Noche Buenaーノーチェ ブエナー
いわゆるクリスマスイブの夜に、レオン宅でフルーツポンチを飲み、モーレ(数種類の唐辛子とチョコレートなどを煮込んだバカウマ料理。もちろん覚え済み。)を食べて過ごした。
それから大晦日までは、漁師・ファニオが釣った魚ではなく、捕らえたイグアナ(ガロボ)とウサギをご馳走してもらったり、海岸の別荘地に住む貴婦人宅で、スパークリングワインをたしなんだり、我が家で牛アバラ肉カレーを作ってみたりと、呑んだり食ったりで、あっちゅーまに時間が過ぎてった。
人生初のイグアナの味は、さきイカみたいな味やった。
そして、迎えた31日。
昼からマーティーの家でビール呑みながら、チチャロン(豚の皮のフライ)や豚肉を肴にんだんだ話した。
その時マーティーは、
「あなた達はもうメキシコ人なの?
それともまだ日本人なの?」
と、尋ねてきた。
「まだ日本人やで」
と答えると、
「メキシコが好きなら、私の養子になる?」
と言ってきたが、果たしてそんな簡単に養子になれるんやろうか?
なれるならなりたいわ。
メヒカーノに。
まあ、そんなマンガみたいな話はさて置き、夕方からは母さんと一緒にタマーレス(とうもろこしのちまきっぽいけど、ちまきなど足元にも及ばないぐらい美味い、メヒコ料理)を仕込んだ。
夜になり家族が揃うと、タマーレス&バーベキューしながら、酒をやった。
が、22時からマーティーん家に再び招待されてたので、昼も行ったのにまた向かう。
そして、食ったり呑んだりして騒ぐが、この場に集まってるみんなの1番のお目当ては、年越し花火。
なんせメヒコでは年が変わると、古着を着せた人形に火をつけて燃やした後、花火を打ち上げる。
それがこの国の、年越しの伝統行事らしい。
準備のためか、マーティーん家では、大人ぐらいの背丈のある人形に、昼間から服が着せられていた。
それを知っていた僕は、結構ルンルン気分でここへやって来たワケや。
しかし、何故か人形の顔は、メキシカンな感じではなく、映画・チャイルドプレイでおなじみのチャッキー。
ちなみにメヒコでは、チャッキーではなくチョッキー。
そして、ジャッキー・チェンは、ジャッキー・チャン。
どっちも、なんか可愛らしくて弱々しい。
この行事には、古い服を着せた人形を燃やすことで、
「古い年とおさらばしよう!(Adiós de año viejitoーアディオス デ アーニョ ビエヒート)」
という意味があるそうや。
人形がズタボロなって、花火が終わったら、
「Feliz año nuevoーフェリス アーニョ ヌエボ(新年おめでとう)」
と叫び、みんなで抱き合う。
どの国でも無事に年が明けるってことは、なんやかんやハッピーなことやね。
その後、再びボスん家に帰り、ぶどうを12粒食べた。
これまた新年行事で、目を閉じた状態で静かにぶどうを頬張りながら、頭の中で願い事(Deseoーデセオー)を唱えるのだ。
12粒あるのは、一月ごとに願い事を唱えていいから。
要するに、月ごとに願いを変えていいっちゅーんやから、日本の初詣と違いかなり欲張り。
僕に関しては、目を閉じるとハニーのことしか思い浮かばない頭になっちゃってるワケやからして、何をお願いしたかはまあ、だいたい想像出来るやろう。
「…ああ、金が欲しい
愛よりも金が欲しい」
こうして無事、2人は新年を迎えることが出来た。
しかも、メヒコで年を明かすのは二度目。
一度目は、イタリア人やらアルゼンチンババアやらと、多国籍料理をつまみながら、若者が若干ひいちゃうようなテンションで過ごした。
そして、今回は現地の人らと現地スタイルで過ごした。
いやあ、しかし、まだ30年しか生きてないが、毎年毎年。
いや、毎日毎日思うことがある。
「俺ってハッピー!」
そらそうや、名前に幸せがついとるんやから、幸せなハズがない。
親父とオカンに感謝せなね。
そして、ハニーには日々感謝。
なんせ世界が認める、ハルとユウキやからね。
”ハルとユウキ”
”愛と誠”
「このキーワードだけは、世界平和にはかかされへん」
と、金正日氏あたりがイマゴロ地獄で嘆いとるやろう。
正味な話、世界平和かどうかは知らんが、とりあえずここ”レチュギージャス”の平和は守れてる気がする。
どうゆう意味でつけたんか知らんけど、牛乳屋ラウルが最近、子牛二頭に俺らの名前つけて嬉しそうに呼んでいるから。
「こいつがハルで、こいつがユウキや」
と。
そんな冗談言いながらメキシコ人が乳を絞り、日本人が乳を呑んで美味い美味いゆーとるんやから、世界の片隅じゃあ平和が守れてるワケや。
世界の真ん中じゃあ危険が生まれてるが。
何とかしてよ。世界のヤマちゃん。
手羽先揚げとる場合やないで!
しっかし、2012年。竜の年。
一体どんな年になるんやろうか?
とりあえず元旦からマッサージが7人も入ったことやし、仕事と金には困らなそうや。
仕事と金に困らんてことは、酒にも困らんやろう。
こんな無職の戯言ついでに、この場を借りて、
「あけおめて何やねん!」
と、言わせてもらいましょうか。
ほな皆様、明けましておめでとうございます。
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