2011年11月24日木曜日

サンパブロ・ラ・ラグーナ

現在住んでいるサンペドロからピックアップトラックに乗り、1人20円ほど払えば、一瞬でサンファン・ラ・ラグーナへと行ける。

サンペドロの人間から聞いた話と違い、ホテルどころか週単位で借りれるレンタルームもあれば、スーパーに市場もあるサンファン。

観光地のわりには観光地かぶれもしてないし、道ですれ違う人達も皆やさしくあいさつしてくれる。

子供らもすれてなくて、みんな無邪気や。

サンペドロよりも静かやし、次にグアテマラに来る際には、必ずここに滞在するつもりでいる。

草木染めも綺麗やしね。

そんなお気に入りの町に昨日(9月23日)、二度目の散歩&買いそびれた土産を買う為に向かった。
(…オモロイ地酒があれば尚いいんやが)

が、ただサンファン行くだけってのもアレやし、まずはそっからも一つ進んだサンパブロ・ラ・ラグーナに行くことにした。

サンパブロにはマゲイで作った繊維があるとかないとかゆーとるが、どうせならマゲイで作った酒・プルケが呑みたいなぁ。
(オアハカで呑みそびれたからね)


サンパブロ直のピックアップトラックはないらしい故に、サンファンで乗り換えなければならない。

サンペドロからシェラ行きの、チキンバスという大型バスに乗り込んで、
「サンパブロで降ろしてくれ!」
と言えば、きっと安くいけるんかもしれないが、なんせサンペドロからシェラ行きのチキンバスは、早い便で朝8時半・11時の二本ぐらい。
頻繁には出ていないので、なかなかタイミングが合わない。


だから、ピックアップでとりあえずサンファンに向かう。
ちなみにサンファンまでは、歩いても30分ぐらいで行けるんちゃうかなぁ~。


サンファンに無事到着。
ピックアップを探すが見当たらない。

一応トゥクトゥクの兄ちゃんにサンパブロまでの片道料金をいくらか尋ねると、
「2人で25ケツァル(約250円)」
だという。

サンペドロからサンファンまでが1人2ケツァルやのに対し、サンファンからサンパブロまで1人12.5。
これは高い!
12倍もする。

地図上ではそんなに距離に違いはないハズやのに…。

とりあえずトゥクトゥクはあきらめて、も一度ピックアップを探していると、ワゴンタクシーの兄ちゃんに声をかけられる。

「どこ行きたいん?」

「サンパブロ!」

「1人10でいいよ」
トゥクトゥクより2.5ずつ安い。

それでも、2に比べれば5倍や。

が、ワゴンタクシーの兄ちゃんは言う。

「もう今はサンパブロ行きのピックアップは無いよ」
と。

確かに!
サンペドロと違い、ピックアップの姿が異様に少ない。

見かけたとしても、
「サンパブロ?
ノー。サンペドロ行きやで」
との答えしか帰ってこない。

仕方がないのでワゴンに乗り込み、サンパブロへ向かった。


サンパブロまではガタゴト道を進んだ後、ずっと上り道やった。

だいたい15分ぐらいかかったやろうか、無事にサンパブロに到着した。

降りる前に兄ちゃんが、
「も一つ進んだとこにある、サンマルコスはええとこやで。
行きたいなら連れてくよ!」
としきりに勧めてきたが、とりあえず興味の強い方、ここサンパブロで下車することにした。


車を降りるやいなや、
「サンマルコス~、サンマルコス~!」

そんなにサンマルコスはええとこなんか?

