
僕らはせめてもの楽しみにと、心ウキウキで開けてみた。
ペペは言った。
「うわっ! クソまず!」
何を食べても、
「Riquísimo!(めちゃうまい)」
という彼が、
「Vino malo(クソまずいワインやで)」
というぐらいまずかった。
きっと夏の暑さと湿気で、味が悪くなったんやろう。
おまんこ野郎はワインもロクに管理できない。
まったくのNo sirve(役立たず)だぜ。
Hey ベイベー。気をつけなよ。
ハポネスは怒ると何しでかすかわからないんだぜ!
5月23日(月)。
初めてこっちで羊を食った。
本気で食料が尽きた為、バカ共が冷凍庫で大切に保管してる羊肉をおろした。
日本で食べたことのある羊と比べ、やわらかく、臭みもなく、ほどよいクセがあり美味。
オーガニックのエサを食わせてるからか、子羊やからか、理由はわからんがとにかく美味すぎる!
毎日でも食べたいほどや。
が、翌週にバカ共が来た時に、勝手に食べたんがバレたみたいで、全部持って帰られた。
わ~おっ。
それにしても最近蚊が増えた。
めちゃくちゃかゆい!
何故かメキシコ人は滅多に刺されない。
だから、たまに刺されるとありえんぐらいわめき散らす。
そこまで騒がんでもええやんってぐらい騒ぐ。
きっと、僕らみたいに10個も20個も刺されたら発狂して死んでまうやろう。
なんせ滅多に刺されないのに、刺されない為の方法を知っているぐらいやから、相当刺されるのが嫌なハズや。
~メキシコプチ情報~
刺されない為の方法 その1
体にシャンプーを塗る。
刺されない為の方法 その2
耳にミントを引っかける。
その2はまだ実践してないが、その1のシャンプーは実践してみた。
すると、確かに蚊に刺されない。
近づいてきてもすぐに離れていく。
きっと匂いが嫌いなんやろう。
RubenとLauraが廊下で寝てても刺されないんは、きっと淫水臭いからや。
Viva! おマンゴー野郎!
RubenとLauraがPepeというEspañaを連れてやって来た。
こいつがまたなかなかのイカれポンチで、面白可笑しいコカインMen。
29歳学生らしいが、ホンマかなあ?
三人がやってきた翌日。
朝から共に働くんかなあと思っていたら、イスに座ってちんたらコーヒーを飲んでいるではないか。
その後、庭で簡単な作業をしては、ちょこちょこと休んでいた。
僕は、Ruben&Lauraは、若いのによく働く夫婦やと思っていたのだが、実は真逆で、全く仕事をしないドラ息子とドラ彼女だということが判明した。
33歳だというのに、脚立の一つもロクに使えず、どっかで働くわけでもなく、父親から金をせびる。
部屋は荒らすだけ荒らして片付けない。
なんか2人して閉じこもっとんなあ~思たら、パンパンパンパンおっぱんぱんしとる。
なんとも言えないおまんこ野郎たちや。
僕らは極力彼らと話さないようにし、食事も共にしないように務めた。
運良く火曜日は、Nichoという現地の弁護士が経営するレストランで、酒と飯をご馳走になった。
この後、数回ご馳走になり、VISAと仕事をもらえそうな雰囲気になっていたが、三十路やということが判明した途端、めっきり彼は訪れなくなった。
‥残念!
水曜日は水曜日で、Leónの友達のセルソの家で、ちゃんちゃん焼きをご馳走になった。
セルソはダンスの達人で、笑うと大量の鼻毛が見え隠れする、気のいいオッちゃん。
話すんが早すぎる為、会話の99%は理解出来ない。
‥残念!
翌木曜日。
ペペを残して糞どもは出て行った。
金も食料も置いて行かずに。
油も切れ、水もなく、あるのはおまんこ野郎が置いてった、廊下に敷かれた淫水臭いベッドだけ。
枕元に置かれたマンゴーの食べカスが、いやらしさと苛立たちさを醸し出す。
しょうもないダイイングメッセージはいらんから、金を置いてけ、金を!
