2011年8月31日水曜日

オールド&ヒッピー

8月7日(日)
ついにレチュギージャスを後にした。
家族やボニー一家と再び会うことを約束。
ロマンとの別れ際泣きそうになり、呑んだくれフアンの涙目に感動し、結局ガウデの息子からマッサージ代30ペソを貰えぬまま、小汚いバスに乗りこんだ。

ベラクルスに到着すると、ボスの娘・ロシオと、その恋人ホルヘが待っていた。

グロリアの手作り料理である、モーレとミニージャを渡す為に待ち合わせしていたのだ。

荷物を渡した後、即座に別れを告げようとしたが、バスが当日の夜23時出発しかないということと、仕切りにロシオがバス出発まではどこに行くのかを聞いてくる為、結局ホテルには行かずにロシオの家で休憩することになった。


出発までの間に色々話していると、電話のかけ方を聞いたつもりが電話をかけて欲しいと伝わったのか、ロシオが携帯から次の行き先、Oaxacaにある、”El ranchito(エル ランチト)”の女主人・Nuria(ヌリア)に電話をかけてくれた。

ここに来て初めての、電話越しでのスペイン語での会話。

若干緊張したが、明日の朝6時半にオアハカの二等バスターミナル”AU”に到着することを伝えることが出来た。
彼女は8時に迎えに来てくれるという。

そして、電話越しの声から、ヌリアがお婆ちゃんであることが判明した。

僕は婆ちゃんっこやから、婆ちゃんが大好きや。

乳首の珍毛は数日前に無くなったが、運がやってきた予感。

次の農場では、なんとなく楽しくやっていけそうな気がした。

今回はWWOOFではなくイビキのうるさいホセからの紹介やし、一日三時間半の手伝いでいいみたいやし、カップルの為の部屋もあるってゆーてるし。

ただ、飯がついてるんかどうかだけが心配や。

まあ、無けりゃ無いで草でも食うか!

8月8日(月)
予定より約2時間遅れでオアハカに着いた。

言葉が通じてなかった為に、ヌリアを一等バスターミナルで三時間も待たせてしまった。

まあ、僕らは僕らで二等バスターミナルで二時間待ったが。

結局三人が出会えたのは朝の10時。

それからタクシーに乗って、グエンヅラインにある”El ranchito”を目指した。

にしてもNuriaってば、なんてヒッピーなんでしょう。

海外やパーティーなどで、よく見かけるヒッピーめいたのとも、ヒッピールックがお好きな若者とも違う。

ヒッピーであることを主張していないのに、ヒッピーであることがあからさまに解る。

とにかくオーラがヒッピーや。

この先、
「ヒッピーて一体なんなん?」
って聞かれたら、
「彼女や」
って答えることにしたいぐらいヒッピーや。

彼女自身もこう言っている。

「昔からずっとヒッピーやってきて、今はここに住んでるの。
あっ。ドラッグはやらないよ」。

今年68歳。

「子供が四人に孫もおるけど、みんなヨーロッパに住んでるし、知らん!
私はいま自由だ~!」

町からタクで約20分。
ランチョに到着すると、僕らの他には誰もいなかった。

どうやら僕らだけが手伝うらしい。
でも、まあとりあえず今日は仕事はナシ。

MEZCAL(メスカル)で乾杯し、明日から楽しくやって行こうぜ!
的な話をした。

とにかく朝3〜4時間働いたら、後は自由らしいし、飯も3食あるし、専用の部屋もめちゃくちゃキレイやし。

のんびりやって行こうと思う。

なんせ僕らは、自由で貧乏。
そして、彼女はオールド&ヒッピー!

怖いもんナシや!

メキシコ人はコロナが嫌い

とうとう8月に入った。
なんやかんや延びたが、8月7日(日)にこの町を出る。

ちなみに今は5日(金)。
出発は明後日。

先週に引き続き、マッサージが忙しい。

なんせ小さな田舎町。
日本人が出て行くということが、一瞬にして知れ渡る。

だから、ここぞとばかりにマッサージの依頼が殺到するし、
「家にご飯食べにおいでよ」
とのお誘いもちょこちょこ入る。

嬉しい限りや。

出て行くというとみんな、
「この町を嫌いになったの?」
と聞いてくるが、そうではない。

大好きやからこそ出て行くのだ。

このままあと二ヶ月も居候していては、逆に町の人らが僕らを嫌いになるやろう。

「ええかげん帰れよ」
と。

だがしかし、また帰ってくるつもりでおる。

町の人たちや、レオン一家やボニー一家にまた会いたい。

レオン一家にいたっては、家族扱いしてくれている。
だから僕も家族のように思っている。
”ファミリア エン メヒコ”!

そういや、最近仲良くなった、ロマンの娘の15añosにInvitación(インビタシオン:招待)されている。

メキシコでは15añosと言って、15歳になった女の子を盛大に祝う習慣がある。

成人式のように、ハタチになったチンコマンコを一斉に集めたはいいが、ロケット花火打ち上げられたり、しばかれたり、説教するつもりが、逆に絶叫する羽目になるような、アホアホパレードではない。

15歳の誕生日に、その女の子の為だけに、家族や友達、町の人たちが総出で祝う。

ドレス来て、タキシード姿の男のコにエスコートされ、ビール呑んで、ええ飯食って、踊り狂う。
まるで結婚式や!

