8月9日(火)
ファックの日に、ここでの初仕事が始まった。
とりあえず朝7時ぐらいに庭をうろついてたら、
「まだ寒いし、地面も濡れてるし、部屋の中にいときなさい。
仕事開始は8時か9時よ」
と、Nuriaさんに言われた。
確かに、昨夜降った雨のせいで地面は濡れてるし、とにかく寒い。
昼間の暑さがウソのように夜中も寒かった。
Lechuguillas出発前、一年五ヶ月間も伸ばした弁髪を遂に切り落とし、ほぼスキンに近い状態にまでカミソリで髪を剃った。
地球、愛、平和、自然、ガンジャ…
そうつぶやきながら、誰かさんのようにベランダから飛び降りてもよかったが、まだまだ僕の頭はイカれてないので無理や。
フライナ~ウ!
ノーセンキュー!
ファックミー! ファックミー!
はちきゅうはちきゅうアバンチュール!
しかし、つるつるの頭はスベスベしていてかなり気持ちいい。
ので、このままスキンを続けようかなぁと思ったが、激烈に寒いし、蚊にアホほど刺されるので、やっぱ伸ばそうと思う。
8時半ぐらいになり、まずは細かい板を道具倉庫にしまう。
袋2つ分なので5分程度で終わった。
その後、朝食。
お粥みたいなんとパン。
そして、コーヒー。
朝は毎日こんな感じやそうや。
朝食が済むと、ぬかるみの上に刈った雑草を敷く作業が始まった。
こうしないと歩きづらいし、雑草もアホほど生える為、上から雑草を敷いて道を作りがてら、新たな雑草の成長を妨げるみたいや。
その後、小さな川を作った。
雨水が木や土に流れていく為の川。
この土地は勾配があるので、基本的には外側から内側へと水が流れるが、よりよく流す為に作ることになったんやろう。
12時頃に仕事が終わる。
後はすべて自由な時間や。
15時か15時半の昼飯までは、シャワー浴びたり洗濯したり、部屋を掃除したり、好きなことをするための時間。
そして、昼飯後も好きなことをするための自由な時間。
20時前にカフェタイムをしたら、一日は終わる。
なんやかんやのんびりした時間が、ゆっくりと進んでる。
こんな感じでええんかなぁ?
と少し思うが、
「ここですることは仕事じゃないよ、遊びよ」
「急がずにゆっくりしよう」
と言ってくれるので、こんな感じでいいんやろう。
”Aquí,todo los días hay mañana”
( ここには毎日、明日がある)
今日出来なくても明日がある。
焦らなくていい。
少しずつ少しずつやっていけばいい。
作ること、食べること、考えること、休むこと。
そのすべてが生き物にとって必要なこと。
必要なことやからこそ、焦らずにゆっくりとやって行けばいい。
地球と一緒にゆっくりのんびり回っときゃええんや。
早く回るんはツイスト踊るときだけでいい。
キチガイみたいに、狂ったまま飛んできゃいい。
忙しく働かなければ、そないに腹も減らん。
少し動いて、少し食べて、たまに羽のばして。
急かせか働いて、稼いで、時間を無くして、心の余裕まで無くしてまう。
そんなようなことはしない。
それがここのスタイル。
なんせNuriaさんは、ここに暮らしてからは一切金を稼いでないらしい。
もう何十年も無収入で暮らしている。
1965年に兄ちゃんのRoberto(ロベルト)と30年間世界中をヒッチで回ったのちに、この土地に住み着いたらしい。
現在はお兄さんが亡くなっているので、1人で住んでいるが。
「ここは好きだから売らずに残そうと思ってる。
売ってしまうと、きっと家が建ち緑が無くなるから。
でも、私はそろそろ違う土地に住みたい。
だから、ここを管理してくれる人を探しているの。
管理人が見つかれば旅に出るつもりよ」
と、Nuriaさんは言う。
「もし2人がここに残ってくれるなら、自分たちの家にして住めばいいよ」
と。
今僕らは客間で寝泊まりしている。
ここには客間以外に、Nuriaの家、キッチン、便所、シャワールーム、修理途中のもう1つの家(ここがゆくゆくは僕らの家になる予定。残るならね)、そして、作りかけのキッチンとシャワールーム。
すべて離れにある。
これから二匹の鶏の為の鶏小屋も作る予定や。
そして、とにかく土地が広いので、作物を育てることも余裕で出来る。
今はNuriaさん1人やからなかなか手入れも大変やが、僕ら2人と、もう1組カップルが住めば、楽しくやって行けそうな気がする。
彼女自身はお金はいらないみたいやが、別に僕らが稼ぐことに関してはいいみたいやし。
なんせ手持ちの金も、貯金も少ししかないので、多少は稼がんとキツイ。
僕の考えでは、ここで育てた野菜を使って食の大半をまかない、余るようなら売るなり物々交換したりして、調味料や他の食材を手に入れりゃいいんちゃうかなと思う。
ビザがもらえりゃこそこそせずに、マッサージで少しずつ稼ぐのもいい。
言葉を覚えれば働きに出たり、営業かますことも出来る。
2人だけやと、1人が働きに出たらここを管理するのが1人になって大変やけど、4人おれば2人が狩りに出て、2人が家を守ればいい。
三人寄れば文殊の知恵なら、四人寄れば文殊の知恵以上のモンがわいてくるやろし。
う~ん、憧れの原始スタイル。
ウンバボー!
まだ来たばっかやから、どないなるかわからんが、僕らの約束の地がここであるならば、残りの人生、まだまだ現役ヒッピーのNuriaさんに捧ぐのもいいやろう。
Nuriaさんのカルマが旅をすることなら、Nuria&Robertoの思い出の地を守っていくことが僕らのカルマなんかもしれんし。
しかし、まあ、明日のことは明日にならにゃわからんけどね~。
なんせ、ここには毎日のように明日があるんやさかい。
”Aquí,todo los días hay mañana”
(アキー トード ロス ディアス アイ マニャーナ)
この言葉をヒッピーだけでなく、すべてのイカレポンチどもに捧げよう。
”ウィッピー! ワッパー!”
”ヒッピー! ハッパー!”
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