2012年5月15日火曜日

寝屋川ふき事件

駅まであとわずかというところで、公園の入り口付近にたてられた‘‘こんぽすと‘‘とデカデカと書かれた看板が目にとまった。

こんぽすとと言えば、肥料ではないか。

メキシコ時代を思い出すなぁと、ハニーと一緒にこんぽすとの作り方を読んでいると、看板奥のフェンスの向こうからジイチャンが声をかけてきた。

初め何を言ってるのかわからなかったが、よく聞くとフキがどやこや言ってるよう。

フキ?

何のこっちゃいな?

するとジイチャン。
「そんなんも知らんのかいな? テレビ見て勉強せな。昆布と炊いたらうまいんやがな」

ああ、はいはい。フキね。食べ物のフキね。

どうやらジイチャンはフキをこっちまで取りに来いと言ってるみたい。

マジで?
ラッキー!!

公園を出てグルッと一回りし、ジイチャンの畑へとまわる。

ジイチャンから鎌を2本借りてフキを刈る。
人生初のフキ狩り体験や。

「ほらほらもっと中の方の大きいフキを取りなはれ」

「もっとようさん持っていき」

ジイチャンの好意で、なかなかたくさんのフキをゲット。

いやあ、まさか見ず知らずの町でしょっぱなからこんな親切な出来事に出会えるとは。
ハートフルなデイやなぁ。
これで今夜のおかずはフキの炊いたんや。ジイチャンに感謝や。

「ありがとうございます!」

一言お礼を言い、場を去ろうとした。

するとオジイチャンこう言った。

「兄ちゃん。わし …コップ酒買いまんねん」

えっ?

「コップ酒買いまんねん」


は!!

そっか!

銭や!!

そらそや。

当たり前の話やが、世の中ってーのは交換社会や。

ビール1本買うにしても、300円ほど金がいる。

2束ほどのフキを刈らせてもろたんやから、そりゃあタダではおまへんがな。

メキシコでのもらい乞食生活があまりにも長かったせいで、なんでんかんでん貰うんが当たり前になっていたが、ここはメキシコではなく日本。
しかも、商売人の町・大阪や。

ちゃっかりしとるで~。
ってか最初にナンボかも聞かんと、勝手にタダやと思い込んでた俺があかん。

俺はなんでも顔パス、ありがとうの一言で終わらす業界人とは違う。

正真正銘、職業無職のどこにでも転がってるような欠けた歯車パンピーや。



「あっ。すいません。おいくらですかね?」

「コップ酒買いまんねん。せやから気持ちでええがな」

都会じゃあんまり聞かん気持ち値段。

う~ん、ナンボやろ?
コップ酒1杯なら、まあ200円で事足りるが、それもなんかなぁ?

よく見たらジイチャン赤ら顔やしもうすでにやらかしてるかもしれん。
酒呑みの人間に対してたった1杯分の金だけしか渡さんのも無粋や。

かといって千円も渡してしもたら俺やったらちょっとひいてまう。つーか変に怖い。


悩んだ結果、500円払うことにした。

これならコップ酒2杯に、あまった100円で肴も買える。
酒屋がやってる立ちのみに行けばカワハギ食える。

夢のバッカス料金や!!


「え? こんなにくれまんの? わし釣りおまへんで」

「いやいやお釣りはいいですよ」

「そうでっか。ほな2回分ってことで、また来てくんなはれ」


そういうことで、初の寝屋川にて賃貸契約どころか、フキ刈りの先行予約まで済ましてきたわけや。

6月頭ぐらいにでも、‘‘第2回 酔いどれフキ刈りツアー‘‘しようかな。

今度は一升瓶と肴を持って行こう。

ジイチャンの昔話を聞きに行こう。

参加者求ム! ムードンコは岡本ゴム!





NEYAGAWA

店をあきらめ、とりあえず仕事と新婚生活の場を探すことになってから早二ヶ月が過ぎたワケだが、とうとう一昨日の日曜日に仕事より先に新居が決定した。

九州か広島か、神戸かはたまたどこぞの田舎か?
さんざん悩んだあげく、東寝屋川に決定した。

西淀川区から寝屋川市。しょうみ結構離れちゃいるが、学研都市線一本で北新地まで30分ぐらいで行けるし、何より家賃が安い。
4DKで5万5千円。築は古いがリフォームしてるから内装綺麗やし、55と来たらそらもうGOGOで行くしかないですわな。
時代も変わり、寝屋川=暴ヤンみたいなんもなく、意外にも駅前は静かなムード。 周りにも緑が多く、即決してしまったワケや。

 契約を済ませ、新居が決まったところでとりあえず祝い酒。 駅前の公園のベンチに腰掛け、赤ワインを呑みながらブルーチーズ&クラッカー。忘れちゃいけないプロシュート兄さん。

ボォーノォー!

リキッシモ!