David、Pepe、僕にゆうき。
食料のない家で、大人四人が生活を共にする。
腐りかけの野菜と、毎日収穫する卵だけが僕らのエサ。
「今日は何を食べる?」
と、ペペに聞くと、
「Huevo con huevo(卵入り卵)」
と、苦笑いが返ってくる。
飢え死にしそうな状況下でも、変わらず毎日働かされる。
これじゃまるでタコ部屋や。
あれ?
WWOOFって農業ボランティアプロジェクトやったよね?
タコ部屋プロジェクトじゃなかったよね?
思わず尋ねたくなる状況下。
あまりにも腹が立つので、Rubenが大事にしているであろう赤ワインを四人で開けようと思い、ペペに差し出してみた。
「わおっ! ハル!
赤ワインじゃないか!
ハルが買ってきたの?」
さすがワインにうるさいスペイン人。
反応が早い!
「違うよ。Rubenのやつやで。
どうする? 呑む?」
「呑もう呑もう!
もし、Rubenに聞かれたら、俺のせいにしてくれたらいいよ。
ペペは頭がイカれてるってゆってくれればいいさ。
俺は俺で知らん顔するし」
なんて心強いスペイン人なんやろう。
僕らはせめてもの楽しみにと、心ウキウキで開けてみた。
ペペは言った。
「うわっ! クソまず!」
何を食べても、
「Riquísimo!(めちゃうまい)」
という彼が、
「Vino malo(クソまずいワインやで)」
というぐらいまずかった。
きっと夏の暑さと湿気で、味が悪くなったんやろう。
おまんこ野郎はワインもロクに管理できない。
まったくのNo sirve(役立たず)だぜ。
Hey ベイベー。気をつけなよ。
ハポネスは怒ると何しでかすかわからないんだぜ!
5月23日(月)。
初めてこっちで羊を食った。
本気で食料が尽きた為、バカ共が冷凍庫で大切に保管してる羊肉をおろした。
日本で食べたことのある羊と比べ、やわらかく、臭みもなく、ほどよいクセがあり美味。
オーガニックのエサを食わせてるからか、子羊やからか、理由はわからんがとにかく美味すぎる!
毎日でも食べたいほどや。
が、翌週にバカ共が来た時に、勝手に食べたんがバレたみたいで、全部持って帰られた。
わ~おっ。
それにしても最近蚊が増えた。
めちゃくちゃかゆい!
何故かメキシコ人は滅多に刺されない。
だから、たまに刺されるとありえんぐらいわめき散らす。
そこまで騒がんでもええやんってぐらい騒ぐ。
きっと、僕らみたいに10個も20個も刺されたら発狂して死んでまうやろう。
なんせ滅多に刺されないのに、刺されない為の方法を知っているぐらいやから、相当刺されるのが嫌なハズや。
~メキシコプチ情報~
刺されない為の方法 その1
体にシャンプーを塗る。
刺されない為の方法 その2
耳にミントを引っかける。
その2はまだ実践してないが、その1のシャンプーは実践してみた。
すると、確かに蚊に刺されない。
近づいてきてもすぐに離れていく。
きっと匂いが嫌いなんやろう。
RubenとLauraが廊下で寝てても刺されないんは、きっと淫水臭いからや。
Viva! おマンゴー野郎!
WWOOF•Lechuguillas編 その3 ~Aguardiente~
Lichi収穫の初日にBarracuda共が来たとはいえ、すぐに帰ってくれたので害はなかった。
この後、Rubenたちがやって来だす頃から、農場の生活での歯車が狂いだすのだが、
「じゃあそこでの生活は満足出来ないものなのか?」
と、聞かれるとそうではない。
何故なら、この農場で働くボス2人とメヒコの大学生、それにこの小さな町・Lechuguillasの人たちが、最高にいい人たちばかりだからだ。
5月8日(日)
初めての休日。
ゆうきちゃんに散髪してもらったあと海に行く。
海までは1km。
ちんたら歩いて行く。
Mexicoに来て初の海。
風で波が荒れてたせいか、あまりキレイではなかった。
残念。
現地人と共に写真を撮ったあと家に戻ると、Leonが
"Aguardiente de caña"
をご馳走してくれた。
Aguardiente de cañaとは、さとうきびの蒸留酒。
ゆってみれば、さとうきび焼酎。
もしくわ、安物のラム酒やね。
これがなかなかうまく。
僕らは上機嫌!
