2011年9月5日月曜日

またまたさよなら根無し草。

8月27日(土)
昨日は雨のせいで馬には乗れず、marren(マッレーン)と旦那・ manuel(マヌエル)の家でchaplin(バッタ)をご馳走になった後、タコスまでご馳走になり帰宅した。

そして、
「今日こそ馬に乗ろう」
ってことで再び待ち合わせ。

待ち合わせ前にサンクリのパトロンに30日(火)に行くと伝えた後、手始めに、”Espina Dorada”ってメスカル屋さんでメスカルを購入。
このメスカル屋には、昔NHKが取材に来たらしく、写真と名刺が置いてあった。

確かに、日本人からわざわざ取材に来るぐらい、ここのメスカルはウマイ!

メスカル屋近くにある、マヌエルの隠れ小屋に移動し、三人で昼から酒盛り。

上手い!

瓶の中に入ってたイモムシも、何かにゅるにゅるして上手いし。

ビールも混ざっていい気持ち。

するとマヌエルが、
「うさぎ殺して食おう!」
って言うので、猟銃持って草むらへ。

しかし、残念ながらうさぎは見当たらなかったので、ビールの空き缶を標的に射的をする。

人生初の銃体験。

案外簡単に的を打つことが出来た。

二発打って二発とも命中。

おもろいやん!

その後、ロックスタイルな兄ちゃんを1人拾いマヌエル宅へ。

大量に買い込んだビールを片手に、ヘロヘロなりながらツイスト踊る。

「馬に乗ろうぜ!」

酔った勢いで馬に乗ることに。

が、ツアー用の馬と違い、調教など全くされていない暴れ馬。

近づくたびに後脚が蹴り上がる!

当たれば最後、骨は砕けるやろう。

そんな暴れ馬に、みんなヘロヘロなりながら近づき、驚き、またがった。

どうやって乗ったかとか覚えてない。

なんせ酔いどれ。
記憶はあいまい。
あるのは勢いのみ!

そうこうしてるうちに空も暗くなり、アホどもは夜の町に繰り出した。

車に乗りこみ、あても無く彷徨いながらビールを呑む。

そして、たどり着いたのは69BAR。(BAR 69)

40年前のホコリはかぶっちゃいないが、ハミケツホットパンツ姿の姉ちゃん達がうろつく、ちょっぴりエッチな69BAR。

便所の隣にゃベッドまである。

またまたカップルで来るような場所で無い所に来ちまった。

ここで、今宵最後のビールを呑み。

早々に帰宅した。
っても、帰宅したのは夜10時。

ヌリアに言われた門限7時を祐に超え、玄関前にオーロラ出現させて床についた。

あっ。オーロラってゲロのことね。



8月28日(日)
朝一ヌリアに怒られた。

そらそうや。
無理矢理決められた門限でも、一応頷いた限り守るのが当たり前。

だから素直にごめんなさいと謝った。

するとヌリア、
「あんたらはボランティアであって観光者じゃない。
だから、外出は一日4時間まで。
もしくわ友達の家に行かずに、ここに連れておいで」
そして、
「ここが嫌いで外出するの?
なら、出ておいき」


数時間後。
僕らは身支度し、彼女に出ていくよと伝えた。

が、せめて明日まで、いや、もう数日待ってくれと言われたので、
「ほな明日!」
と、明日出て行くことになった。

まあまあ、予定通りの29日(月)出発。
30日サンクリに着く。

ホンマはもう一ヶ月ここに滞在してからグアテマラ行く予定やったが、価値観の違いと自由のなさに耐えれないので仕方ない。

彼女は言う。
「ここでは全てが自由や」
と。

が、一日4時間までって、めちゃくちゃ拘束しとるがな!

これやから女性の言う自由ってのは、信用出来ひん。

「今日何食う?」

「はるくんの好きなモンでいいよ。
自由にきめて」

「ホンマ?
ほなうどんは?」

「うどんはちょっと…」

「そっか。ならお好み焼きは?」

「う~ん。いらんかな?」

「たこ焼き…とか?」

「嫌。パスタが食べたい!」

はなから決まっとるがな!

勝手に食っとけ!

