2012年2月24日金曜日

常識道をほろほろと…

とうとう31歳になっちまった。
なので、お下品旅日記を一時中断して、たまには真面目な心境日記を書こうと思う。


31歳。
三十路という言葉では言い表せなくなった、変に照れ臭い歳。

この歳になって気づいたことがいくつかある。


まず初めに、僕は坂本龍馬ではないということだ。

物心ついた頃から背中に一本真っ白な毛が生えてるので、
「僕はもしかしたら坂本龍馬なんちゃうかな?」
と思っていたのだが、坂本龍馬が土佐の人間だったと知り、関西弁を話す僕は坂本龍馬じゃないってことに気づいたきに!


次に、昔オトンから聞かされていた、
「鼻くそは脳みそのカスやから、勉強すればするほど鼻くそは沢山出てくるんやど」
っていう鼻くそ=脳みそのカス説が、どうやら世間一般のソレとは違うんだということに気づいた。

しかし、鼻くその正体が何なのかは、いまだ解明されていない。


そして最後に、これがもっとも重要なことなのだが、31歳になってサーティワンアイスクリームに行っても、何の特典もついてこないらしい。

これはもう甘党にとっては由々しき事態だが、塩辛党の僕にとってはそんなことどうだってよく、ただただベトナム人女性が彼氏の前で堂々と、鼻に指突っ込んでイジイジしているときの神経を疑ってしまっているだけの話。

アオザイ姿のベトナム人女性のセクシーさと、鼻をイジイジするベトナム人女性のダーティーさとのギャップにドキッとするだけの話だ。


いや、しかし、ホンマに今まで真面目にかたく生きてきた。

親から敷かれたレールの上を、疑うことなく進んで来た。


なぜならオトンは言った。

「体洗ったらカラダがしょっぱくなくなるから、あんまり風呂に入んな」
と。


そしてオカンは言った。

「あんたの好きにしたらええ」
と。


だから僕は、風呂にどっぷり浸かるのではなく、烏の行水を選んだ。

僕という人間は、ホントはそれぐらい真面目なのだ。


だから、ずっと真面目に、自由という名のレールの上を言われるがままに走ってきたのだ。


しかし、地球が巨大なフンコロガシに回されてるだけの巨大な糞の塊ではなく、自転を行い続ける希望の固まりだと知った以上は、僕も自分自身で回り始めないとイケナイ。


だから、これからは違う道を選ぼうと思う。

これからは自由レールを脱線し、常識っつー名のガタゴト道をほろほろとろとろ歩いてゆこうと。


なんせ僕も、もうサーティワンだから。

一般的にいえば、バカなことばっか言ってられない歳らしいきに~。


ってことで、あと5年ぐらいはテキトーに暮らせるやろう。

2012年2月18日土曜日

白人共の溜まり場にて黄色人種はウォッカにて沈没!

タイ初めての朝は、美しい鳥のさえずりや、愛しい恋人のささやきではなく、おっさんのえづく音で目覚めた。

朝もはよからオエオエと、何度も何度もえづく音。

きっと洗面所で歯ブラシ片手に舌をみがいてるんやろう。

あれはなかなか癖になる。

えづくと分かっていてもやめられない舌みがき。

朝からおっさんのハーモニーが聴けるなんて、なかなか爽やかな目覚めや。


部屋を出て宿を探索する。
が、ガイドブック的な物は一切見当たらない。
その代わりにヘタクソな地図が一枚貼ってあった。

携帯で写真を撮り、3日前に買っていたカスカスのパンをつまんだ後、宿を出ることにした。


リビングにいた日本人2人に一言挨拶を告げる。

一切会話はしてないが、一応日本人のよしみ。
あいさつは礼儀ってなもんや。

「じゃあ、行きます。さよなら」

「えっ! もう行くの? 今朝来たんじゃないの?」

「いや、昨日夜遅くにきたんですよ」

「そうなんだ。どこ行くの?」

「えっと…チャオプラヤー川に」

「チャオプラヤー川って、またおおざっぱだね。
すぐそこにもチャオプラヤー走ってるよ。王宮の方?」

「いや、よく分からないんです。
ガイドブック無いし。ただ友達に聞いたら川行ったら?ってなったんで」

「よし。ちょっと待ってて!」


そのオジサンは一緒にいてた若い兄ちゃんと、王宮行きのバスの乗車法について、話し始めた。

するとそこに、また新たなハポネスが現れた。
そして、ことの成り行きを聞いたハポネスはこう言った。

「だったら僕いまからチャイナタウン行くから、途中まで一緒について行ってあげるよ」


ラッキー!