ほろ酔い気分でなんとなく隣の農場を覗きに行くと、酒盛りをする男たちの姿が。
もちろん声をかける。
と、そのうちの1人が、トウモロコシをたくさんくれた。
でも、酒はくれなかった。
そして、鳥脅し用の音の鳴るムチ、”チュリオン”を目の前で鳴らしてくれた。
パンパン!
と、ピストルみたいな音が鳴る。
「メキシコでよく鳴ってる音はこれやったんや」
と、このとき初めて知った。
二年前から気になっていたことがやっとわかり満足。
彼、Tomasに別れを告げ、近所のビール屋
” Quince De Letras”
で、Caguama(リッターサイズのビール)を注文して呑む。
すると、1人のborracho(酔っ払い)が近づいてきて、酒を奢ってくれた。
多分名前はJuan。
葉っぱとコカインが大好きな、38歳妻子持ち。
肩に入れたタトゥーの二文字は、”No fear”(怖くないよ~)。
なかなかやばい臭いをプンプン撒き散らす彼に別れを告げ、再び家に戻った。
あとあと聞いた話やが、彼は仕事もせず、嫁はんの働いた金で薬を買ってはキメまくってるらしい。
一回捕まってるらしいし、なかなかヤバイ野郎や。
翌日。
仕事前にボスと共に、搾りたての乳を飲むため近所の牧場へ。
歩いて2~3分のところにあるこの牧場では、Romanって名前のじいちゃんが乳をシャーシャー搾っている。
面白いぐらいに出てくる牛の乳。
これなら僕にも出来るんちゃうかとトライするが、一向に出ない牛のオッパイ。
オッパイがいっぱ~い。
"爺が揉んで、ボスも揉んだから、出なくなった牛のオッパ~イ"
きっと性感帯を間違えたんやろう。
まあ、セックスのあまり上手くない僕が、牛を感じさせるほどのマジックフィンガーを手に入れるには、まだまだ修行が足りんのやろう。
なんせ爺ちゃんには、4人の嫁がいるらしいから。
かなりのプレイボーイや。
色んな乳を揉んできたからこそ、なせるワザなんやろう。
うんごいわ!
そうこうしているうちに、BOSSがコップ一杯の牛乳を差し出してくれた。
初めて飲む搾りたての牛乳は、生ぬるく甘くAguardienteの味がした。
んなはずはないやろう!
と、BOSSに問い詰めたところ、イタズラにaguardienteを混入したことが発覚!
おかげで朝からほろ酔い気分。
昼にはMezcalも呑めたし、最高の一日や。
テキーラで有名なメキシコやが、この町ではcañaが主流。
なんでもCuba文化の影響らしい。
その昔、スペインがキューバに侵略した後、Veracruzに攻めて来た為、キューバのサルサや、さとうきびがこの州都に伝わり、未だ名残りが消えないのだと聞いた。
歴史ってなかなか面白いね。
ちんちろり~ん。
一本30ペソ(約240円)のさとうきび焼酎をコーラやグレープフルーツソーダで割って呑む。
ミントもライムもテグアカン(炭酸)もあるのに、何故かモヒートはあまり知られていない。
ので、モヒートを作ってみた。
ウマイ!!
ラムと変わらん味がする。
そら、ラムみたいなもんやからなあ。
ボスの奥さん・Gloriaもお気に入り。
なかなかやりよる安酒や。
是非とも日本に持って帰りたいもんや。
まあ、確実に頭イカれてまうであろう安酒やが。
この後、Rubenたちがやって来だす頃から、農場の生活での歯車が狂いだすのだが、
「じゃあそこでの生活は満足出来ないものなのか?」
と、聞かれるとそうではない。
何故なら、この農場で働くボス2人とメヒコの大学生、それにこの小さな町・Lechuguillasの人たちが、最高にいい人たちばかりだからだ。
5月8日(日)
初めての休日。
ゆうきちゃんに散髪してもらったあと海に行く。
海までは1km。
ちんたら歩いて行く。
Mexicoに来て初の海。
風で波が荒れてたせいか、あまりキレイではなかった。
残念。
現地人と共に写真を撮ったあと家に戻ると、Leonが
"Aguardiente de caña"
をご馳走してくれた。
Aguardiente de cañaとは、さとうきびの蒸留酒。
ゆってみれば、さとうきび焼酎。
もしくわ、安物のラム酒やね。
これがなかなかうまく。
僕らは上機嫌!