だいたいパスタみたいなもんは、女同士で食いに行けと。

あんな対してうまくもないのに、1000円2000円するようなボッタ料理に金払う意味がわからん。

自宅でしっかりアルデンテにしたパスタに、好みのソースかけて食うほうがウマイし、音たてんとこうと必死に食う様がイライラさせる。

僕は立ち食いうどん屋に一緒に行って、ズルズル麺すいながら、ちゅるんって、お汁飛ばす姿が見たいんや。
かわいいから。

小指立てながらフォークをクルクル回すのんは見たくない。
みにくいから。

まあ、話はそれたが結局自由がないので出て行きます。
ってこと。

マヌエルとマッレーンに別れを告げ、トラコルーラって町で色々おごってもらい。

「この町にまた戻っておいでよ。
次はこの家に住みなよ。
トマト栽培法も教えるし、部屋もあるし、ここならお湯も出るし。
遺跡や町の案内もするよ」
とまで言ってもらう。

確かに金持ちみたいで、家も広いし綺麗や。
遊びの制限もないし、女性連れのヒッチは危ないからやめときなとも言ってくれる。

酒は呑んでも、マリファナやドラッグはいけないよ。

そういやヌリアは、若いうちはドラッグとロックはやるもんさ
と、言っていた。

まあロックはやりゃあいいが、ドラッグはあかんやろ!

メキシコで生まれてアメリカに出稼ぎに行き、金持ちになったメキシコ人。
欧州から金を持って流れ着いた、よそモンの金持ちヒッピー。
先進国で生まれたのに、相変わらず貰いコジキなハポンのカップル。

なかなかいい感じのコラボレーションかなと思っちゃいたが、上手くは混ざらなかった。

何故なら、メキシコに住んどいてメキシコ人を馬鹿にするエスパーニャ。
流れ着いたヒッピーを、ただのハッパ狂いとののしるメキシカン。
そして、酒と自由が好きなだけで、愛や平和、地球や自然を語るんが鬱陶しいことこの上なく感じるハポネス。

その3組が混ざり合うには、裸足で歩く=ヒッピー。
と思ってる、厚かましく小汚いアメリカンが必要不可欠だからや。

しかし、この町にこれからやって来るのは、マギー・チュンなるマジシャンチックなChinaメンと、果物だけで命をつなぐ、間違ったジョン・レノン一家、総勢14人。

うん。
トラブルのよ・か・ん。
なんだかイケナイことが起きそうなよ・か・ん。


翌日。
8月29日(月)
やたらとやさしくなったヌリアから、メシ代にと手渡された100ペソ紙幣を握りしめ、グエンヅラインを後にした。


とどまることを知らない、水よりも酒をかけてもらう方が大好きな、日本の根無し草。

合言葉は、
Hacia donde van las nubes
アシア ドンデバン ラス ヌベス
〜雲の流れる方へ〜
や。

初稼ぎ de オアハカ

8月24日(水)
朝起きると、
「ハル! 大変! 問題が起きた!」
と、ヌリアが慌ててかけよってきた。

どうやらナジェリが発作を起こしたらしい。

ナジェリの元に駆け寄ると、過呼吸気味にハアハア言っているでないか。

これはどうしたことやろか??

聞くと彼女はasmaーアスマー
ぜん息持ちらしい。

「マッサージでなんとか治せんか?」
とヌリアは言うが、どっちか言うたら薬の方が必要やろ?
と、僕は思った。

だが、ゆうきちゃんが器官のマッサージを知ってたので、1時間ほど2人で背中をさすったり、指圧したり、頭が痛いと言われれば頭のツボを押したり、過呼吸ならばと袋あてがった結果、余計に苦しめたり…

そんなことしてるうちに、彼女はだいぶ落ち着いた。

「もう大丈夫。ありがとう!」

僕らはとりあえず仕事に戻ることに。

肥料場に向かう途中、けいこさんに出くわしたので、事の始終を話すと、
「私、喘息の薬とスプレー持ってるよ」
というので、今度はけいこさんと三人でナジェリの元に。

あの喉にシュッと吹きかけるスプレーと、薬を渡そうとした。

そしたら、
「いらん!」
の一言。

何故?

何故なら彼女にはかかりつけ医がいるという。
それも自然療法士。

だから、彼以外の医者や、化学薬品には頼りたくないのだとか。

自然治療。
確かに、自然に治癒することは素晴らしいことだとは思う。

しかし、朝もはよから人様に迷惑かけるぐらいならば、なんかしらの薬持っといてもいんじゃないの?
と僕は思う。

だって、今日この場にヌリアしかいなくて、薬も無くて、病院にも行きたくないっつって、もしも取り返しのつかんことにでもなってたなら、
「あんた一体どうするつもりなんや?」
って話や。

まあ、それでも自然療法にこだわるってんなら、勝手にすればいいし、その意気込みは認めるよ。

自称・ベジタリアンやと言いながら、野菜がなくなったら肉食べる奴よりもスジは通ってるから。

ただ、あなた。
3時間後に受け取りましたよね?

