2011年9月24日土曜日

グアテマラ尿事情

だんだんこの宿の家族たちが、話しかけてくれるようになってきた。

今日(9月21日)は、酢豚とお好み焼きのレシピを教えたお礼か、お母さん手作りの財布をいただいた。

しかも、サンペドロカラー(民族模様)。

めちゃくちゃ嬉しい!

「recuerdoーレクエルドー(お土産)にあげる」
と言ってくれた。

めちゃくちゃ嬉しいので、明後日にお好み焼き。
週末にはまた酢豚を作ろう。
そして、直接見てもらおうと思う。

なんせ百聞は一見に如かず!

特に言葉の通じない僕らにとっては、話すよりも見てもらう方が早いのや。

そして、財布をもらってふと思ったことがある。

ー良しも悪しも日々の行ないは、そっくりそのまま自分に返ってくるんやなぁー
と。

先週。
あまりにも暇なので、近隣の村であるサンファン・ラ・ラグーナへ行った。

乗り合いのトラックに乗り、ガタゴト道を走り、揺られること約10分で、サンファンに到着する。

サンペドロとはまた違ったおもむきのあるこの村は、草木染めで有名な場所である。

カンペチェという名の木の樹液や、マゲイ(サボテン)に巣食う小さい虫の血などを染料に、自然な色合いの製品をたくさん作っては、それを売って生活をしている。

僕らはこの村にある土産屋を何軒か回り、そのうちの一軒、”IXOQ AJKEEMーイショック ・アッケーム??ー”という名の店で、可愛らしい財布を発見した。

ちなみにIXOQ AJKEEMは、Tzutujil(トゥトゥヒル語)で、機織りをする女性という意味らしい。

スペイン語では、Mujer tejedorームヘール テヘドール。
ほんま全然ちゃうわ~。

その店で、
ー世話になったレチュギージャスの人達に土産をー
と、財布を大量に買い込んだワケである。

それが今こうして返ってきたのか、
「お土産に!」
と、突然ポンと財布をいただいたのだ。


偶然か必然か?
まあ、とにかく何かを貰うってのは嬉しいもんやね。

そして、嬉しい気分のまま散歩するのは楽しい。
ので、散歩に出かけた。

坂を上り、広場のベンチに腰掛ける。

通りすがりの爺ちゃんに挨拶をすると、そっから会話が始まった。

布や服を作って生活をしているという爺ちゃん。
すぐそこの家で機織りをしているという。

近いし覗きにおいでよ。

ーやった!
   見学出来るんや!ー

ってことで家に向かうと、見学ではなく、何のこっちゃない売りつけやった。


爺ちゃんはそそくさと場を去り、代わりに奥さん登場。

笑顔で、
「土産にいかが?」
と、布片手に話しかけてくる

そう。ルンルン気分で忘れちゃいたが、ここはれっきとした観光地。
レチュギージャスのような田舎町と違い、招待=飯or酒のような計算式はナイ。

が、
「また今度」
って明るく断れば何の問題もナイ。

しかし、何故か機織り屋のハズが酒も販売していたので、ついつい買ってしまった。

”ほにゃらら”という、アルコールにパインやリンゴを漬けたという安酒。
(名前忘れたので、ほにゃららと記載しているだけで、ホンマにほにゃららって名前の酒ではない)

漬けたと言っても怪しいもんで染色に近い色。
が、125mlで6ケツァル。

とにかく安い!
そして甘くてうまい!
いちご風味。
パインとリンゴを混ぜたのに、何故かいちご風味。

なんか面白いので2カップ分買う。

計12ケツァル。
15ケツァル払ってもお釣りは返ってこないが、おばちゃんの中では12ケツァル。

ー12と15はまったく違う数字やが、きっとおばちゃんの中では同じなんやー

「ポケットの中に隠して持って帰れ」

なんで?
なんか怪しい酒なのか?
それとも裏家業なのか?

その謎も解けないまま、土産を買わない日本人は、サッサと家から追い出された。


切ない気分を天が察したのか、雨がポツリポツリと降りだし、道の脇からアンモニアの臭いが湧き出してきた。

くさい!
めちゃ小便くさい!