しょうみ助かった。
なんせわからんことだらけやし。

きっと2人だけやったら、上手くはいってなかったやろう。


宿から、アラブ系のモデル達が住みついているという貧民街を抜けバスターミナルへ。

チャイナタウン行きがちょうど発とうとしてたので、急ぎ足で飛び乗った。

バスに揺られる20〜30分ほどの間、彼の話す会話の8割は風俗に関することだった。

少年のように目を輝かせ話す彼を見ると、よっぽど風俗が好きだと見える。

僕が昔、風俗出版社に勤めていたことは一切口には出さなかった。
きっと口に出すと大変なことになると思ったから…

だから終始うなずいてばかりいたのである。

バスを降りてからも、延々風俗の話を続ける彼とお別れを告げ、軽く飯食ってから53番バスに乗ってカオサンへと向かった。

バス代は1人6.5バーツ(約16円)
安い!

そんな安い値段にもかかわらず、バスの料金回収のおばちゃんは、
「ここがカオサンよ」
と、親切にも教えてれたおかげで、無事カオサンに到着した。


宿探しもしなきゃいけないが、とりあえず暑いのでビールを購入。
公園のベンチに腰掛け呑もうとしたが、警察っぽいのに怒られたので、道路マップの立て看板の後ろに隠れながらこそこそ流しこんだ。


ビールが無けりゃこっちのもん。
生ぬるい風を切りながら、堂々と道をあるく。

すると左手に橋を発見!
橋の中央にはゲートがあり、タイ語で何やら書かれている。

$°○×=々^〜

はは~ん。
きっと、
カオサンロードへようこそ!
って書いているに違いない!


橋を渡ると、民家に入り混じり数軒の安宿が建っていた。
しかし、観光地のわりにはかなりさびれている。

それでも、日常生活を送るタイ人に混ざり、白人たちがポツポツ歩いていた。

割合でいえば、フィフティーフィフティーや。

不思議と日本人らしき影は一切見当たらない。

まあ、そんなことはさて置き宿探し。
まず最初に目についたのが韓国人宿。
宿の外で韓国の人がタバコプカプカしていた。

ヤンキーぽい若い奴らの溜まり場と化していたのでパス。

も一つ奥のタイ人のおばちゃんが経営する宿に行く。

シャワー&トイレ共同で、一部屋250バーツ(625円)。

安い!
が、少々高くてもシャワー&トイレは付いてる方がいい。
なぜなら下痢のとき助かるからだ。

しかし、ここにはシャワー付きはないという。

すると、
「シャワー付きの宿紹介したるよ」
と、おばちゃんに連れられ別の宿へ。


たどり着いたのは、安宿「WHITE」。

シャワー&トイレ付きで250バーツ。
部屋も割りかし綺麗やしここに決めた。


しかし、気になるのがこのホワイトという名前。

別に白人が経営しているワケではない。
白人が経営していたならば、せめて名前はホワイトハウスやろう。

オーナー不在時には、隣近所のおばちゃんが勝手に部屋に案内してくれ、ルームキーまで渡してくれるという、ばっちりタイ形式な宿。

やのに、この白人たちが上客になっているゾーンで、宿の名前が白て!
白人泊りにくんの?

あきらかに白人共に喧嘩売ってるとしか思えない。

黒人に向かって、
「おいクロ!」
って言ってるようなもんやろう。

マイクタイソンにやられちまうよ。

と、黄色アジアンボーイは思うのだが、不思議と僕らが泊まった部屋が最後の一部屋だったらしく、宿は満室に。

「僕ら以外の宿泊客は一体何人や?」
という疑問はよそに、とりあえず暑いのでビールを呑むことにした。


とにかくバンコクは暑い!
この暑さから来る脱力感は何とも言えない。

宿を出てすぐの飯屋でビールと飯食って、歩いて五分の近所の公園に腰掛ける。
チャオプラヤー川の泥臭い水で歯を磨くおばちゃんや、支流で魚を捕まえるおじちゃん。

この汚い川の魚を食べてたんや!
と、思うと吐かずにはいられないが、吐くのさえしんどく思える脱力感。

現地人ですら地べたで寝ているというのに、よそもんが何をうろちょろうろちょろ出来るだろうか?
ごうにしいては何とやら。
携帯を持ち上げることすら面倒で、地に置いた携帯電話に耳を当て、寝ながら会話するおばちゃんを見習い、僕らは怠惰に食っちゃ寝呑んで、食っちゃ寝呑んでを繰り返した。


