2011年9月5日月曜日

初稼ぎ de オアハカ

8月24日(水)
朝起きると、
「ハル! 大変! 問題が起きた!」
と、ヌリアが慌ててかけよってきた。

どうやらナジェリが発作を起こしたらしい。

ナジェリの元に駆け寄ると、過呼吸気味にハアハア言っているでないか。

これはどうしたことやろか??

聞くと彼女はasmaーアスマー
ぜん息持ちらしい。

「マッサージでなんとか治せんか?」
とヌリアは言うが、どっちか言うたら薬の方が必要やろ?
と、僕は思った。

だが、ゆうきちゃんが器官のマッサージを知ってたので、1時間ほど2人で背中をさすったり、指圧したり、頭が痛いと言われれば頭のツボを押したり、過呼吸ならばと袋あてがった結果、余計に苦しめたり…

そんなことしてるうちに、彼女はだいぶ落ち着いた。

「もう大丈夫。ありがとう!」

僕らはとりあえず仕事に戻ることに。

肥料場に向かう途中、けいこさんに出くわしたので、事の始終を話すと、
「私、喘息の薬とスプレー持ってるよ」
というので、今度はけいこさんと三人でナジェリの元に。

あの喉にシュッと吹きかけるスプレーと、薬を渡そうとした。

そしたら、
「いらん!」
の一言。

何故?

何故なら彼女にはかかりつけ医がいるという。
それも自然療法士。

だから、彼以外の医者や、化学薬品には頼りたくないのだとか。

自然治療。
確かに、自然に治癒することは素晴らしいことだとは思う。

しかし、朝もはよから人様に迷惑かけるぐらいならば、なんかしらの薬持っといてもいんじゃないの?
と僕は思う。

だって、今日この場にヌリアしかいなくて、薬も無くて、病院にも行きたくないっつって、もしも取り返しのつかんことにでもなってたなら、
「あんた一体どうするつもりなんや?」
って話や。

まあ、それでも自然療法にこだわるってんなら、勝手にすればいいし、その意気込みは認めるよ。

自称・ベジタリアンやと言いながら、野菜がなくなったら肉食べる奴よりもスジは通ってるから。

ただ、あなた。
3時間後に受け取りましたよね?

確かに受け取りましたよね?

喘息の錠剤。

1錠だけ欲しいと言いながら、ちゃっかり1シート奪い取りましたよね?

Por que?? ーポルケー
(なぜ?)

Quien sabe! ーキエン サーベー
(さあね)



8月25日(木)

前日に飲んだ錠剤が効いたのか、元気モリモリでナジェリは帰った。

マッサージのお礼にと、ゆうちゃんに50ペソ手渡して。

オアハカに来て初めての稼ぎ!!

イェイ!
ビールでも呑も!


仕事が終わり、歯医者に向かうことになった。

僕の歯の治療ではなく、まことさんの抜けた銀歯をはめ込む為に。

昨晩抜けたらしい。

ナジェリの発作といい、まことさんの抜歯といい、ここにはなんかあんのかな??

僕は僕で、歯茎が化膿してるみたいで、赤く腫れた上からなんか白くなってるし。


歯医者での治療が済み(ちゃんとした歯医者で100ペソ・保険証いらず)、”Súper mercado El tejate”
にビールを呑みに行った。

すると、店の姉さんMarren(マッレーン)が、
「馬乗りにおいでよ。明日」
っと誘ってきたので、明日馬に乗ることになった。



8月26日(金)
Netしに行ったら、前働いてたサンクリ農場のパトロンから返信があった。

「8月28日に旅行から帰ってくるから、その時なら多分会えるよ」。

7月に送ったメールにやっとこさ返信が。

まあ、九月末に出国し、10月に戻ってきてから働けそうなら行けばいいか?
と、返信せずに帰宅した。


昼食時、ヌリアがひたすらに、
「グアテマラ出国する際にはヒッチハイクで行け!
2人はやり方知らんやろう。
だから、まこととけいこに聞け!」
と、ヒッチハイクを進めてきた。

もうこれで3度目や。

確かにヒッチで行けば交通費はタダ。
めちゃくちゃ嬉しい。

ヌリアもお兄さんのロベルトとずっとヒッチ旅して来たし、まことさん達も3年半、ヒッチとバスを乗り継いで、ここまでやって来た。

2組とも一切危険な目に会わずにやってこれた。

が、僕には女連れでヒッチするのは無理や。
もし僕が、マッチょでケンカが強かったとしても、絶対にしない。

金取られたり、殴られたりするぐらいなら、
「しゃあないか」
で済むが、自分の大切な人の身に万が一のことがあったとき、「しゃあないか」
では済まへん。
一生取り返しがつかへんし、死ぬまで哀しい思いをしなくちゃならない。

だから、僕からしたら女連れでヒッチをするのは、ただの無責任のアホがする行為やと思う。

ちっともカッコよくない。
ので、ヌリアに言った。

「僕は日本でならヒッチしたことあるから、やり方がわからんことはない。
だから、男同士でならするよ。
でも、女の子連れてはしない。
何かあったら哀しいから」。

すると、
「大丈夫やって、わたしとロベルトも、まことらも大丈夫やってんから。
そんなバスみたいなシステムに頼って金払うのは馬鹿のすることで、とてもくだらない行為や」
と、彼女は言った。


僕は思った。
ここを出て行こうと。

彼女は確かにいい人やろう。
少し怒りっぽいが、それは年のせいもあるやろし、言葉がなかなか通じずにイライラするんかもしれない。

この大きい土地に1人で住んで寂しいやろし、何かしら手助け出来ればとも思う。

でも、価値観が合わない。
それだけは、もうどうしょうもない。

金払ってへんだけで、結局車というもんに頼ってるくせして、それを馬鹿にするんはよくない。
間違ってるやろう。

拾ってくれた人が一生懸命働いた金で買った車に、ガソリン代も高速代も払わず、同乗させてもらう。
下手したらたまにメシや酒をご馳走になったり、家に泊めてもらうことまであるヒッチ。

感謝することはたくさんあっても、馬鹿にすることは一切ない。

10年もヒッチで旅しといて、そんなこともわからんなんて、全く意味のない旅しかしてきてへんがなと。

結局ハッパが吸いたいだけのヒッピー野郎なんかと。

だから出ることにした。

井戸水のせいか歯も痛いし。





0 件のコメント:

コメントを投稿