ほろ酔い気分でなんとなく隣の農場を覗きに行くと、酒盛りをする男たちの姿が。
もちろん声をかける。
と、そのうちの1人が、トウモロコシをたくさんくれた。
でも、酒はくれなかった。
そして、鳥脅し用の音の鳴るムチ、”チュリオン”を目の前で鳴らしてくれた。
パンパン!
と、ピストルみたいな音が鳴る。
「メキシコでよく鳴ってる音はこれやったんや」
と、このとき初めて知った。
二年前から気になっていたことがやっとわかり満足。
彼、Tomasに別れを告げ、近所のビール屋
” Quince De Letras”
で、Caguama(リッターサイズのビール)を注文して呑む。
すると、1人のborracho(酔っ払い)が近づいてきて、酒を奢ってくれた。
多分名前はJuan。
葉っぱとコカインが大好きな、38歳妻子持ち。
肩に入れたタトゥーの二文字は、”No fear”(怖くないよ~)。
なかなかやばい臭いをプンプン撒き散らす彼に別れを告げ、再び家に戻った。
あとあと聞いた話やが、彼は仕事もせず、嫁はんの働いた金で薬を買ってはキメまくってるらしい。
一回捕まってるらしいし、なかなかヤバイ野郎や。
翌日。
仕事前にボスと共に、搾りたての乳を飲むため近所の牧場へ。
歩いて2~3分のところにあるこの牧場では、Romanって名前のじいちゃんが乳をシャーシャー搾っている。
面白いぐらいに出てくる牛の乳。
これなら僕にも出来るんちゃうかとトライするが、一向に出ない牛のオッパイ。
オッパイがいっぱ~い。
"爺が揉んで、ボスも揉んだから、出なくなった牛のオッパ~イ"
きっと性感帯を間違えたんやろう。
まあ、セックスのあまり上手くない僕が、牛を感じさせるほどのマジックフィンガーを手に入れるには、まだまだ修行が足りんのやろう。
なんせ爺ちゃんには、4人の嫁がいるらしいから。
かなりのプレイボーイや。
色んな乳を揉んできたからこそ、なせるワザなんやろう。
うんごいわ!
そうこうしているうちに、BOSSがコップ一杯の牛乳を差し出してくれた。
初めて飲む搾りたての牛乳は、生ぬるく甘くAguardienteの味がした。
んなはずはないやろう!
と、BOSSに問い詰めたところ、イタズラにaguardienteを混入したことが発覚!
おかげで朝からほろ酔い気分。
昼にはMezcalも呑めたし、最高の一日や。
テキーラで有名なメキシコやが、この町ではcañaが主流。
なんでもCuba文化の影響らしい。
その昔、スペインがキューバに侵略した後、Veracruzに攻めて来た為、キューバのサルサや、さとうきびがこの州都に伝わり、未だ名残りが消えないのだと聞いた。
歴史ってなかなか面白いね。
ちんちろり~ん。
一本30ペソ(約240円)のさとうきび焼酎をコーラやグレープフルーツソーダで割って呑む。
ミントもライムもテグアカン(炭酸)もあるのに、何故かモヒートはあまり知られていない。
ので、モヒートを作ってみた。
ウマイ!!
ラムと変わらん味がする。
そら、ラムみたいなもんやからなあ。
ボスの奥さん・Gloriaもお気に入り。
なかなかやりよる安酒や。
是非とも日本に持って帰りたいもんや。
まあ、確実に頭イカれてまうであろう安酒やが。
WWOOF•Lechuguillas編 その2~Barracuda襲来~
5月5日(木曜日)にJoseが、
「Xalapaに女の子に会いに行って来る!」
と、出ていった。
2~3日は帰ってこないらしい。
正直助かった。
なんせ彼のイビキは爆裂にデカイ!