気がつけば夜22時。
腹も減ったし町に繰り出したが、どこもかしこも閉まっている。
観光地とは思えないさびれかただ。

ようやく見つけた麺屋でズルズル麺をすする。

帰りにコンビニに寄ったが、夜はビールの販売は出来ないってことで残念顔で帰る。

帰宿し、昼間その辺の店で買ってあったタイウォッカをあおるが、あまりの不味さと蒸し暑さにやられて一瞬で沈んだ。

よくよく考えたらウォッカなんて酒、暑い国で呑む酒やないんや。



深夜4時すぎ、人の話し声で目が覚めた。
よく聞けば英語や。

ああ、やはりこの宿には僕ら以外には白人しか泊まっていないのだ。


Whiteという名のブラックユーモアでオルガズムに達した白人共は、こんなさびれた観光地の一体どこで夜を明かしていたのだろうか?

どうでもいいから静かにしてくれ。

頭が破裂しそうや。


怠惰に暮らす黄色人種は、白人共の溜まり場にてウォッカにて沈没。

そしてもうすぐ太陽が昇る。

迎え酒はもちろんビール。
腹下し覚悟で氷を入れよう。

2012年2月12日日曜日

飛んでスワンナプーム!

2月6日(月)
結局あまり寝れないまま、早朝4時にホテルを出発した。

空港に着き荷物を預けた後、空港内のコンビニで別れ酒用のビールを購入。

審査済ませてからメキシコに気持ちよくお別れを告げ、のんびり乾杯!
…しようとしたが、液体類の持ち込みは禁止なので、審査前にいそいそと乾杯するハメに。


そういや前にも一度こんなことがあった。

あれは確か5年ほど前。
アミーゴ・ヤスハルと共に、初めてのベトナム旅行に出かけた時のことだった。
出発が元旦の朝だったので、数の子を持参。
JR大阪駅から数の子を頬張り、ビール片手に関空へと到着。

が、入国時。
僕らの持っているブラックニッカが気に入らないと、審査官が駄々をこねた。

駄々こねられたらしょうがない。
ので、審査場前で宴会することとなった。

ようするに、審査時のお酒類の持ち込みは固く禁止されているわけだ。

これはなかなか覚えにくいことだが、覚えておいた方がよさそうだ。


ビールを呑み干し、審査を済ませ、ロサンゼルスまで5時間かけてやって来た。

乗り継ぎまでの時間はたった2時間。
なのに、ここで再び荷物を受け取り、再度預けなければならない。

なぜならここはアメリカだから。


この国では、ただ通過するだけの旅行者に対しても、厳しい審査が待っている。

ESTA申請だけでもたいがいめんどくさいのに、荷物受け取り、厳重なチェックまでやらなあかんとは、なかなかややこしい国や。


案の定時間はギリギリ。
付け加え、タイ出国のチケットも買ってなかった為に、大急ぎで払い戻し可能のチケットを購入。

おかげでゲートに着いたのは時間5分ほど前だった。


息つく暇もなく乗り込んで、ロスから香港まで寝れないまま、ただ酒だけをひたすら浴び、15時間後、香港到着。

引き継ぎ、香港から3時間かけてタイに到着した。


搭乗時間、計23時間。

長かった。
とにかく長すぎた。

疲れたぁ~。
休みたい。
が、落ち落ち休んでなどいられない。

時はすでに22時。
30分後にはある人物と出会うことになっている。

なので、急いで荷物を受け取り入国審査をさっと済ませたいところだったが、審査カードにホテル名を記入していなかったので止められる。

「あっ! わすれてた」

しかし、ガイドブックなど一切ないのでホテル名が分からない。

悩んでいると審査官のおばちゃんが、
「フレンドホテルって書きな」
と、助け船。

フレンドホテル?
なんじゃそりゃ?

タイ人のネーミングセンスの無さに驚きながら記入して再度差し出す。

するとおばちゃん、
「フレンドホテル?
なんじゃそりゃ?
そんなホテルないがな!」
と、笑いながら言う。

いやいやあんたがゆーたんやがな!
と、ツッコミたいとこやが、そんな高等なタイ語も分からず笑ってごまかすと笑顔で、
「オッケー!」
と、通してくれた。


あとあとハニーに聞いたら、フレンドホテルやなくてグランドホテルやったそうや。

うっかり、僕の聞き間違い。

ヒアリングには自信あるつもりやってんけど、なかなか難しいわ。
英語っちゅーんわ。


そんなこんなで待ち合わせの22時30分を少し過ぎたが、急いで空港の一階へと進む。

待ち合わせが、
”空港の一階”
と言うから、ちんまい空港なんかなとおもたら、なかなか大きいやないかいスワンナプーム空港。

こら会うのに時間かかるんちゃうかぁ?
とウロウロしてたら、遠くから手を降る1人の東洋人サラリーマンの姿が!


