タクシーと聞くと、あなたは何を思い浮かべますか?
リュック・ベッソンとやらが監督してる映画『TAXI』か?
それとも、ロバート・デニーロ主演の映画『タクシードライバー』か?
もしくわ、あのイキすぎたサービスがウリのMKタクシーか?
僕の場合タクシーで思い出すことといえば、泥酔しすぎて『京都・磔磔』から大阪までタクで帰って来て、諭吉一匹払わされたことや、
泥酔しすぎて行き先伝えずにタクで眠りこけ、西淀警察まで連れて行かれたことや、
これまた泥酔しすぎてあまりにも起きないので、自宅前に救急車呼ばれたことなど…
とにかくタクシーと聞くと、泥酔と思い浮かべてしまう。
タクの運ちゃんホンマにごめんなさい。
しかし、ここオアハカでは、タクシーと聞くと何人かは、
「8月12日!」
と答えるだろう…。
8月12日(金)
昼1時すぎ、グエンヅラインに唯一あるインターネットの店に行くと、停電のためパソコンが使用不可能だった。
「すぐに電気くるよ~」
と、おばちゃんが言うので、とりあえず暇潰しに町を探索することにした。
すると、探索するまでもなく、近所の広場でタクシードライバーたちが、酒盛りをしているのを発見した。
まずは軽く挨拶をして通りすぎたが、大量に用意されたビールとツマミが目に入ったので引き返し、チャリを停めてベンチに腰掛けた。
近すぎてもやらしいし、遠すぎても難しいので、10メートル行くか行かんかぐらいの距離にあるベンチに腰掛けた。
昼間っから仕事もせず、教会どころかポリ署まで隣接しているこの広場で、このオッサンどもは一体何のための酒盛りをしているのだろうか?
罰あたりもええとこやし、ゴビエルノ(政府)クソくらえで盛り上がってる。
そして、僕らは何を期待しているのだろうか?
「おい! チーノ!」
と、言われるであろうことか?
それとも、
「おい! 一緒に呑もうぜ!」
と、言われるであろうことか?
それはもう確実に後者であり、150%そうなることは確信している。
なんせ俺にはバッカスがついている!
ベンチに腰掛け明るい空の下、くだらない話を五分ほどしてたら、
「お~い!」
と、集団の中の1人が手招きしながら叫び始めた。
はいはいはいはい、よしよしきたきた!
ね?
やっぱり。
きたでしょコレ!
コレよコレ!
タダ麦酒。
かぁ~、たまらんね!
「え? 僕ら?」
なんて、わざとらしく一体何用?
みたいな感じで近づいていく。
すると来た!
「麦酒いるか?」
の一言。
きゃっほーい!
うーれしーいなぁ~!
すかさず笑顔で「はい」と答える。
しかも、2人ともが1番好きなVictoria(ビクトリア)。
ラリホー!
しかも、アガベ(サボテンの種類)から作られる蒸留酒・Mezcalまで提供してくれた。
あ~も~イク~!
この瞬間、頭の中で違う人種同士が性交をカマした!
これを世間一般ではチャンポンといい、僕・THEワールドではファッキンニューイヤーという。
たまに生み出された雑種が、ゲロと言う汚い名前で呼ばれることがあるが、ホンマのところはテロや。
テロ in the 便器。
しかし、それはホンマは夢という説もある。
まれに便器に虹が出る。
股間から雨にじみ出る。
肛門から膿にじみ寄る。
それ見て彼女逃げよる。
一夜を逃した切ない夜。
賢治宮沢銀河鉄道の夜。
ああ、…星になりたい
まあ、とにかくただ酒呑めればなんでもいい。
でも、タクの運ちゃんと昼から呑むんは初めてや。
そもそも何でタクの運ちゃん達が昼間から仕事もせずに、酒を呑んでんねやろ?
日本ではあり得ないであろう光景。
だが、その謎はすぐに解けた。
「オアハカでは8月12日は、Día del taxi(ディア デル タクシー) ~タクシーの日~なのさ」
そう、今日はオアハカで働くタクの運ちゃん達にとって、とても大切な祝い日らしい。
11時にミサを終わらせたら、神様に感謝ってことで教会前で呑むそうや。
その後、少し働いたら、夜は夜でバカ騒ぎするらしい。
クルマのフロント部にも花飾って、まるで日本の正月みたいや。
そんなめでたい日に偶然出くわした、おめでた野郎ハポネッサ。
タクの運転まったく関係ない2人が、おこぼれで麦酒三本も四本もガバガバ呑む。
ついでにメスカルとツマミも。
何人かがほろ酔い状態で仕事に戻る。
僕らはも少しお酒をもらう。
ポリ署の真ん前で麦酒呑んで、そっから車に乗って仕事に出るタクの運ちゃんも、世界広しといえど、そうそうおらんやろう。
日本もそれぐらいのことやりゃええんや。
酒呑んでも平気で運転出来るぐらい、強いドライバーを育てあげるべきや!
罰金がどうのこうのやない。
すべては自己責任。
2〜30万払って勉強しても事故るやつは事故るし、メキシコみたいに一万払って免許買うだけの簡単システムでも、事故らんやつは事故らん。
そうだろベイべー!
わかってんのかいベイべー!
金さえ払えばノープロブレム的なシステムを作り上げてまうから、責任逃れがまかり通っちまう。
日本の腐った国道を、逃リズム共がビュンビュン走り回る。
怖いぜ。
これはとても怖いぜ。
赤ら顔で運転するこの町のタクの方が、よっぽど怖くないぜ。
でも、やっぱり飲酒運転はよくないぜ!
だから、お前のタクには死んでも乗らねえ~。
8月12日のオアハカタクシーには、死んでも乗らねえ。
ハイにはなりたいが、灰にはなりなくないからさ。
自由が炎上したら、この世にはもうな~んも残らへんで~。
パキュ~ン!
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