まだ行ったことないので、ぜひ行きたい。

あっ。
男の15añoはないよ。
しょせんただの種馬や。



このまま行くと、またシモネタ系日記になってまいそうやので、ここらでキモチを切りかえるとしよう。

「メキシコのビールといえば?」
と日本人に尋ねると、大半が
「コロナ」
と答えるのではないだろうか?

コロナの瓶に差し込まれたライムを、人差し指で中に落としては乾杯する。

まあ、これが主流やろう。
僕も昔はよくわからないままに、こうして呑んでた。

でも、コロナはあまり好きやないので、ごくごくたまにね。

しかし、実際メキシコに来てみると、こんな飲み方してる人は1人も見たことがない。

こっちでは、cerveza(セルベッサ:麦酒)を注文すると、ライムと塩が皿にのっかって出てくる。

それを好みに合わせ、ライムを絞っていれたり、塩を瓶や缶、またはグラスの淵につけて呑む。

メキシコではそれが主流や。

でも、コロナは若干苦味があるせいか、まんまで呑んでる人の方が多い気がする。

それに、コロナよりSol(ソル)の方が人気がある。

きっと薄味のビールに、塩とライムがよく合うからやろう。
僕もソルの方が好きや。

でも、日本のビールはキリンがいい。
クラシックラガーの苦味が好きや。

昭和、大正、明治シリーズが売ってた日にゃ、大喜びで買い込む。
苦味とコクがたまらん。

が、この太陽の国で生活する男たちは、苦味があまり好きではないようや。
クッキーとかチョコミルクとか、甘いモン大好きやし。

だから、乳搾りの爺ちゃん・ロマンは、コロナが嫌いで呑まへんし、マルセリーノも、
「ソルとコロナ、どっちが好き?」
と聞いてくる。
「ソル」
と答えると大喜びやが、
「コロナ」
と答えた日にゃ、きっと手に持ったトンカチで頭カチ割られるやろう。

ロベルトに至っては、一度口に含んだコロナを、
「うわ、まずっ!」
と、店の真ん前で吐き捨て。

「こんなクソみたいなビール呑めるか!」
と、悪態をつくほどや。

もしかしたら日本に置いてあるコロナは、メキシコで売れ残った結果、シブシブ送られてきた物なのではないだろうか?

それも腐りかけ手前のコロナを。

そうやとしたら納得がいく。

メキシコで呑むコロナと、日本で呑むコロナとの味の違いに。

日本でコロナを呑むならば、”michelada”(ミチェラーダ:ビールにサルサやライムを入れた、バカうまカクテル)にするべきや。
味が誤魔化されるばかりか、めちゃウマやから。

日本に帰ったさいには、ぜひぜひ皆さん、合言葉”ミチェラーダ”で、乾杯でもしようではないか。

とびきりうまいミチェラーダを作りますよ。

だから、たくさんの発泡酒を用意しといてよ。

多分普通のビールじゃ、逆にまずくなるから、発泡酒あたりが最適やと思うし、日本じゃコロナは高いから、なかなか買えないし。

なんかむしょうにBARやりたくなってきた。

あ~おっ!

ー僕の好きなメキシコビールー
(メキシコに行くことがあれば、ぜひぜひ参考に)

ーリッター編ー
とにかく安く、量呑みたいなら、カグアマ!

Sol(ソル)…日本でも結構置いてる薄味セルベッサ。
ライムと塩を絞れば完璧すぎるほどにうまい!

脂っこい豚の頭肉のタコスを食べるときに、相性ピッタリじゃけん!
確か1180ml…23〜25ペソ。

Victoria(ビクトリア)…正味言うことなしの酒やね。
安いわ。コクあるわ。ミチェラーダにしてもうまいわ。
しょっぼいつまみとも合うわ。

この町にないのが残念なぐらいに、うますぎるセルベッサ。
確か1200ml…20ペソ。

Superior(スペリオル)…金はない。
でも呑みたい!
わがままいうならつまみも食べたい!
そんなときにはスペリオル。
若干薄すぎる味も塩とライムで気にしない気にしない。
酔ってしまえばこっちのもん!
確か945ml…15ペソ。

Indio(インディオ)…これがまたなかなか見んなぁおもたら、コンビニに大量に置いてあったりする。

ビクトリアにひけをとらへんコク。
そして男らしいボトルデザイン!

ああ、もう、今すぐ呑みたい!
サルサ舐めながら、夢見ながら!
確か1180ml…19ペソ。


ー高級小瓶編ー
うまいねんけど高いから。
どうせ呑むならこじゃれた酒場で、もひとつおまけに誰かのオゴリで。

Negra modelo(ネグラモデロ)…うまいね。うまい!
それしか言えんね。
つまみはいらん。逆に邪魔!

でも、ちょっと重いから一杯でいいし、小腹空いてる時に呑みたいね。
黄昏ながら。

Bohemia(ボエミア)…ネグラモデロを超えた極上セルベッサ。
週末や給料日に呑みたい男の酒。

メキシコ麦酒界のプレミアムモルツ!
でも、あのいや~なアロマはないからご心配なく。

自由奔放にチンポ丸出しで呑みたいね~ん!
ボヘミア~ン!

※共にオゴリで呑んでるから値段はわからん。
Lechuguillasの海沿いレストランでは、共に15ペソ。
でも、いつもニーチョのオゴリ。
Viva! Baco(バッカス)!