ん?
(あんな立派な社会人が、僕らに一体何用?)
と、よく見るとその人物は、なんとまあ懐かしい、知った顔形をしているではないか!


「あれ? ヤスハル?」

わあっ!

そう、僕らが日本を通り越しタイまでやって来たのは、”タイに行きタイ”のキャッチコピーにひかれたわけではなく、何を隠そう彼に会う為。
そして、彼と酒を呑む為。


彼に会うのは一年以上ぶり。
もちろん感動の再会。

第一声はきっと、
「いぇ~い!」
だろうなと思っていたが、彼の口から出てきた一言は、
「やっぱりな。やっぱ二階におるおもたわ」
だった。


ん?
二階におるおもたわ?
ニカイニオルオモタワ?
何それタイ語?

いやいや違う。
どうやら僕らは間違えて、待ち合わせしてる一階ではなく、二階で待ってたようや。

そういえば、一階ぽい雰囲気やし一階やと思いこんでただけで、ちゃんと調べたわけやない。

自分の動物的カンを信用していたが、どうやらあんまりアテにはならんようや。
しかし、逆にヤスハルの動物的カンは冴え渡っていた。

「どうせハルのことやから、間違って二階におるおもたわ」

「タイ来たはいいけど、泊まるとこ決めてないどころか、ガイドブックも何も持って来てないんやろ?」

…全て当たっている。


そんな僕の行動の全てを見越し、ヤスは二階に迎えに来てくれたどころか、空港からタクシーで宿まで案内してくれるという。

しかも、タイ語どころか英語も分からない僕らの為に、日本人専用の宿を探し出し予約してくれていたのだ。

ここなら日本語も通じるし、きっと情報交換も出来るだろうと。


ああ、やさしい。
なんてやさしいんやろう。

ああ、僕は彼に愛されてるんだ。
やさしく見守られてるんだ。

もし僕が女性だったならば、キスの1つもしたいとこなのだが、残念ながら男やしそういう趣味もないので、その気持ちは胸に秘めたまま、右も左も分からないままに、「民宿日出」へ到着した。


民宿日出は日本人専門の宿らしいが、スタッフは日本人ではなかった。
日本語は話すが日本人ではなかった。

そういや、メキシコのサンフェルナンド館という宿も、日本人専門の宿だったが、経営者はバリバリのメヒカーナ。
これまた、日本語は話すが日本人ではなかった。


う~ん。
どないやっちゅーねん 笑


とりあえず荷物を置き、宿近くの飯屋で再会の乾杯!

まさかタイでヤスハルと呑むことになるとは、思ってもみんかった。

とにかく楽しい。
楽しい酒が1番や!

店先にゴキブリがうじゃうじゃいたが気にしない。

メヒコから日本通り越してここまで来たかいがあった。

めちゃうまいタイの食べ物と、ビールの氷割をやっつけながら、たわいもない話で盛り上がる。


こうして、ハッピーミッドナイトドリンクは、あっとゆーまに過ぎてった。

2012年2月6日月曜日

飽きたから…

2月3日(金)
ついにメキシコシティーへとやって来た。

バスターミナルに着き、地下鉄に乗ってイダルゴ駅に到着。

ホテルを探し、町を歩いていると、だんだん目が痛くなってきた。

田舎暮らしが長かったので、都会の排気ガスに敏感になったのか?
それともこの町のスモッグのせいか?

とにかく目が痛い。


ホテルに着き、すぐさま目を洗う。

そして、町をプラッと散歩してみたところ、今度は目だけでなく、喉まで痛くなってきたではないか!

町はゴミだらけで汚いし、キャベツやたら高いし、コジキのおっちゃんら目が血走ってるし、地下鉄に乗ってる人らの精気は無いし…

なんとも言えん町や、ここは。
まあ、首都はどこもこんなもんか。

とりあえず疲れてたので、お好み焼きを作って食べて、すぐに寝た。



翌日。
ソチミルコって町にプルケを呑みに行った。

ノ・マス ノ・ジョレス(もう泣くな)って名前のBARを探すつもりで行ったが、歩いてたら路上でプルケが売ってたので、呑むことにした。


”プルケ・チャワカーノ(飲みやすいプルケ)”
と、
”クラード フレッサ(プルケのいちご割り)
を注文。


美味い!

