2011年7月21日木曜日

WWOOF•Lechuguillas編 その7 ~教える~

海外医療保険が切れてからまもなくして、歯痛に襲われた。 

それもちょっとやそっとの痛みではなく、夜も眠れないほどの激痛や。 

これは歯医者行かんとキツイ。 
が、保険がないとナンボ払わされるかわからんから怖い。 

どうしようか?? 

そこで俺は考えた。 
(ここは幸いにも田舎町。なんとかかんとか出来るんではなかろうか?と) 

「BOSS。ここに歯医者はある?」 

「あるよ。なんで?」 

「もうめちゃくちゃ歯が痛くて、昨日なんか寝れなかったぐらいやねん」 

「それは歯医者行かなあかんなぁ。 
検診で25ペソ。抜くなら180ペソやけど、どうする?抜く?」 

痛い=抜く。 
日本ではなかなか考えられない単純すぎる発想と、歯医者が一律料金なことにちょっぴり驚きながら、もう1つBOSSに尋ねた。 

「俺は日本人やから保険証がない。 
それでも大丈夫かなあ?」 

「No hay problema(問題あちゃこやで~)」 

翌日。 
グロリアと共に歯医者に行った。 

小さい診療所に置かれた、たった1つのあのベッド。
28歳の美人な歯科医が1人で働いていた。 

「どこが痛いの?」 

「ここ」 

あの銀色のやつでポンと叩く。 

「日本で最後に歯医者行ったのはいつ?」 

「3ヶ月前」 

「そっか。なら大丈夫!」 

緑色のドロドロした液体で、歯をぐちゅぐちゅし、最後に、 
「歯をキレイにしとかな欠けるよ」 
と、一言アドバイスをいただき治療は終わった。 

時間にすると5分程度。 

30分ペースで治療を区切る日本の、なんだかいやらしいやり方の歯科よりは、よっぽど優れているメキシコの歯科医療。 

お姉さんに50ペソ紙幣を差し出すと、 
「5ペソがないから20でいいや」と、30ペソお釣りが来た。 

なんてアバウトなんやろう。 
やはり優れている。 

グロリアがカバンから保険証を取り出し、歯科医に渡す。 
姉ちゃんはそれを見ながら、診断書か何かにカキカキする。 

これで、顔・形・性別。 
国籍すら違う日本人の治療は、メキシコ人女性が治療したことになったわけだ。 

丁寧に痛み止めまでいただくことも出来た。 
う~ん、優れすぎている。 

せやけど、ホンマ家から医者から飯から、何から何までBOSSの一家に世話になりっぱなしやなあ。 

ちなみにメキシコは水道代と電気代は一律料金らしい。 

だから、使いまくろうが何しようが問題はないという。 

居候の身なもんで、公共料金が気になって聞いてみたのだ。 

住んでる人間の数やなく、家の大きさで決まるらしい。 

BOSSん家で、電気代が二ヶ月50ペソ(約400円)。 
水道代が一ヶ月86(約600円)ペソ。 
ガスが210(約1500円)ペソと言っていた。 
計 321ペソ。 

一見安そうやが、平均日当140ペソのこの町では、3日働かんと支払われへん額。 
と考えたなら、どないやろうなぁと思う。 

多分、収入の多い町に関しては、公共料金はもっと高いんかも知れん。 

メキシコと日本の収入や物価の違いに関して、BOSSとよく話すのだが、 
「結局どっこいどっこいやなあ」 
という結論になる。 

収入多い国は物価も家も高いし、収入の少ない国は物価も家も安い。 

まあ、当然っちゃあ当然なんかもなあ。 

ただ、収入の多い国に生まれたことで、こうして海の外に出ることが出来るのだから、日本に生まれたことを感謝しなければならない。 

BOSSは言う。 
「将来、孫たちが日本に行けることはあっても、俺とグロリアは日本に行けることはないよ」。 

この言葉を聞くと、何故か心がジンとする。 

現在。日本人だけでなく、多くの先進国に住む人間が海外を行き来している。 

その目的は様々や。 

仕事、勉強、遊び、買い物etc‥。 

俺らに関しては、約束の地探しっつーか、夢っつーか、うんにゃらふんにゃらや。 

2人に一体何が出来るんやろう? 
と、悩むこともある。 

ただ、グロリアがモヒートを気に入ってくれたり、BOSSがお好み焼きや唐揚げを上手いと言ってくれたり、子供らが、 
「Haru momento mierda(ハル、ちょっと待ってね。うんこ野郎)」 
と叫んで、親に怒られたり。 

そんな1つ1つの交流みたいなもんが、また何か新しいもんを生むんかも知れんと考えたなら、2人に出来ること。 
そして目的は、そういうことなんやろうなあとも思う。 

話すこと、伝えることは、とても大事なことなんや。

こないだはBOSSん家で煮魚を作った。 

ここに来てから今までに、お好み焼き、唐揚げ、シチュー、煮魚、ポテトサラダ、モヒート、マッサージ、ご飯の炊き方をレクチャーした。 
酒やみりんはないが、Salsa de soya(醤油)は売ってるので、なんとか作れるもんや。 

今度は焼き鳥のタレや、煮物でも作ろうかなと考えている。 
タコ焼きはタコ焼き機がないのでちと難しいが。 

グロリアが調味料を使わずに、素材から味を引き出すのが得意なので(もしかしたらメキシコ料理とはそんなもんなんかも)、めちゃくちゃ勉強になる。 

自分の知っていることを教えることで、何かが返ってくる。 
するとまた、教えれることや出来ることが増える。 
なかなか素敵なことではないか。 

今BOSSん家で植えてるjengibre(生姜)が育ったら、豚の生姜焼きや生姜入りスープでも教えようか。 

ウォッカ売ってるしモスコミュールを作ってみてもいいかな。 

おっと、その前に、いいかげん明日のこと考えなきゃ。 

どうしたんだ へへいベイベー! 
お前までそんなこと言うの! 

まあ、いつものようにキメてぶっ飛ばせばいっか。 

意外と、こんなこといつまでも長く続くもんや。 

なんせ、すべてはALRIGHT!

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