2012年6月5日火曜日

老人と孤独

6月4日(月)。


朝から面接に行ってきた。片道40分かかったわりに、面接の方は「水曜日までに連絡します」ということであっさり終わってしまったので、寝屋川の町を探索してみたが、なかなか働けそうなところはなかった。

 帰ってクサレインターネットで求人検索したほうがまだましかと、バス停まで戻ってみたがなかなかバスはやってこない。仕方が無いので座る。すると1人の老人が隣の席に腰掛け、声をかけてきた。
 「その頭は何刈りっていいますの?」
 ボクは正直わからないので、かるく笑ってごまかした。そして、そのままそのおじいさんと話し込むことになった。
 「今の若い者はオシャレが出来ていいなぁ。でも、マッキンキンに染めたり剃ったりしたらあかんよ。そうなったらワシみたいなもんはよう話かけんわ。なんせ若いもんはすぐ手をあげるからな」
 おじいさんは何故今の若いもんはすぐ手をあげるのかをボクに尋ねてきた。ボクはコミュニケーション能力が低いからではないかと答えた。


 「そうかもしれんな。ところで学生さんかえ?」


 「いや。もう社会人です。就職活動中ですよ」

 「そうかいな。今はなかなか厳しいやろ?」


 「ですね~」


 「まあな。せやけどがんばって見つけないとな。兄ちゃんも女の2人や3人おるんやろ?」


 「いやいや、もう結婚してるんで。もうすぐ子供も産まれますし」


 「ほんまかいな。ほななおさらがんばらんと」

 「ですね~」


 「せやけどあれやで。子供に変な名前はつけたらあかんで。最近の子供は変な名前多いからなぁ。普通がええで普通が」



とりあえず静かにうなずき、ベイベーに一休って名前をつけることを黙っておいた。うん。無難や。



「女のコで最近マリちゃんとかリンリンちゃんとかいう名前つけてる人おるけど、それあんたキャバレーやがな。なあ?」

「ねえ」


いや、リンリンはおらんやろうと思いながら話をあわせておいた。



どうやらおじいさんは離婚して1人暮らしらしく、家に帰ってもさびしいらしい。最近お孫さんが生まれたらしいがあわせてもらえないみたいや。

「離婚はするもんやないわ。ほんまさびしいで。逃げられへんようにがんばりや」


そういうとおじいさんは杖をついてどこかしこへと消えてった。



 その後バスに揺られながらずっと考えていた。1人きりってさびしいよなぁと。言ってみたら僕が今ここに存在するってことは両親がいるからなワケや。
 そしてその両親にも各々両親がいる。ずっとたどっていくと逆ピラミッド式になるわけや。その構図を頭の中で思い浮かべていると、(なんかぶどうみたいやなぁ)という考えにいたった。きっとボクラはぶどうの房にぶらさがる果実みたいなもんなんやなという結論にいたった。
 するとぶどうの葉っぱってのは、アダムとイブの陰部を隠す衣服のようなものか。なんかぶどうっていやらしい果物やなぁ。

 しかしこの寝屋川って町はほのぼのしてるなぁ。仕事せんでも食っていけるような気になってくるから怖いわ。でもせなあかんよ。1人きりでさびしいていうてるおじさんがいる限り、若者はあくせく働かないとあかん。年金とか払う気は一切ないし、くだらんマスコミに左右される気はさらさらないが、働かなあかんね。自分のためにね。
 そしてテレビは捨てた方がいいね。僕は最低でもあと5年は買わへんつもりや。どうせAKBとか海砂利水魚ぐらいしか出てこえへんねやからおもろないし、ニュースはウソしか言わんし、目が悪くなるだけや。
なんしかハニーと会話を楽しむのがイチバンぜよ! ボクは1人やないからね~~!