やっぱプルケは美味い!

プルケを持ち帰りし、近くの公園のベンチに腰掛けた。


後ろの芝生に横たわるコジキ2人を、横目でチラチラ覗き見ながら呑むプルケは、今まで呑んだプルケの中で、ダントツにイカれた味。

風流な時間を堪能していると、隣のベンチにおったコジキの爺ちゃんがゴソゴソし始めた。
と、同時にすごい異臭が鼻をくすぐった。

臭いの元は、ヒップホッパーも顔負けなほど垂れ下がった爺ちゃんのズボンから顔を出す、ブリッふぅ~。

黄ばんだ白生地に滲むこげ茶色。
アーティスティックな色のたわむれは、素人ではなかなか出すことの出来ない代物。

もしかすると彼は、世間に背を向け真の芸術を目指す有名な画家!?
なのではないだろうか?

しかし、僕らにはまだまだ理解出来ない芸術レベルの話なので、とにかくすぐさま町を出た。

なんしかウンコ臭いんやこの町は!

メキシコシティーとメキシコシティー近辺は、とにかくスモッグとウンコの臭いがキツイ。

西淀川区工業地帯生まれでクサイキタナイには慣れてるハズの僕でも、ここでは目が赤くなり、喉が痛くなり、カレーライスを思い描きたく無くなる程だ。


2月5日(日)
空港近くの一泊6500円もする高級ホテルにて、寝転がって日記を書いている。
そして、まだ夕方やが、そろそろ寝ようと思う。
なんせ夜中3時に起きて空港やから、仮眠とっとかんとしんどい。
体調が万全やないと、機内のタダ酒が呑めんくなるからね。


後数時間もすりゃ、この国ともアディオスや!

長かったようで短かった10ヶ月。

僕は一体この国で何が出来たんやろうか?
そして、なにを学び、なにを感じることが出来たんやろうか?


はっきりゆーて、今考えたかてよ~わからん。

なんせシラフやから。
大切なことを思い出す為には、いつだってバッカスの力が必要なんや!


シラフで言える事といえば、日本のコジキとメキシコのコジキの臭いが一緒やと言うことぐらいや。


しかし、ホンマ、もうすぐ出て行くってのに、さびしさも切なさも一切こみあげてこないのは何でやろ?

うん。
それはきっとわかってる。

答えはみ~んな知っている。

そうそれは








…飽きたから。

おやすみ。

2012年2月3日金曜日

抜けないぜ! 抜けれないぜ!

31日(火)
レチュギージャスを去った後、ベラクルスで一泊した。

Wi-Fiを使い調べたところ、タイ行きチケットはメキシコシティからが安いことが判明。

そして、1番早く安く済むのが2月6日(月)出発だったので、この国に後5泊ぐらいすることになった。


なかなか計画通りにはいかんもんや。


翌1日(水)
メキシコシティーへ行くため、ベラクルスのバス停へと向かう。

ベラクルスからメキシコシティーまでは、1人約300ペソ。
2人で約600。

手持ちは400ペソ。
どう考えても200ばかし足らない。

思い切ってポケットを叩いてみた。

すると紙幣の数が二倍になっていた!
かに見えたが、よくよく考えりゃ折りたたみ式の財布やった。

仕方がないので、受付の姉さんに、
「カード使える?」
と尋ねてみたが、よくわからない言葉で返されたので、銀行に行くことにした。


銀行に着き、米ドルを見せる。
すると、
「銀行のキャッシュカード持ってます?
キャッシュカードが無いと両替出来ないんですよ」
と、ワケのわからないことを言われた。


メキシコの銀行のキャッシュカードなどあるワケがない。

住所不定の外国人旅行者が、旅行先の地元銀行のキャッシュカードを作れるなんて話、聞いたこともないし。


なんともけしからん奴や!



2月やというのに相変わらず暑いし、新たに銀行を探すのも疲れるので、無い知恵を絞り出した結果、180ペソ(2人分)を払い、メキシコシティー方面へ少しだけ進む道を選んだ。


辿り着いたのはXalapaーハラパー。

山の手にあるため、レチュギージャスやベラクルスシティーと違って寒い。

しかし、ここも同じベラクルス州。


いいかげんベラクルス州を抜けたいのに、いまだ抜けれない。
なんとも歯がゆい気分や。

膣痙攣した時も、こんな歯がゆい気分を味わうんやろうか?