まったく眠らせてくれない。
それに、ブリーフ姿で枕に抱きつきながら眠る40代・男性の姿を見て、
「Oh~! キュート」
などと思える気持ちは持ち合わせてはいないからだ。
てことで、ここのBOSSである、LeónとCarlosに支持を仰ぎ働くことになった。
Leónは12歳の頃からずっと働いている。
今までいろんな仕事をしてきた結果、8年前からここに落ち着いたらしい。
5歳年下の奥さんGloriaと、3人の孫達と共に暮らしている。
めちゃくちゃ優しく面倒見もよく、ウィスキーとウォッカが好きなイカしたボスや。
Carlos(副ボス)は、子供がそのまま大人になったようなおっちゃんである。
いつも冗談ばかり言いながら踊り、果物ちぎってはつまみ食い。
たまにLeonから、
「また甘いもん食べて!」
と、怒られている。
そんな子供のような彼だが、この農場のヒットマンでもある。
畑を荒らす生き物や、命を脅かす蛇などは、彼が容赦なくぶち殺す。
Topoと呼ばれる前歯の長いネズミみたいな奴は、まずチャリの前輪でしばいて弱らせる。
その後、蹴りまくって弱ったところを尻尾つかんで持ち上げ、何度も何度も地面に叩きつけるのだ。
それで終わりかと思いきや、まだまだ序の口。
確実に死んでいるであろうTopoの頭に、数回石を投げつける。
そして、再び蹴りまくる。
なかなかエグい。
蛇にいたっては、スコップで一瞬のうちに首をちょんぎる。
まさに瞬殺!
この2人がここを仕切っているボスや。
そんなボス2人とDavid(無口なメキシコの大学生)と共に、人生初のlichi狩りにと繰り出した。
いい感じに熟れたlichiを一つ一つ丁寧にちぎる。
そして、手に持ったバケツに大胆に投げ入れる。
ちぎる時は丁寧なのに、入れる時はなんとも大胆。
これが原因で、いい感じのlichiの三割程度がNo sirve(役立たず)になる。
せっかく丁寧に前戯したのに、三こすり半でイッてしまうSEXのように、残念な結果に終わってしまうのだ。
そんな感じで、Leónに選別の仕方を教わりながら収穫していると、見知らぬオヤジと老けた若造がやってきた。
「こんにちわ! ハポネス。
Rubenのパパと弟のRogelioだよ」
(そうか、こいつらが呼んどいて未だ旅行から帰ってこないバカップルの生みの親と、似たような精子のカタマリか?)
そう思いながらにこやかに挨拶を交わす。
そして、バカ共に連れられて、お次はLichiのパック詰め作業に入る。
作業中、
「ハポ~ン! メヒコ~!」
と、テンション高く叫びながら、のろまなスピードで詰めるオヤジ。
きっとシャブでも喰ってるんやろう。
そういえば、親子ともども若干瞳孔が開いている気がする。
ハタチの頃に働いていた現場に時折いた、シャブ中のオヤジたちと同じ目をしている。
そんなシャブ中どもは、かるくあしらいながら、1パックに対して680g分のlichiを詰める。
詰め込まれた商品は、カナダの大型スーパーで売られるそうだ。
ここで気になるのが値段。
大阪のスーパーで、ライチが売ってるとこなんて見たことないから、しょうみ気になって仕方がない。
だから、オヤジに聞いてみた。
すると、返ってきた答えは、
「わからない」
だった。
あゝ、この人は阿呆タレなんだ。
そう思っただけで、会話はすぐに終了した。
だが、阿呆は1人だけではなかった。
31歳の弟は、どうやら今回初めて作業に参加したらしく、
「パパ、どれがいいlichiなの?」
「ん? ロヘリオ。これがいいlichiだよ。
1つ食べてごらん」
パクッ。
「まいう~」
バカや。
文句なしに。
そんなバカさをいち早く察していたのか、Davidから聞いて知っていたのか、8日にデートから帰ってきたあと、家族の誰とも会わずに翌日にJoseは出ていった。
そして、まだRubenとLauraは帰ってこない。
「Xalapaに女の子に会いに行って来る!」
と、出ていった。
2~3日は帰ってこないらしい。
正直助かった。
なんせ彼のイビキは爆裂にデカイ!