確かに受け取りましたよね?

喘息の錠剤。

1錠だけ欲しいと言いながら、ちゃっかり1シート奪い取りましたよね?

Por que?? ーポルケー
(なぜ?)

Quien sabe! ーキエン サーベー
(さあね)



8月25日(木)

前日に飲んだ錠剤が効いたのか、元気モリモリでナジェリは帰った。

マッサージのお礼にと、ゆうちゃんに50ペソ手渡して。

オアハカに来て初めての稼ぎ!!

イェイ!
ビールでも呑も!


仕事が終わり、歯医者に向かうことになった。

僕の歯の治療ではなく、まことさんの抜けた銀歯をはめ込む為に。

昨晩抜けたらしい。

ナジェリの発作といい、まことさんの抜歯といい、ここにはなんかあんのかな??

僕は僕で、歯茎が化膿してるみたいで、赤く腫れた上からなんか白くなってるし。


歯医者での治療が済み(ちゃんとした歯医者で100ペソ・保険証いらず)、”Súper mercado El tejate”
にビールを呑みに行った。

すると、店の姉さんMarren(マッレーン)が、
「馬乗りにおいでよ。明日」
っと誘ってきたので、明日馬に乗ることになった。



8月26日(金)
Netしに行ったら、前働いてたサンクリ農場のパトロンから返信があった。

「8月28日に旅行から帰ってくるから、その時なら多分会えるよ」。

7月に送ったメールにやっとこさ返信が。

まあ、九月末に出国し、10月に戻ってきてから働けそうなら行けばいいか?
と、返信せずに帰宅した。


昼食時、ヌリアがひたすらに、
「グアテマラ出国する際にはヒッチハイクで行け!
2人はやり方知らんやろう。
だから、まこととけいこに聞け!」
と、ヒッチハイクを進めてきた。

もうこれで3度目や。

確かにヒッチで行けば交通費はタダ。
めちゃくちゃ嬉しい。

ヌリアもお兄さんのロベルトとずっとヒッチ旅して来たし、まことさん達も3年半、ヒッチとバスを乗り継いで、ここまでやって来た。

2組とも一切危険な目に会わずにやってこれた。

が、僕には女連れでヒッチするのは無理や。
もし僕が、マッチょでケンカが強かったとしても、絶対にしない。

金取られたり、殴られたりするぐらいなら、
「しゃあないか」
で済むが、自分の大切な人の身に万が一のことがあったとき、「しゃあないか」
では済まへん。
一生取り返しがつかへんし、死ぬまで哀しい思いをしなくちゃならない。

だから、僕からしたら女連れでヒッチをするのは、ただの無責任のアホがする行為やと思う。

ちっともカッコよくない。
ので、ヌリアに言った。

「僕は日本でならヒッチしたことあるから、やり方がわからんことはない。
だから、男同士でならするよ。
でも、女の子連れてはしない。
何かあったら哀しいから」。

すると、
「大丈夫やって、わたしとロベルトも、まことらも大丈夫やってんから。
そんなバスみたいなシステムに頼って金払うのは馬鹿のすることで、とてもくだらない行為や」
と、彼女は言った。


僕は思った。
ここを出て行こうと。

彼女は確かにいい人やろう。
少し怒りっぽいが、それは年のせいもあるやろし、言葉がなかなか通じずにイライラするんかもしれない。

この大きい土地に1人で住んで寂しいやろし、何かしら手助け出来ればとも思う。

でも、価値観が合わない。
それだけは、もうどうしょうもない。

金払ってへんだけで、結局車というもんに頼ってるくせして、それを馬鹿にするんはよくない。
間違ってるやろう。

拾ってくれた人が一生懸命働いた金で買った車に、ガソリン代も高速代も払わず、同乗させてもらう。
下手したらたまにメシや酒をご馳走になったり、家に泊めてもらうことまであるヒッチ。

感謝することはたくさんあっても、馬鹿にすることは一切ない。

10年もヒッチで旅しといて、そんなこともわからんなんて、全く意味のない旅しかしてきてへんがなと。

結局ハッパが吸いたいだけのヒッピー野郎なんかと。

だから出ることにした。

井戸水のせいか歯も痛いし。