「抜けへん! 抜けへんって!
ちょ~   …マジで?」
っと歯痒さを咬み殺すのだろうか??


そう、ここは、ホテル・アクロポリス。
メキシコにありながら、アテネの城砦だと語る、ホテル・アクロポリス。

そんな事態が起きてもなんら不思議はない。
まるで中津のラブホ、”ロンシャン”みたいな匂いが漂う怪しいホテル。

無意味に置かれた電話機が、妙にいやらしさを醸し出す。

抜けないお前と抜けれない俺。

ほんのひと時の我慢大会を、心ゆくまで楽しもうではないか。
1月31日(火)
ついにこの町を出た。

とうとう愛すべきレチュギージャスに、お別れを告げた。

ボスと別れを告げたとき、少し泣きそうになった。

グロリア母さんに別れを告げたとき、母さんは少し涙ぐんでいた。

子供たちに別れを告げたとき、テキトーにあしらわれた。
「どうせすぐに戻ってくるんやろ?」
と、思われてるんやろう。

しかし、この町に再び戻るのは、5年以上先の話になるやろう。
なぜなら金を稼ぐ必要があるからや。

なんせ、この10ヶ月間でかなりの大金を使ってしまった。

2人合わせて32万も使ってしまったのだ。

当初の予定では、一年で15万の予定やった。

それが32万じゃ、予定の二倍以上の額。

「こらもうさすがに帰国して働かなあかんやろう」
ってことで、帰国することにした。

しかし、少しは遊んで帰りたい。

かといってあまり贅沢も出来ない。

どないしよう?

と、考えていた時。ふとある言葉が頭に浮かんできた。


”タイに行きタイ”


なんてくだらないキャッチコピーなんだろう?

”奈良を習おう”
に匹敵するほどくだらないキャッチコピーだ。

そして、2つとも妙に心の肉棒をこしょばしやがる。

だんだんイキリ勃ってきた。

はよせな発射しちまう!

しかし、同じ発射するなら昔の女よりは、新しい女を抱いて発射したい!

こらもうタイやな。
メヒコを捨ててタイに行くしかないな。

ってことで、タイ以外にもアジアを周遊するつもりで、タイ行きのチケットを購入した。


こっから先は観光や。

なんせこの10ヶ月間、ずっとクソにまみれてきた。

ここいらで、少しばかりご褒美を与えてもらわんことにゃ、人間心がすさんでいくばかり。

このままやとアミーゴ・がっくんが送ってくれたお宝本、「すれっからし」のヒロイン・杉田かおる氏みたいになっちまうではないか。

それで良いのか? 悪いのか?


~何が君の幸せ?
    何をして喜ぶ?
    わからないまま終わる。
    そ~んなのはい~やだ~


そんなもんアンパンマン見てりゃ分かるやろ?

何年たってもアンパンマンのオープニング曲が変わらない意味。
それは日本の輝ける未来!

すれっからしたくなけりゃ、お日さん西西で魚ごっこ!

がっくんは中々いいメッセージを送ってくれたもんや。

すれっからしにボ・ガンボス。

幸せの7つのうんこも見つけたことやし、同封されてた黒の革ジャケ羽織って、クソ暑いアジア諸国を優雅に歩こうと思ふ。


白鳥とはそういうもんだ。


アディオス!
レチュギージャス!