まったく眠らせてくれない。
それに、ブリーフ姿で枕に抱きつきながら眠る40代・男性の姿を見て、
「Oh~! キュート」
などと思える気持ちは持ち合わせてはいないからだ。
てことで、ここのBOSSである、LeónとCarlosに支持を仰ぎ働くことになった。
Leónは12歳の頃からずっと働いている。
今までいろんな仕事をしてきた結果、8年前からここに落ち着いたらしい。
5歳年下の奥さんGloriaと、3人の孫達と共に暮らしている。
めちゃくちゃ優しく面倒見もよく、ウィスキーとウォッカが好きなイカしたボスや。
Carlos(副ボス)は、子供がそのまま大人になったようなおっちゃんである。
いつも冗談ばかり言いながら踊り、果物ちぎってはつまみ食い。
たまにLeonから、
「また甘いもん食べて!」
と、怒られている。
そんな子供のような彼だが、この農場のヒットマンでもある。
畑を荒らす生き物や、命を脅かす蛇などは、彼が容赦なくぶち殺す。
Topoと呼ばれる前歯の長いネズミみたいな奴は、まずチャリの前輪でしばいて弱らせる。
その後、蹴りまくって弱ったところを尻尾つかんで持ち上げ、何度も何度も地面に叩きつけるのだ。
それで終わりかと思いきや、まだまだ序の口。
確実に死んでいるであろうTopoの頭に、数回石を投げつける。
そして、再び蹴りまくる。
なかなかエグい。
蛇にいたっては、スコップで一瞬のうちに首をちょんぎる。
まさに瞬殺!
この2人がここを仕切っているボスや。
そんなボス2人とDavid(無口なメキシコの大学生)と共に、人生初のlichi狩りにと繰り出した。
いい感じに熟れたlichiを一つ一つ丁寧にちぎる。
そして、手に持ったバケツに大胆に投げ入れる。
ちぎる時は丁寧なのに、入れる時はなんとも大胆。
これが原因で、いい感じのlichiの三割程度がNo sirve(役立たず)になる。
せっかく丁寧に前戯したのに、三こすり半でイッてしまうSEXのように、残念な結果に終わってしまうのだ。
そんな感じで、Leónに選別の仕方を教わりながら収穫していると、見知らぬオヤジと老けた若造がやってきた。
「こんにちわ! ハポネス。
Rubenのパパと弟のRogelioだよ」
(そうか、こいつらが呼んどいて未だ旅行から帰ってこないバカップルの生みの親と、似たような精子のカタマリか?)
そう思いながらにこやかに挨拶を交わす。
そして、バカ共に連れられて、お次はLichiのパック詰め作業に入る。
作業中、
「ハポ~ン! メヒコ~!」
と、テンション高く叫びながら、のろまなスピードで詰めるオヤジ。
きっとシャブでも喰ってるんやろう。
そういえば、親子ともども若干瞳孔が開いている気がする。
ハタチの頃に働いていた現場に時折いた、シャブ中のオヤジたちと同じ目をしている。
そんなシャブ中どもは、かるくあしらいながら、1パックに対して680g分のlichiを詰める。
詰め込まれた商品は、カナダの大型スーパーで売られるそうだ。
ここで気になるのが値段。
大阪のスーパーで、ライチが売ってるとこなんて見たことないから、しょうみ気になって仕方がない。
だから、オヤジに聞いてみた。
すると、返ってきた答えは、
「わからない」
だった。
あゝ、この人は阿呆タレなんだ。
そう思っただけで、会話はすぐに終了した。
だが、阿呆は1人だけではなかった。
31歳の弟は、どうやら今回初めて作業に参加したらしく、
「パパ、どれがいいlichiなの?」
「ん? ロヘリオ。これがいいlichiだよ。
1つ食べてごらん」
パクッ。
「まいう~」
バカや。
文句なしに。
そんなバカさをいち早く察していたのか、Davidから聞いて知っていたのか、8日にデートから帰ってきたあと、家族の誰とも会わずに翌日にJoseは出ていった。
そして、まだRubenとLauraは帰ってこない。
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