そう。このくっさい臭いの元はすべて、グアテマラの尿事情のせいである…。



立小便しようが野グソしようが、ポリにさえ見つからなければ余裕のよっちゃんイカれニッポンと違い、メキシコでは意外や意外、立小便する人間に対する目はかなり厳しい。

真昼間から道端で立小便しようものならば、狂人扱いされるばかりか場合によってはポリさえ呼ばれ、下手したら連行されてしまう。

かと言って、日本みたいに公衆便所がそこかしこにある訳でも、スーパーに便所がある訳でも、大昔に開便宣言をしたローソンがある訳でもなく、ごくたまに貸しトイレ(1人20円ぐらい)を見かけるぐらいや。

だから、頻尿マンの僕にとっては、それはもう地獄地獄。

外出前の放尿は、必須行為なワケである。

ところがここグアテマラの尿事情は、やや。
いや、かなり違う。


とにかく立ち小便は当たり前の行為なのである。

しかも、何故か決まって立ち小便しているのは、40〜50歳の大の大人たち。

恥ずかしげもなくチンコをさらけ出しては、道端にてジョロロロロ‥

キレの悪い黄金水を、母なる大地に向かって垂れ流す垂れ流す。

これは別に酔っているワケでも、深夜における隠密行動でもなく、真昼間の、しかも人んちの前や、メインストリートにおける大胆な行為。


目が合えばシレッと、
「ブエナスタルデス(こんにちわ)」
とか、
「アミーゴ!」
っと声をかけてくるのである。

が、小便親父に友達呼ばわりされるのは、あんまり気持ちのいいもんでもない。

しかも、ここは観光地。
羞恥な行為によって快感を得るような、感行恥ではないハズやのに。

そんな大胆行為だが、なんとお上からも許されている行為のようで、ポリの真横だろうが何だろうが平気平気。

ライフル片手に突っ立ったポリの真横で、これまたライフル片手に突っ立ったまま放尿する姿には、尊敬の念さえ感じちまうほどや。

これはちょっと、今の僕にはまだまだ出来そうにない。

ひょっとしたら、グアテマラ人限定で許されている行為かもしれないし。

放尿した瞬間に射殺されてしまっては、あまりにも情けないやろう。

人生最後の吐き台詞が、
「チョロッ」
では、情けなさすぎるやろう。

そんな形で歴史に名を残すぐらいなら、兎我野町辺りの風呂臭いラブホテルで、腹上死した方がよっぽどマシや。
「チョロッ」
よりは、
「ドピュッ!!」
の方が、ビックリマーク2つ分マシや。


そして、このグアテマラ尿事情。
実は、立ち小便だけでなく、座り小便にも同じことが言える。

そう、男性だけでなく、女性も野外にて出しっ放しちゃうってワケや。


この町ではまだお目にかかってはいないが、ウエウエテナンゴでは何度か目撃した。

これもやはり若いコではなく、40〜50のセニョーラ達。

なんやろ?
もしかしたらコレは、一時グアテマラで起きたブームの名残りなんやろか?

日本で80年代にケミカルウォッシュが流行ったみたいに、グアテマラ80年代にはケミカルに対抗して、ナチュラルウォッシュが流行ったんやろか?

「放尿?
うん。アウトドア派かな?
なんつーか、汚れた自然を俺の尿がキレイにしてるっつーか。
つーか。つーか。つーか‥」

当時のナウい若者たちによる、脱トイレ宣言!

「か~え~れ! ト~イ~レ!」

かなり熱い戦いの果てに、政府公認、
”野外放尿自由令”(1987年)が制定されたのかもしれない。

(覚え方としては、イクわな外に尿出しに)

帰国する頃にはきっと、日本でもこの野外放尿自由令が、無事に制定されていることだろう。

なんてアホなこと考えながら、買ってきたいちご風味の酒を呑んでたら、ある物が目に入った。

胡麻のようで胡麻ではない、何やら白くて粒状の物。

そう、これは紛れもない、いちごの種である。

いちごの種がパインの芯や、リンゴの種とはあきらかに違う形状の物であることは、ある程度の知識を持った方ならおわかりだろう。

そこには確実に、パインやリンゴの要素はない。

どっからどう見てもいちごの種である。

自分で作ってる酒の中身がわからないほど、もうろくした年でもないやろに。

まあ、確実にいちごの酒であろう物を、リンゴやパインと言い切るのならば、それはそれでいい。

その気持ちはすんなりと受け入れようと思う。

ただ、現地人であるこの宿の主人・ルイスにこの酒の名を尋ねると、
「フレッサ!」
と、数秒悩んだ後に答えを出してくれた。

赤い色から推定したのか、沈んでる種を目にしたのかは、定かではない。

しかし、彼は確かにフレッサーいちごーと答えたワケや。

ってことは、これはもう確実にいちごの酒ってことや。

パインやリンゴなどではなく、いちごの酒・フレッサ。

何故おばちゃんがパインとリンゴと答えたのかは、わからない。


ただ正直言ってしまえば、どんな酒でも呑めば一緒。
ぜ~んぶ、尿という名の腑抜けアルコールに変わってしまうだけなんやから。

ここで呑んだ酒はすべて、母なる地球へ帰るだけ。

そう考えれば細かいこたぁ、どうでもよくなる。

そして今日。
僕は初めてグアテマラにて立ちションをした。

気持ちい~!