2012年2月1日水曜日

ガス ー上から出すか? 下から出すか?ー

1月も半ば。
だが、相変わらず暑い。

しかし、Aire Norteーアイレノルテー(北風)の影響で、週に数日間は寒くなる。

アイレノルテが吹く日には、さすがに、日々半袖やタンクトップスタイルのメヒカーノたちも上着を羽織る。
そして、寒い寒いと家に閉じこもるのである。

これだけ寒暖の差が激しいと、いつも元気なメヒカーノも、少々風邪気味や。

そして、風邪=うつる
という、方程式がこの国にはないのか、お構いなしに家に招き入れる。
おかげで、いつも町人から風邪をうつされるのである。

最近では、腹痛と嘔吐が流行っているのか、レオン一家もほぼ全員が腹痛と嘔吐に悩まされていた。
そして、ハニーもうつされてしまった。

僕は何故か無事や。


ハニーの症状もよくなってきたし、4〜5日たって家を訪ねた。

すると、みんな腹痛と嘔吐は大分おさまったが、レオンとグロリアに関しては、まだ若干お腹が張っているという。


グロリア母さんが、
「ハルたちは大丈夫?
もし、お腹が張っているなら、これを飲みなさい」
と、不思議な白い粉をさしざして来た。

僕はまるでシャブ漬けになった麻薬捜査官の用に、壊れた目玉をギョロギョロさせながら、震える人差し指を使い、その白い粉を少しばかりすくって舐めてみた。


「しょっぱ!
Que es eso?ーケ エス エソ?
(何これ?)」

「塩みたいな味するでしょ?
carbónicoーカルボニコー
(炭酸)よ」


へぇ~、炭酸ってこんな味するんや!
初めて舐めた。

そして、僕は思い出した。
小学生の頃、当時中学生だった兄貴に、
「何これ~? たんき~! 大人のオ○コ!」
という、よく分からないギャグを覚えさせられたことを。

その時セットで、
「ワッセ!ワッセ! て・ら・だ!
て~ら~だ~の鼻毛~」
というギャグも、覚えさせられたっけ。

ちなみに寺田は兄貴の友達で、年賀状にデッカく、
”マ○毛”
と書いて、チン毛を貼りつけて送ってきた男だ。


よく郵便配達員に盗まれなかったもんや。

僕が郵便配達員なら、その毛を盗んで、代わりに自分の毛を貼り付けるやろう。


ーはっ?
もしかしたら…
はは~ん。
やるね。西淀の郵便配達員。

西淀川区・中島とは、正月早々、郵便配達員のチン毛が貼り付いた年賀状が送られてくる、そういう町である。

ちなみに、西淀川区の区役所に行って、
「国民健康保険に加入したいんですけど」
と言うと、
「何のために?」
と返される。

10年前の話である。
我輩は猫である。
そろそろ本題に戻る。


塩味のする炭酸をどうするかというと、生絞りオレンジジュースの中にecharーエチャールー
(加える)するという。

すると、いっぱいespumaーエスプーマー(泡立ち)する。

要するに炭酸入りオレンジジュースを飲んで、腹の張りを治すというのだ。


腹が張ってんのに、炭酸飲んだらよけいに貼るんちゃうん?
と思うのだが、母さんいわく、
「お腹の張りは、ゲップと共に消えていく」
という。

斬新や!
かなり斬新や!

確かに腹が張ってるとき、オナラをこいたら治ったりする。
なんせ腹が張る原因はガス。

溜まったガスを出せばいいんやから、下から出そうが上から出そうが問題はない。


下から出れば、黄金の道を通り、ゴールデンゲート(雄琴じゃナイよ)を開いてくるワケやからウンコ臭い。


上から出れば、口内の菌を吸収するとはいえ、下から出るよりゃ臭さはマシか?


メキシコ人は日本人より賢いね。
そして、臭いに敏感や。

しかし、今まさにゴールデンゲートから出ようとしてるときに、炭酸飲んで呼び戻してもうた時は最悪!


いくら歯をキレイに磨いてようが、なんとも言えないウンコ臭いゲップが口から放たれる。

その瞬間、口は肛門と化す。
生え揃えたヒゲはケツ毛や。

ヒゲが立派であればあるほど、ケツ毛ボーボーおっさんのケツ。

イボなんかあった日にゃ、かなりリアル。
血が出んことを祈るだけ。

オ~ マイゴッド!