昼すぎからほろ酔い気分。 何気に振り返ると、後ろには”夫婦なんたら”とかいう大木が、まるで僕ら夫婦を祝福するかのように寄り添って生えていた。
どうやら僕ら、寝屋川市民になることをこの木から認められたみたい。
へへヘイ!

なんせ忘れもしない、4.1事件(通称・ファック・ザ・大阪21)。
生を受け、小4まで生活し、再び戻ってきてから5年。 計15年という今までの人生の半分の時間を費やした大阪市西淀川区から、まさかまさかの入籍日と同時に新婚補助打ち切りを受けるという酷い仕打ちを受けた。
飼い犬に乳首甘噛みされるとはまさにこのこと。

「こんなバカ犬になど未練などあるか」
と、大阪市を出ることを決意したわけだ。

これで他の市からも冷たくあしらわれたらどないしよかと心配していたが、そんな僕たちのコラソンのキズを舐め回すかのように、寝屋川市は温かく迎えいれてくれたのだ。

しっかし、この日は春・スプリングやというのになかなか肌寒い。たまの日曜・サンデーというのにテンヤワンヤの大騒ぎで笠置シヅコもご立腹。
母の日のプレゼントを買うため、早々に公園を退却することにし、ベンチを離れて出口へと向かった。

ちなみにオカンがハニーにいうことにゃ、
「母の日やけど、お母さんにおめでとうの電話した?」

 母の日におめでとう??  どっちかゆーたら、「いつもいつもありがとう」やろ?

おめでとうは誕生日ちゃうの?

なんて間違い探しは置いといて、この後、公園の出入り口付近で寝屋川ふき事件が発生することになるとは、このときの2人には想像もつかなかった。

2012年5月8日火曜日

景気ええね~。ハッポン。

今日、西淀川図書館をぷらぷらしてたら、急に全裸になって廊下に寝そべりたい衝動に駆られた。
俺はその衝動を‘‘西洋の肖像画‘‘なる本を手にすることでなんとか抑えたのだが、他の人たちは一体どうやってその衝動を押し殺しているのだろうか?
そんなことを考えながら、いつもの床屋で就活ヘアーにしてもらった。
なんせこの2ヶ月間、まるっきり仕事につけないでいるからだ。
その理由が髪型だと最近気づいたので、とうとう真面目になろうと決意したってワケ。

思えば帰国直後、いの一番に不動産屋に行き物件を探した。
もちろん店舗ね。

「お客さん。はっきり言って予算はどんなもんでっか?」
「そうですね。家と店コミで、50万以内で収まればうれしいんですが…」

「…無理ですね」

そりゃそやろ!
そんなこたぁハナから承知や。

しかし、日本は相変わらず景気悪い言うから、もしかしたら4~5万ぐらいで居ぬき出来るんちゃうかいなと考えたんやが、まだまだこの国は粗悪国のようで、貧乏人には冷たいもんや。

考えた結果、自営業は断念。
まずは金を貯めるため、バイトOR正社員勤務への道を選んだのだが、思ったようにうまくはいかない。


何度も何度も履歴書を作成しては不採用通知を破り捨てる。

面接にこじつけたと思ったら、
「坊主にしてくれ」
やの、
「社会人ならスーツは黒か灰色」
やの、いかにもお堅い企業のいいそうな言葉であしらわれ、遂には、
「あんたワガママやわ」
とまで。


そんなことが何度も続くとさすがに真面目なボクチンも悪ハルと化し、面接時間を高等技術で変更するワザまで身につけてしまった。

「あの~。明日の面接って11時からでしたよね?」

「はい。そうですよ」

「すいません。昨日どうやらジュウイチジとジュウシチジを聞き間違えて返事してしまったようで、英語で言うところのイレブンですよね? セブンティーンじゃないですよね?」

「はい。イレブンですよ」

「すいません。イレブンは予定入ってるんで、セブンティーンにしてもらっていいですか?」

しょうみそんなちょこざいなワザを身につけたところで受かるワケもなく。
毎日毎日近所を散歩しながらお花を眺めている。

そんなボクの今日のオヤツは、‘‘手作りオールレーズン&バニラアイス‘‘。
超ニガHOTコーヒーで、う~~んブレイク!

こんなにのんびりした時間が味わえるなんて、まだまだニッポンは景気がいいっつーこっちゃ。

ビバ! 無職!!

2012年5月7日月曜日

社会復帰!!

ホーチミン到着後はあっちゅーまに時間が過ぎてった。

路地裏で何故かバナナ味のするレモンシェイクを飲み、ダラットでル・カンに酔い、ニャチャンで海の幸を満喫し、再びホーチミンに戻った後、相変わらずうんこ臭い大阪へと帰ってきた。

2月27日の話や。

あれから2ヶ月たってめんどくさくなったので、今回の日記は略式で書いた。

もしこのブログを読んでくれている方で、ベトナム話を聞きたいという方は、いつでも連絡おくれやし~。
酒でもやりながら話ましょう。


ってことで、これからはボクチンの社会復帰日記でも書きまっさ。