2月3日(金)
ついにメキシコシティーへとやって来た。
バスターミナルに着き、地下鉄に乗ってイダルゴ駅に到着。
ホテルを探し、町を歩いていると、だんだん目が痛くなってきた。
田舎暮らしが長かったので、都会の排気ガスに敏感になったのか?
それともこの町のスモッグのせいか?
とにかく目が痛い。
ホテルに着き、すぐさま目を洗う。
そして、町をプラッと散歩してみたところ、今度は目だけでなく、喉まで痛くなってきたではないか!
町はゴミだらけで汚いし、キャベツやたら高いし、コジキのおっちゃんら目が血走ってるし、地下鉄に乗ってる人らの精気は無いし…
なんとも言えん町や、ここは。
まあ、首都はどこもこんなもんか。
とりあえず疲れてたので、お好み焼きを作って食べて、すぐに寝た。
翌日。
ソチミルコって町にプルケを呑みに行った。
ノ・マス ノ・ジョレス(もう泣くな)って名前のBARを探すつもりで行ったが、歩いてたら路上でプルケが売ってたので、呑むことにした。
”プルケ・チャワカーノ(飲みやすいプルケ)”
と、
”クラード フレッサ(プルケのいちご割り)
を注文。
美味い!
やっぱプルケは美味い!
プルケを持ち帰りし、近くの公園のベンチに腰掛けた。
後ろの芝生に横たわるコジキ2人を、横目でチラチラ覗き見ながら呑むプルケは、今まで呑んだプルケの中で、ダントツにイカれた味。
風流な時間を堪能していると、隣のベンチにおったコジキの爺ちゃんがゴソゴソし始めた。
と、同時にすごい異臭が鼻をくすぐった。
臭いの元は、ヒップホッパーも顔負けなほど垂れ下がった爺ちゃんのズボンから顔を出す、ブリッふぅ~。
黄ばんだ白生地に滲むこげ茶色。
アーティスティックな色のたわむれは、素人ではなかなか出すことの出来ない代物。
もしかすると彼は、世間に背を向け真の芸術を目指す有名な画家!?
なのではないだろうか?
しかし、僕らにはまだまだ理解出来ない芸術レベルの話なので、とにかくすぐさま町を出た。
なんしかウンコ臭いんやこの町は!
メキシコシティーとメキシコシティー近辺は、とにかくスモッグとウンコの臭いがキツイ。
西淀川区工業地帯生まれでクサイキタナイには慣れてるハズの僕でも、ここでは目が赤くなり、喉が痛くなり、カレーライスを思い描きたく無くなる程だ。
2月5日(日)
空港近くの一泊6500円もする高級ホテルにて、寝転がって日記を書いている。
そして、まだ夕方やが、そろそろ寝ようと思う。
なんせ夜中3時に起きて空港やから、仮眠とっとかんとしんどい。
体調が万全やないと、機内のタダ酒が呑めんくなるからね。
後数時間もすりゃ、この国ともアディオスや!
長かったようで短かった10ヶ月。
僕は一体この国で何が出来たんやろうか?
そして、なにを学び、なにを感じることが出来たんやろうか?
はっきりゆーて、今考えたかてよ~わからん。
なんせシラフやから。
大切なことを思い出す為には、いつだってバッカスの力が必要なんや!
シラフで言える事といえば、日本のコジキとメキシコのコジキの臭いが一緒やと言うことぐらいや。
しかし、ホンマ、もうすぐ出て行くってのに、さびしさも切なさも一切こみあげてこないのは何でやろ?
うん。
それはきっとわかってる。
答えはみ~んな知っている。
そうそれは
…飽きたから。
おやすみ。