ーガス
下から出すか?
上から出すか?ー

僕は是非とも下から出したい。
炭酸飲むんはお断りや。

ゴーストタウン

Pueblo Fantasma
ープエブロ ファンタスマー
プエブロが町で、ファンタスマが幽霊。

ようするにゴーストタウンや。


この家に住み出した頃に先輩(ダブリのアロンソン)が、
「ハル。この家には幽霊が住んでるよ」
と、ご親切にも全くいらん情報を教えてくれた。

こんな時ホンマなら、
「お~。Muy amableームイアマブレー(どうもご親切に)」
って言うべきなんやろうが、心にもない言葉がとっさに出るわけもなかった。


その後、ボニーの娘マガリも、
「ハル。幽霊見た?」
と、突然尋ねてきた。

失礼なやっちゃ。


その時2人で、
「マジで? 嫌やなあ。出て行く?」
と不安になりながらも、結局今まで、何の支障もなく過ごしてきた。

いや、それは間違いか。

雨漏りはあるわ、電力不足で冷蔵庫は水漏れするわ、窓ガラスが足りてないから、外部から侵入してくるホコリはすごいわ、部屋は寒いわ…

幽霊以外の支障はありけりや。


話は戻り、12月の終わり頃から少しずつ変化が現れ始めた。


夜になると、やたらと犬が吠え出すようになった。

始めのうちは、
「まあ、犬もさびしいんちゃう?」
なんて笑っていたが、夜間咆哮が2週間以上も続くと、さすがにバカ犬共をかっさばいて調理したい気分になってくる。

自称・ミスター味っことしては、Hecho en Mexicoーエチョ エン メヒコー(メキシコ産)な犬肉を如何に調理するかに、興味がわいてくるわけや。


なんせミスター味っこになることが、僕の昔からの夢だった。

ーみんなから愛される下町の大衆食堂で、安物の豚肉を使い、如何にして極上のとんかつを作り上げるか?
とか、
ーマグロの赤身のみを使い、どのようにして、バラエティ豊富なマグロ尽くしの寿司盛りをお客さんに提供するか?
とか、
ー美味いもん食ったら、思わず手の平パ~ンて鳴らしてまうのが癖になって、周りから”柏手のヤス”って呼ばれるようになっちゃうとか…

あっ。違った。
とんかつ以外は将太の寿司や。


犬はさて置き、さすがに少し不安になる。

最近ではゆうきちゃんいわく、
「足音や話し声が聞こえる」
らしいし。

ひょっとしたら、ホンマに幽霊が住んでるのかも知れない。

てか、昨年の1月23日に、当時この家に住んでいたマーティーの兄貴・フリオが、病気のためにこの家で亡くなっている。
という話を、12月12日(グアダルーペ聖母の日)にマーティー本人から聞かされている。

今年の1月23日には親族総出で、ここへ弔いに来るそうやし。


そういうことから推測するに、「マーティーの兄貴が夜に徘徊してるから、六感冴え渡る犬共が吠えてるのでは?」
という説が、考えられる。
命日も近いことやし、帰ってきてるのかも。

まあ、それならそれでいい。

オアハカに住んでた一ヶ月。
毎夜毎夜、ヌリアの亡くなった兄ちゃんが徘徊してたワケやし。
若干慣れてる。

しかし、幽霊やなく、強盗か何かが日本人の家を狙ってるんやとしたら、どっちかゆーたらそっちの方が怖い。

なんせメキシコの泥棒は、犬だけでなく、電気のケーブルさえ盗むほど、金に飢えている。

こんな田舎町の電気ケーブルを盗むぐらいや。
日本人=金持ちと思われ、狙われる可能性はあるやろう。

メキシコ~アメリカ間の人身売買&臓器売買もあるそうやし…

なんせ毎日のように、行方不明のモンタージュが、ブラウン管の向こう側に流れている。

メキシコとはおっとろちい国である。
しかし、もっとおっとろちいのはユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカや。

なんせ、需要が無ければ供給は無い。

アメリカが求めなければ、メキシコでそういう問題は起きないワケやから。
…多分。

あいつらは悪や。
恐ろしいで、ホンマに。

ただ、今のとこ僕らは無事。

もしかしたら、オアハカにしてもこの家にしても、ゴーストが僕らを護ってくれているんやろうか?

日本人とメキシコ人。
関係ないっちゃあ関係ないが、何かしらついでに護ってくれてるんかもしれん。


このレチュギージャスという、とても静かで、時に呑んだくれが騒がしい、それでも平和な小さい田舎町。

そんな田舎町の中心には、日本人だけやなく、ゴーストも住んでいるという。


決して、地球の歩き方に載ることはないであろうこの町にも、色んなドラマがあるワケやから、幽霊の1人2人居ても不思議はないさ。


でも、やっぱり、ちょっぴり怖いなぁ。

そして、今夜もまたバカ犬共が、こりずにうるさく吠えやがる。

このうっぷんはベトナムで晴らすしかない。

なんせベトナムには、僕らがいまだかって食べたことのない犬肉料理があるからや。

この恨みは食べることで晴らすしか、僕らにはそれしか出来ないないではないか。

ああ、ベトナム産・エスニックワイン ”ル・カン”を呑みながら、犬肉を頬張る日がむしょうに待ち遠しくなってきた。

しかし、ベトナムはベトナムで、犬のゴーストが山ほどおるんやろなぁ~。

結論としては、地球=ゴーストタウンっちゅうことか。

うん。きっとそうゆうことや。