ついつい行きたくなるほどに、声かけが激しい。

が、声かけを無視して村を歩く。


山の風景。
空の色。
雲の流れ。
村人の戯れ。


…何もない。
見事なほどに、ここには何もない。

昼間から酒場で、民族衣装を着た現地のお姉さんたちが酒盛りをはじめてるぐらいや。

サンペドロやサンファンと比べると店等もほとんどなく、道の所々で道路脇に腰掛けたおばちゃん達が野菜を売ってるだけ。

することもないし、とりあえずうろうろしてから、教会の前に腰掛けた。
すると、1人の現地人が近づいてきた。

35歳ぐらいやろか。
名前は忘れたが、やさしそうな男性。

「こんにちわ。
どっから来たの?
ここには何をしに来たの?」

簡単な挨拶から会話が始まる。

会話といっても9割はなんとか受けとめるだけやが、スペイン語初心者なのを気遣いやさしい球を投げてくれたので、なんとも受け取りやすかった。


まず初めに彼は、自分がこの教会の管理人をしているということを紹介してくれた。

朝も昼も夜も、ずっとずっとここを見張っているらしい。


その次に彼は、サンパブロという村の今昔を教えてくれた。


今この村はとても静かで安全やが、昔はタチの悪い若者が盗みを働いたり、ドラッグに溺れたり、大変やったらしい。

毎日不安な日々を送ってたそうや。

が、村の人らが追い出したのか?あるいは自ら出ていったのか?
そんな若者たちは皆、サンマルコスへ移り住んでいったそうや。

サンパブロだけでなく、近隣の村の若者たちも皆、サンマルコスへ移り住んでいったみたい。

で、現在。
小学生や中学生のNEWエイジたちが、まじめに暮しながら勉学に励んでいるんやと。

それに関しちゃ納得!

この会話中にまわりに寄って来た子供ら全員、トゥトゥヒルとスペイン語の両方話すんやもん。

すごいわ!


その後いろいろ話したが、1番印象に残ってるのは日当の話。

この村では1日働いて35ケツァレス(約350円)。

メキシコ・レチュギージャスで1日140ペソ(840円)。

半分以下や。

あまりにも低すぎる気がする。
が、彼は言う。

「安いけど、物価も安いから大丈夫だよ。
ただビールは買えない。
一度呑んでしまうとクセになってしまうから…」

なんせグアテマラはビールが高い。
25ケツァーレスもする。

毎日呑もうもんなら、余りは10ケツァーレス。

家族抱えて一日10ケツァーレスは厳しいと思う。

僕ら2人で自炊しても、毎日米だけで3.5はかかる。
残りでトマト3やジャガイモ1.5、玉ねぎ3等を買ったらすぐに終いや。

食べ盛りの子供が1人2人おったら、あっちゅーまに無くなる額。

服買う金なんてまったくないやろう。

だから、サンパブロの子達が着てる服はたいていボロボロや。

このお兄さんの子供にしても、まわりに寄って来た子供らの制服にしてもボロボロや。

サンペドロやサンファンと比べると、貧しいのかもしれない。

それでもみんないい笑顔。
やさしく接してくれた。

1時間ほど話しこんだ後、彼にさよならを告げた。

「今度はいつここに来るの?
また会えるといいね」

そう言って彼は見送ってくれた。

サンペドロからサンファンまで、1人10ケツァーレス。

2人で20ケツァーレスのタク代払うのがなんとなくアホらしくなり、歩いて山道を下りサンファンへと向かった。


サンファンやサンペドロみたいに、民芸品や観光的なモノはないかもしれないが、サンパブロには彼がいる。

旅の醍醐味は何よりも人や!

山や海、川や谷などの大自然アート。
有名な建築物や美術品などの人工アートに、歴史や文化。
食に酒に、薬や音。
それも確かにステキやろう。

でも、そこに住む人たちの魅力が1番!

サンパブロでそれに触れれたことは、最高の思い出や。

ボロは着てても心は錦!
僕もこうありたいもんや。

金は欲しいがそこそこでいい。

メキシコ帰ったらぼちぼち稼ぐかぁ。

目標は1日30ペソや!
(現在レートで180円)

ただ、まだ部屋空いてるんかなぁ~。
空いてますように!
Ojalá~!
(オハラ~:そうでありますようにの意味)

0 件のコメント:

コメントを投稿